明日はどこへ

漂泊の記録

中ア・南駒ケ岳 20220321

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2591mピークから頂上を仰ぐ。一筋のトレースをつけて歩くのは楽しい


【形態】単独

【対象】雪山

【場所】長野県大桑村の中ア南駒ケ岳

【特徴】夏道だが、2591mピークから先はナイフリッジの上り下りが続く面白い尾根。登りの途中でアイゼンが壊れ、応急措置でそのまま登ったが、アイスバーンで10回ほどアイゼンが外れ、危うかった。山をなめすぎだったかも

【日程】3月21日伊奈川ダム下ゲート(950m)4:20~5:30林道終点・登山口(1450m)~7:00 1920m地点7:10~9:20 2411mP9:30~10:15 2591mP~12:35頂上(2841m)12:45~14:30 2591mP~19:00ゲート

 

ダム下のゲートを真っ暗ななか出発

3連休ということもあり、浜松と名古屋ナンバーの登山者の車が2台置いてあった

今年は豪雪で

3月も下旬というのに林道は7割方雪道だった

林道終点の南駒登山口にははしごがあるが

そこも雪で埋まっている

他の登山者たちは越百山方面に行ったようでトレースはない

夏道に沿って歩いていくが

すべて雪で埋まっている

薄暗い中なにやら視線を感じ

前を見るとカモシカつぶらな瞳でこちらをながめていた

本当にういやつじゃの

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登山口のカモシカ

 

登山道の初めは急斜面で、トラバース気味に上がっていく

完全な雪斜面になっており、滑落しそうで恐々行く

途中で我慢できなくなり、わかんを付けスリップ止めとする

最初の尾根に出ると、後方に御嶽山が見えた

今日は噴煙が見えず、ご機嫌良さそうだ

 

1946m付近は夏道に雪がたんまりあり

樹木の枝が低くなって

腰を曲げて下を通って行かねばならない

なかなか腰に来る登りだ

途中で早くもリッジが出てきた

ホントに雪が多い冬ですこと

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雪が多く、腰を曲げて枝をくぐっていかなきゃならない

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樹林帯から早くもリッジ登り

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ぶっこわれたアイゼン。古いアイゼンはだめです



下りで間違った尾根に入りそうな2250mの尾根の分岐に赤布をつけていく

2411mPで一休み

わかんをアイゼンに替えようとしたら

なんと、右側のアイゼンのプラスチック製留め金がパキッと折れてしまった

これはやばい、敗退かも

と焦ったが

何とかひもで補強し足に装着

左をつけようとしたら、こちらもパキッ

今日は半ば、春のぽかぽかアイトレのつもりで

20年ほど前の古いアイゼンを持ってきた

もちろん爪先は研いでおらず真ん丸だ

それでも何とか足につけ再出発

頂上を見渡せる2591mPから先はナイフリッジと

雪庇の美味しい上り下りが続く

前々日は20~30センチぐらいの新雪が積もったようで

ラッセルしながら行く

 

しかししばらく歩くと、ひもが緩み

そのたびにアイゼンが外れる

だが、引き返そうという気にはならない(なめすぎです)

そのうち、斜面は完全なアイスバーンになった

あれっ、ここでアイゼン外れるとヤバいぞ

という地点でやっぱり外れ

必死になってバーンを新雪部分まで

アックスと片方アイゼンですりずり降りたりした

 

その時

目の前の岩にスリングが落ちているのに気付いた

しめた!

