中ア・南駒ケ岳 20220321
【形態】単独
【対象】雪山
【場所】長野県大桑村の中ア南駒ケ岳
【特徴】夏道だが、2591mピークから先はナイフリッジの上り下りが続く面白い尾根。登りの途中でアイゼンが壊れ、応急措置でそのまま登ったが、アイスバーンで10回ほどアイゼンが外れ、危うかった。山をなめすぎだったかも
【日程】3月21日伊奈川ダム下ゲート(950m)4:20~5:30林道終点・登山口(1450m)~7:00 1920m地点7:10~9:20 2411mP9:30~10:15 2591mP~12:35頂上(2841m)12:45~14:30 2591mP~19:00ゲート
ダム下のゲートを真っ暗ななか出発
3連休ということもあり、浜松と名古屋ナンバーの登山者の車が2台置いてあった
今年は豪雪で
3月も下旬というのに林道は7割方雪道だった
林道終点の南駒登山口にははしごがあるが
そこも雪で埋まっている
他の登山者たちは越百山方面に行ったようでトレースはない
夏道に沿って歩いていくが
すべて雪で埋まっている
薄暗い中なにやら視線を感じ
本当にういやつじゃの
登山道の初めは急斜面で、トラバース気味に上がっていく
完全な雪斜面になっており、滑落しそうで恐々行く
途中で我慢できなくなり、わかんを付けスリップ止めとする
最初の尾根に出ると、後方に御嶽山が見えた
今日は噴煙が見えず、ご機嫌良さそうだ
1946m付近は夏道に雪がたんまりあり
樹木の枝が低くなって
腰を曲げて下を通って行かねばならない
なかなか腰に来る登りだ
途中で早くもリッジが出てきた
ホントに雪が多い冬ですこと
下りで間違った尾根に入りそうな2250mの尾根の分岐に赤布をつけていく
2411mPで一休み
わかんをアイゼンに替えようとしたら
なんと、右側のアイゼンのプラスチック製留め金がパキッと折れてしまった
これはやばい、敗退かも
と焦ったが
何とかひもで補強し足に装着
左をつけようとしたら、こちらもパキッ
今日は半ば、春のぽかぽかアイトレのつもりで
20年ほど前の古いアイゼンを持ってきた
もちろん爪先は研いでおらず真ん丸だ
それでも何とか足につけ再出発
頂上を見渡せる2591mPから先はナイフリッジと
雪庇の美味しい上り下りが続く
前々日は20~30センチぐらいの新雪が積もったようで
ラッセルしながら行く
しかししばらく歩くと、ひもが緩み
そのたびにアイゼンが外れる
だが、引き返そうという気にはならない(なめすぎです)
そのうち、斜面は完全なアイスバーンになった
あれっ、ここでアイゼン外れるとヤバいぞ
という地点でやっぱり外れ
必死になってバーンを新雪部分まで
アックスと片方アイゼンですりずり降りたりした
その時
目の前の岩にスリングが落ちているのに気付いた
しめた!