それをアイゼンと靴にぐるぐる巻きにして外れにくくした

もう片方の足には

アックスのすべり止めで固定

これでなんとか頂上までたどり着いた

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ナイフリッジの上り下り

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最も細いところは角度30度ぐらい

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もろい岩の氷化した斜面の下り。北アの中岳西尾根を思い出した

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リッジの上り下りにわくわく

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快晴の頂上


今日は冬型気圧配置が緩む予報だったが

風は冷たく、雪はふかふか、バーンはカチコチのまま

下りでは

急なバーンの前で必ずひもをしめなおした

2591mPまで来てホッと一息

ほとんど休んでいないのに時間がかかった

そこからも駐車地点まで休まず行くが

往復で15時間近くもかかってしまった

今日も一日だれにも会わなかった

 

 

 

 

中ア・熊沢岳南西尾根 20220109~10

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熊沢岳南西尾根の最高地点から臨む空木と南駒。手前は東川


【形態】単独

【対象】やぶこぎラッセ

【場所】長野県大桑村 の中ア熊沢岳南西尾根

【特徴】やぶこぎと樹林帯ラッセルが延々と続く尾根

【日程】2022年1月9、10日 

▽9日 伊奈川ダム下ゲート(950m)6:00~8:30うさぎ平(1445m)~やぶこぎ突入(1660m)~14:00テンバ(2060m)

▽10日 テンバ5:00~9:30熊沢岳頂上(2778m)~11:30テンバ12:10~17:00伊奈川ダム下ゲート

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【9日】

年末年始の悪天が嘘のような1月3連休は好天続き

伊奈川ダム下ゲートには8台もの登山者の車が止まっていた

冬の木曽谷の登山口としては異例の賑わいだ

でも熊沢岳のみを目的に入る登山者はほぼゼロだろう

 

林道歩きが9キロもあるため暗いうちに出発

ダムを越え越百・南駒方面との分かれ道まで来ると

8台分の登山者はすべて越百・南駒方面に向かったらしく

熊沢・空木方面に足跡はなかった

林道を延々と歩き、林道終点にあるうさぎ平で小休止

そこまでは除雪してあったが

そこからの登山道には案の定トレースはない

空木を木曽方面から登る人は少ないから

これも想定内だ

 

わかんを付けラッセル開始

1652mの小ピークを巻き、夏道が東川に降りていく付近からやぶに突入

背丈以上あるクマザサをつかんで急な尾根を登っていく

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ここからやぶ漕ぎの開始だ

わかんがササに引っかかって歩きにくいが

かといって脱いでしまうと膝まで雪に埋まる

一歩一歩苦しい登りが続く

クマザサ岳と言われるだけのことはある

激しいやぶは1850mぐらいまで続き、かなり体力を消耗した

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ナイフリッジが続く

1860mぐらいからは切り立った尾根道になりやぶは薄くなる

岩と氷化した土斜面のリッジ登りが出てきたのでアイゼンに履き替える

ナイフリッジを越すと雪が深くなりササは雪の下に隠れるが

ふかふかなため歩きにくい

2050mぐらいで眺めの良い平坦地があった

体力消耗が激しいこともあり

ちょっと早いがここにテントを張ることにした

風もなく、人もいない静かな夜だった

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【10日】

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カモシカの足跡に導かれていく


真っ暗な中テントを出る

延々とラッセルが続くが

カモシカの足跡が上へ上へと付いており

それに導かれるように登っていく

途中、雪の上に黄色くなった部分を見つけた

カモシカさんのおしっこも黄色いのね

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2244m付近には巨岩の連なるナイフリッジがあったが

巧みに岩をよけながら登るカモシカの足跡に助けられた

そこからもラッセル、ラッセル、またラッセ

樹林帯を抜けたのは2650mぐらい

そこから雪面が固くなりラッセルしなくてもよくなる

でもすぐに頂上着

うーん、これじゃラッセルするために登ってきたようなものだ

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やっと樹林帯を抜けた。右奥が頂上

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熊沢岳頂上。右のピークは南西尾根の頭で、頂上よりやや高い

もちろん頂上にはだーれもいない。当たり前か

そこでくるっとUターン

樹林帯をどんどん下り

クマザサのやぶをこけながら降り

林道を9キロ歩いて車にたどり着いた

2日間だれにも会わなかった

南ア・鋸岳 20211229~30(敗退)

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左岸の岩壁の横にある急なルンゼを上がる

【形態】友人と2人

【対象】雪山

【場所】長野県伊那市南アルプス鋸岳

【特徴】天候悪化などのため敗退

【日程】2021年12月29、30日 

▽29日 戸台河原駐車場(1000m)6:40~角兵衛沢出合(1300m)~13:30テンバ(2400m)~2500m地点~15:00テンバ

▽30日 テンバ7:00~11:00戸台河原駐車場

 

【29日】

数年前の豪雨で閉鎖されていた戸台河原駐車場だが

痛んでいた林道の復旧工事が終わり

今日から使用可能になることを

事前に伊那市ウェブサイトで知っていたので

迷わず駐車場へ進入

すると、駐車場に登山指導所として新しいプレハブ小屋が建ち

早朝から市職員2人と伊那警察署員2人が登山者を迎えていた

 

署員に「テントはお持ちですか」と聞かれ

何を意図して聞かれているのか分からず「は?」と聞き直すと

「山にはよく行ってらっしゃるようですから、持っていますね」

と念を押された

どうも、冬山なのにテントを持たずに山に入る初心者が出没しているため

入山者にいちいち確認しているらしい

まあ、迷惑登山者のために

寒い年末の早朝からご苦労さまなことだ

 

豪雨で川の流れが変わり

一部残っていた猟師の車の轍はすっかり消えていたが

登山者の目印となるピンクテープが木に点々とつけられていた

戸台にはかつてはアイスに毎年通ったものだが

最後に来てから5年以上がたつ

鋸も2度目だが

その時は深夜歩き出しで真っ暗な中で河原を歩いたので

川を渡渉できる場所を探して右往左往

結局、角兵衛沢出合に着いた時には

すでに日が高く登っていた苦い思い出がある

今日は明るくルートも明瞭なので

ただ足を一歩一歩前に出すだけだ

 

駐車場に入山者の車は少なかったが

わずかに残る積雪の上には足跡があった

鋸は人気の山なので先行パーティがいるんだろうと思うと残念だ

雪山はラッセルしてでも先頭を歩いた方が断然面白いからだ

出合から角兵衛沢に入っても赤テープが点々とつけられている

この沢はどこを登ってもコルまで行ける

倒木さえ気にしなければ赤テープを無視しても大丈夫なのだが

そこは人の悲しいサガ

赤テープを常に目で追いながら歩いてしまう

こういう想像力が必要ない山はつまらないばかりか

何も考えずにただ歩くだけなので疲れも激しい

 

しばらく樹林帯を歩くとゴーロとなり積雪が増えてきた

そのうち左岸に大きな岩壁が見えてきて

幅の狭い急なルンぜの登りになる

ひざ丈の雪がありわかんを付ける

急登の途中の左岸岩壁の切れたところに

以前来た時もあった氷瀑がかかっていた

途中の氷柱は直径1mはありそうなほど成長しており

あれなら上まで登って行けそうな感じだ

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今シーズンは氷結がいい㊨。コルへのルートは左の斜面を登る

そこからさらに上がり

左岸に次の岸壁が出てきた基部に

小さいが平坦な場所があった

明日は天気が悪くなりそうなので

本当なら今日中に本峰を越えておきたかったが

パートナーの脚の調子が悪く

そこをテンバにすることにした

テントを張った後

稜線の手前までトレースをつけに上がり

あとはテントでまったりした

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コルが近づいてきたが、天気は悪化傾向

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この辺りでトレース付けもやめときますか?スーパー林道が遥か下に見える


【30日】

夜中から時折強風が吹き

周囲の木々が轟轟うなっていた

テントは張った場所がよく

ほとんど揺れずによく寝られた

天気は朝から良くない

検討の結果

このまま下山することにした

時折吹雪になる中を出合まで急な谷を折り

あとは河原歩き

アイスを目指すと思われる3パーティーとすれ違い

午前中に駐車場に着

敗退だったが

今年もまた無事に一年を終えた気分に浸った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北ア・常念岳20211211~12