それをアイゼンと靴にぐるぐる巻きにして外れにくくした
もう片方の足には
アックスのすべり止めで固定
これでなんとか頂上までたどり着いた
今日は冬型気圧配置が緩む予報だったが
風は冷たく、雪はふかふか、バーンはカチコチのまま
下りでは
急なバーンの前で必ずひもをしめなおした
2591mPまで来てホッと一息
ほとんど休んでいないのに時間がかかった
そこからも駐車地点まで休まず行くが
往復で15時間近くもかかってしまった
今日も一日だれにも会わなかった
中ア・熊沢岳南西尾根 20220109~10
【形態】単独
【対象】やぶこぎラッセル
【場所】長野県大桑村 の中ア熊沢岳南西尾根
【特徴】やぶこぎと樹林帯ラッセルが延々と続く尾根
【日程】2022年1月9、10日
▽9日 伊奈川ダム下ゲート(950m)6:00~8:30うさぎ平(1445m)~やぶこぎ突入(1660m)~14:00テンバ(2060m)
▽10日 テンバ5:00~9:30熊沢岳頂上(2778m)~11:30テンバ12:10~17:00伊奈川ダム下ゲート
【9日】
年末年始の悪天が嘘のような1月3連休は好天続き
伊奈川ダム下ゲートには8台もの登山者の車が止まっていた
冬の木曽谷の登山口としては異例の賑わいだ
でも熊沢岳のみを目的に入る登山者はほぼゼロだろう
林道歩きが9キロもあるため暗いうちに出発
ダムを越え越百・南駒方面との分かれ道まで来ると
8台分の登山者はすべて越百・南駒方面に向かったらしく
熊沢・空木方面に足跡はなかった
林道を延々と歩き、林道終点にあるうさぎ平で小休止
そこまでは除雪してあったが
そこからの登山道には案の定トレースはない
空木を木曽方面から登る人は少ないから
これも想定内だ
わかんを付けラッセル開始
1652mの小ピークを巻き、夏道が東川に降りていく付近からやぶに突入
背丈以上あるクマザサをつかんで急な尾根を登っていく
わかんがササに引っかかって歩きにくいが
かといって脱いでしまうと膝まで雪に埋まる
一歩一歩苦しい登りが続く
クマザサ岳と言われるだけのことはある
激しいやぶは1850mぐらいまで続き、かなり体力を消耗した
1860mぐらいからは切り立った尾根道になりやぶは薄くなる
岩と氷化した土斜面のリッジ登りが出てきたのでアイゼンに履き替える
ナイフリッジを越すと雪が深くなりササは雪の下に隠れるが
ふかふかなため歩きにくい
2050mぐらいで眺めの良い平坦地があった
体力消耗が激しいこともあり
ちょっと早いがここにテントを張ることにした
風もなく、人もいない静かな夜だった
【10日】
真っ暗な中テントを出る
延々とラッセルが続くが
カモシカの足跡が上へ上へと付いており
それに導かれるように登っていく
途中、雪の上に黄色くなった部分を見つけた
カモシカさんのおしっこも黄色いのね
2244m付近には巨岩の連なるナイフリッジがあったが
巧みに岩をよけながら登るカモシカの足跡に助けられた
樹林帯を抜けたのは2650mぐらい
そこから雪面が固くなりラッセルしなくてもよくなる
でもすぐに頂上着
うーん、これじゃラッセルするために登ってきたようなものだ
もちろん頂上にはだーれもいない。当たり前か
そこでくるっとUターン
樹林帯をどんどん下り
クマザサのやぶをこけながら降り
林道を9キロ歩いて車にたどり着いた
2日間だれにも会わなかった
南ア・鋸岳 20211229~30(敗退)
【形態】友人と2人
【対象】雪山
【特徴】天候悪化などのため敗退
【日程】2021年12月29、30日
▽29日 戸台河原駐車場(1000m)6:40~角兵衛沢出合(1300m)~13:30テンバ(2400m)~2500m地点~15:00テンバ
▽30日 テンバ7:00~11:00戸台河原駐車場
【29日】
数年前の豪雨で閉鎖されていた戸台河原駐車場だが
痛んでいた林道の復旧工事が終わり
今日から使用可能になることを
事前に伊那市ウェブサイトで知っていたので
迷わず駐車場へ進入
すると、駐車場に登山指導所として新しいプレハブ小屋が建ち
早朝から市職員2人と伊那警察署員2人が登山者を迎えていた
署員に「テントはお持ちですか」と聞かれ
何を意図して聞かれているのか分からず「は?」と聞き直すと
「山にはよく行ってらっしゃるようですから、持っていますね」
と念を押された
どうも、冬山なのにテントを持たずに山に入る初心者が出没しているため
入山者にいちいち確認しているらしい
まあ、迷惑登山者のために