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【形態】単独

【対象】雪山

【場所】長野県安曇野市北アルプス常念岳

【特徴】天候悪化と競争しながら頂上へ。あと30分遅くなっていたら登頂は難しかったかも

【日程】2021年12月11、12日 

▽11日 烏川林道ゲート(785m)6:10~三股(1350m)~13:00テンバ(2250m)~2400m地点~15:00テンバ

▽12日 テンバ4:40~前常念岳(2662m)~8:10常念岳(2857m)~テンバ~15:00烏川林道ゲート

 

▽11日

うっすらと明るくなりかけたころ

ゲートから出発しようとしたら

別パーティーが車で到着した

林道歩きが長いこの時季に物好きな人たちだ

人のことは言えないが・・・

 

林道上には雪は全くなく今日は秋のような暖かさ

最近はボルダーばかりして山に入っていなかったので脚も心配だ

できるだけ汗をかかないように、ばてないように

ゆっくり目に歩く

大平原でしばし休憩するが

あのパーティーが追い付いてくる様子はない

はて、別の近場の山に向かったのか?

 

あまりの暖かさに

サルの群れが林道沿いの斜面で日向ぼっこしながらくつろいでいる

1匹大きいのがいるなあと思ったら

ちょうどこちらにケツを向けた

真ん中に大きな〇ま〇まがぶら下がっており

あの貫禄はボスザルだろうと納得した

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子ザルのあどけない表情がかわいい

無人の三股をサクッと過ぎ

夏道沿いに前常念方面に向かう

すぐに雪斜面になり

1700mぐらいから

ズボズボ膝まではまって歩きにくくなったのでわかんを装着

だが暖かい日差しのため

わかんにベタ雪が付着し一歩一歩が重すぎる

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さらに

木の上にたまった雪の塊があちこちでドカンドカンと落ちるようになった

頭を直撃したらひとたまりもないと思い

ヘルメットをかぶった

幸い、直撃することはなかったが、、、

 

2170mぐらいで稜線着

今日はできれば前常念まで行く予定だが

重いモナカ雪でスピードはまったく上がらない

明日は冬型気圧配置になり朝から天候が悪いだろう

テントを上にあげるより

樹林帯に張った方が安全と思い

斜面が急角度になる2250m付近にテントを設営

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うららかな小春日和

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前常念の南東尾根(左のスカイライン)が見渡せるところでUターン

その後、翌日のためにトレースをつけに行く

樹林帯を越えた2400mぐらいで

わかんが雪に埋もれなくなったのでUターン

テントでぬくぬくしながら10年ものの自家製梅酒などをチビチビやる

ラジオをつけるとリリーフランキーの東京FM「スナックラジオ」に爆笑

昼間っから公共のラジオでこんなこと話していて

中高生が聞いていたらどうするのだろうか???

まあ、今どきの中高生はラジオなんて旧時代の遺物に興味はないか(^^♪

 

▽12日

3時半起床

時々強い南風が吹き、天候悪化が近いことを知らせている

とりあえず前常念まで行き

天候次第で本峰まで行くかどうかを決めることにする

昨日つけたトレースが固まって歩きやすくなっており

アイゼンだけで出発

トレースがあるところまではスルスル登っていけたが

トレースがなくなった途端に膝ラッセルになる

これはいかんと、

アイゼンわかんに変更

それでもところどころ股まで潜る雪の量で

スピードは遅々として上がらない

ルートは岩を避けながらほぼ稜線通し

前常念のピーク辺りで日の出を迎えられればと思ったが甘かった

もっと下で明るくなってしまった

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安曇野の街は雲海の下だ

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振り返ると急斜面

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避難小屋は雪に埋まっていた

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雪煙の中に見え隠れする本峰

避難小屋は屋根の一部が雪の上に出ていただけだった
前常念の頂上はもう風が強くなりかけていた

さっき薄暗い中で前穂北尾根がうっすら見えたが

今はもう完全に雲の中

それも、台風の目のような立体感のある球体の雲

かなり風が強い証拠だ

常念岳の本峰は雪煙の中から出たり入ったりしている

ここから1時間ぐらいかかるだろう

頂上にたどり着けるだろうか?

行けるところまで行ってみよう

途中で暴風雪になっても雪庇を踏み抜かないように

50~100m置きぐらいに赤布をつけた旗竿を立てていく

 

正面からの風が徐々に強くなる中

横通岳からの主稜線に合流

一瞬、雲が晴れると大天井岳方面がきれいに見えた

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あとはちょっと急斜面を登ると頂上着

常念に登るのは10年ぶりぐらいだろうか

槍穂は完全に雲の中だ

youtu.be

写真を撮り、すぐに下山にかかる

前常念まで来ると

風は緩やかになる

常念の本峰が西風をブロックしてくれるからだろう

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明るくなったと思って振り返ると、そこには常念

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テンバまで戻ってテントを回収

三股までの急斜面と林道10キロを歩いてゲートまで

振り返ると蝶が岳は完全に雪雲の中だった

出発時に見かけた別パーティーもほぼ同時にゲートに下山

前常念の東尾根を目指したが

下部のブッシュと上部のラッセルで敗退したとか

当方がギリギリで敗退しなかったのは

朝早く出発したのが要因だなあとしみじみ思った

 

 

 

 

 

 

台高・大熊谷左岸第2支流~迷岳 20211106

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【形態】単独

【対象】沢登

【場所】三重県大台町の大熊谷左岸第2支流~迷岳

【特徴】紅葉を見ながら今年最後の沢登り。稜線は落葉を迎えていた

【日程】2021年11月6日 

大熊谷林道駐車地点(200m)6:40~左岸第2支流~11:50稜線(1250m)~12:00迷岳(1309m)~東尾根1224mP~南東尾根~林道~国道422号(164m)~14:40大熊谷駐車地点

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左岸第2支流出合

大熊谷の沢はこれまでに5本登ったことがあるが

左岸第2支流は手軽に登れる滝が多く楽しめたので

紅葉見物を兼ねてもう一度登ることにした

季節外れの暖かさが続いており

この日も朝から暖かい

好天も続いているので大熊谷本流の水量も少ない

第2支流の出合からしばらく行くと最初の滝

直登は無理なので巻いて行くと

巨大なチョックストーンがはまった直瀑にぶつかる

水流は少ないので迫力はない

この滝は岩の部分を登って行ける

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ゴルジュ内の美しいナメ

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ゴルジュの中を小さな滝がいくつもかかっている

この支流で最も大きい高さ20mぐらいの滝を越すと

中流部二俣手前の平凡な流れになる

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最も大きな滝

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右俣は正面に迷岳が見え

崩れた堰堤らしき構造物もある

そこを左俣へ行くと、すぐの左岸に住み心地良さそうな岩小屋があった

その上流の左岸には

スラブ状岩壁にかかる6段120mぐらいの糸滝がある

両岸の木々が真っ赤に染まって美しい

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立派な岩小屋があった

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左岸のスラブ壁にかかる糸滝

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チョックストーンの下をくぐって登れるが、水浴びしたくないので今日はパス

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水量が減ってきた


5~10mぐらいの滝を次々越えていくと水量が減り

稜線が見えてくる

稜線直下の窪地でウエットを着替え迷岳へ

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稜線の紅葉は終わりかけ

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紅葉シーズンだけのことはあり

3P計10人ぐらいの登山者がいた

迷岳に登るのは6回目になるが

人に出会ったのは2度目

紅葉狩りの時季には人気がある山なのね

 

迷岳の東尾根は二重稜線が続く

落ち葉で踏み跡が埋まるとどこを行けば良いのか分からなくなるが

まあ、地形図にコンパスを当てて歩けば間違えることはない

口迷岳を過ぎ

1224mピーク付近から南側の尾根へ

林道を経由して大熊谷の駐車地点まで歩いた

中ア・木曽川水系伊奈川ケサ沢南沢 20211015

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【形態】単独

【対象】沢登

【場所】長野県大桑村の伊奈川ダム下ゲート(950m)~ケサ沢南沢~越百山(2614m)
【特徴】登れる小滝が無数に続く。真夏にシャワーを浴びて登ったら最高に気持ちがいいだろう。中ア・木曽谷の沢の中では岩が堅く安定している方だ。この日は歩き出しから足の疲れがあり、頂上まで時間がかかった
【日程】2021年10月15日 ゲート5:30~6:50林道終点7:10~9:00南沢出合(1770m)~10:201900m二俣~11:00 1970m二俣~11:40 2060m二俣~14:00頂上14:30 ~17:50ゲート
 
空が薄明るくなるころに出発
もっと早く出る予定だったが、途中で仮眠をとったらこんな時間になってしまった
林道をしゃかしゃか歩き
越百山登山道入り口で
チャリを駐輪しようとしていたおじさん登山者にあいさつし
南駒ケ岳登山道入り口付近の林道終点で沢服にチェンジ
すでに脚に疲れが来ており、先が思いやられる
ケサ沢出合の辺りの紅葉はまだ全然進んでいない
去年、この沢で積雪のため手前の支流を登ってお茶を濁した時よりも色づきは悪い
ケサ沢が南東方向から東方向に大きくカーブすると
朝日に輝く仙崖嶺が見えた
もちろん全く雪はない

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林道終点から沢に入る。荒れている

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ケサ沢から仙崖嶺が見えた。右手前の日が当たり始めている手前が南沢
 南沢は左岸で最初に出てくる大きな谷だ
出合から小さな滝が出てくる
水は少し冷たいが、暖秋のためかしびれるというほどでもない
滝を次々越えていくと、右側が巨大な一枚岩になったゴルジュの奥に
チョックストーンのはまった10mぐらいの滝が出てきた
ぎりぎり行けるかなと思ったが
かなりシャワーを浴びないとだめだったため
クライムダウン小さく巻こうとしたら意外に悪く
これも途中でクライムダウン
大きく巻くことなった
そのまま歩いて次の滝場まで降りられた

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出合から小滝が続く

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水はそんなに冷たくなかった

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この滝は巻いたが、もろい斜面で緊張した


小滝を数個登ると二俣になり右岸には30mぐらいの逆層の滝があった
水量から見るとこの滝方面が本谷だろうと想定し
大きく巻いて滝の上に出た
しばらく行くとまた左から50mぐらいの斜瀑が合流している
谷筋の大きさからすると右に行ってしまいそうだが
地形図で見るとこの滝を登るのだろうと判断
一部シャワーを浴びるが気持ちよく登っていけた

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その後も小滝が続く

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1900m二俣にある滝

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1970m二俣の斜瀑

そのあとも滝、たき、タキの連続
ウーム、面白い沢だ
脚の回転数は全く上がらないが・・・
谷は徐々に広がり、明るくなってきた
3つ目の二俣の左俣には高さ5mぐらいで幅広の滝があった
そこを越えても滝が続くが
だんだん滑りやすくなってくる
登れそうだが危ないナメ滝がいくつも出てきて
何度も巻くことになり、余計に時間をロス

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滝の連続

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無数にある

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10月とは思えないほど暖かいから気持ちが良い

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2060m二俣の滝

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さらに滝は続く

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だんだんぬめりが出てくる

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ぬめりのため登れるか登れないかぎりぎりの所

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巻くことが多くなる

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振り向くと、御嶽山が見守ってくれている

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巻いて巻いて


水が枯れてもずっとナメが続き
最後はガラ場とザレになり体力を消耗
頂上やや北方の岩尾根の稜線着
もっと右の支流をたどるべきだった
頂上は雲一つない快晴
こんなに天気がいいのも久しぶりだ

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水が涸れても滝

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最後はガレ、ザレ。もっと右に行くべきだった

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雲ひとつない快晴。南アが全部見える
 
濡れた沢服を、10月なのに半袖に替え
登山道と林道を下山
ちょうど真っ暗になるころにゲートに着いた

中ア・木曽川水系伊奈川本谷・上流部右俣~檜尾岳20211008~09

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黄葉が白い河原に映える。後方は熊沢岳

【形態】単独

【対象】沢歩き

【場所】長野県大桑村の伊奈川ダム下ゲート~伊奈川本谷・上部右俣~檜尾岳~熊沢岳~東川岳

【特徴】河原を延々と行く歩き沢。紅葉の時季に行くと最高!往復18キロの林道歩きさえ我慢できれば!季節外れの暑さで稜線歩きは半袖で十分だった。

【日程】2021年10月8~9日 

8日 駐車地点(950m)6:10~8:00取水堰堤(1410m)8:20~14:00ビバーク地点(2000m)

9日 ビバーク地点5:20~8:30稜線(2700m)9:00~10:10檜尾岳(2728m)~11:20熊沢岳(2778m)~12:20東川岳(2671m)12:50~17:20ゲート

 

 

8日 ゲートから林道を延々と9.5キロ歩き、中八丁峠方面の道を分けた先にある堰堤付近から入渓。そこからもずーっと河原を歩いて行く。滝はない。1カ所だけあるゴルジュっぽいところも巨岩伝いに行けるが、せっかくなのでへつってみる。こういう沢は風景を楽しむしかない。この辺りの紅葉はまだ早いが・・・。2050m付近から右俣に入る予定だったが、そちら方面は紅葉がいまいちっぽい。その出合付近に、薪がいっぱいある平坦地があったので、そこで泊まることにした。

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堰堤付近から入渓する

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流れは至って平凡

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せっかくなのでへつる

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こんな流れが緩やかな淵には真っ黒なイワナがいた。25センチぐらいあった

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美しい河原が続く

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1950m付近右岸には立派な岩小屋があった。雷雨の時は最高

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青い空、白い雲、紅や黄の木々、輝く河原

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薪もたんまりある

 

9日 右俣に行くかどうかを一晩考えたが、紅葉がきれいそうな本谷をもう少し行ってから右の支流に入ることに変更。2100~2400m付近が今の紅葉の盛り。日が当たり出すと山肌が美しい。滝は全くないが、こんな沢歩きもいいものだ。稜線が見えてきた辺りで木々の葉も落ちかけていたので、適当に左岸の支流に入る。傾斜がやや急になる中程はナメ滝が続いていた。最後はガレとハイマツの藪こぎを少しで、主稜線2858mピーク南側の尾根に出た。2週間前に登った三沢岳が正面に見えて美しい。そこから人がいっぱいの3つのピークを越えて、木曽殿山荘から下山。うさぎ平からゲートまでの8.5キロの林道は、脚の痛さを思い出さないように、来週の仕事の段取りを(無理矢理に)繰り返し何度も考えながら歩いた。

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紅葉の盛り

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稜線が近づいてきた

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この左岸支流を登ることにした

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気持ちの良いナメ滝を行く

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2700mぐらいの稜線着。後ろには三沢岳

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人で混み合う檜尾岳。中アの主だったピークはここが最後

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さっき登ってきたばかりの伊奈川本谷を捜索の警察ヘリが行き交っていた。何かトラブルでもあったのだろうか。それとも警察官もたまには紅葉見物?