寒い年末の早朝からご苦労さまなことだ
豪雨で川の流れが変わり
一部残っていた猟師の車の轍はすっかり消えていたが
登山者の目印となるピンクテープが木に点々とつけられていた
戸台にはかつてはアイスに毎年通ったものだが
最後に来てから5年以上がたつ
鋸も2度目だが
その時は深夜歩き出しで真っ暗な中で河原を歩いたので
川を渡渉できる場所を探して右往左往
結局、角兵衛沢出合に着いた時には
すでに日が高く登っていた苦い思い出がある
今日は明るくルートも明瞭なので
ただ足を一歩一歩前に出すだけだ
駐車場に入山者の車は少なかったが
わずかに残る積雪の上には足跡があった
鋸は人気の山なので先行パーティがいるんだろうと思うと残念だ
雪山はラッセルしてでも先頭を歩いた方が断然面白いからだ
出合から角兵衛沢に入っても赤テープが点々とつけられている
この沢はどこを登ってもコルまで行ける
倒木さえ気にしなければ赤テープを無視しても大丈夫なのだが
そこは人の悲しいサガ
赤テープを常に目で追いながら歩いてしまう
こういう想像力が必要ない山はつまらないばかりか
何も考えずにただ歩くだけなので疲れも激しい
しばらく樹林帯を歩くとゴーロとなり積雪が増えてきた
そのうち左岸に大きな岩壁が見えてきて
幅の狭い急なルンぜの登りになる
ひざ丈の雪がありわかんを付ける
急登の途中の左岸岩壁の切れたところに
以前来た時もあった氷瀑がかかっていた
途中の氷柱は直径1mはありそうなほど成長しており
あれなら上まで登って行けそうな感じだ
そこからさらに上がり
左岸に次の岸壁が出てきた基部に
小さいが平坦な場所があった
明日は天気が悪くなりそうなので
本当なら今日中に本峰を越えておきたかったが
パートナーの脚の調子が悪く
そこをテンバにすることにした
テントを張った後
稜線の手前までトレースをつけに上がり
あとはテントでまったりした
【30日】
夜中から時折強風が吹き
周囲の木々が轟轟うなっていた
テントは張った場所がよく
ほとんど揺れずによく寝られた
天気は朝から良くない
検討の結果
このまま下山することにした
時折吹雪になる中を出合まで急な谷を折り
あとは河原歩き
アイスを目指すと思われる3パーティーとすれ違い
午前中に駐車場に着
敗退だったが
今年もまた無事に一年を終えた気分に浸った
北ア・常念岳20211211~12
【形態】単独
【対象】雪山
【特徴】天候悪化と競争しながら頂上へ。あと30分遅くなっていたら登頂は難しかったかも
【日程】2021年12月11、12日
▽11日 烏川林道ゲート(785m)6:10~三股(1350m)~13:00テンバ(2250m)~2400m地点~15:00テンバ
▽12日 テンバ4:40~前常念岳(2662m)~8:10常念岳(2857m)~テンバ~15:00烏川林道ゲート
▽11日
うっすらと明るくなりかけたころ
ゲートから出発しようとしたら
別パーティーが車で到着した
林道歩きが長いこの時季に物好きな人たちだ
人のことは言えないが・・・
林道上には雪は全くなく今日は秋のような暖かさ
最近はボルダーばかりして山に入っていなかったので脚も心配だ
できるだけ汗をかかないように、ばてないように
ゆっくり目に歩く
大平原でしばし休憩するが
あのパーティーが追い付いてくる様子はない
はて、別の近場の山に向かったのか?
あまりの暖かさに
サルの群れが林道沿いの斜面で日向ぼっこしながらくつろいでいる
1匹大きいのがいるなあと思ったら
ちょうどこちらにケツを向けた
真ん中に大きな〇ま〇まがぶら下がっており
あの貫禄はボスザルだろうと納得した
無人の三股をサクッと過ぎ
夏道沿いに前常念方面に向かう
すぐに雪斜面になり
1700mぐらいから
ズボズボ膝まではまって歩きにくくなったのでわかんを装着
だが暖かい日差しのため
わかんにベタ雪が付着し一歩一歩が重すぎる
さらに
木の上にたまった雪の塊があちこちでドカンドカンと落ちるようになった
頭を直撃したらひとたまりもないと思い
ヘルメットをかぶった
幸い、直撃することはなかったが、、、
2170mぐらいで稜線着
今日はできれば前常念まで行く予定だが
重いモナカ雪でスピードはまったく上がらない
明日は冬型気圧配置になり朝から天候が悪いだろう
テントを上にあげるより
樹林帯に張った方が安全と思い
斜面が急角度になる2250m付近にテントを設営
その後、翌日のためにトレースをつけに行く
樹林帯を越えた2400mぐらいで
わかんが雪に埋もれなくなったのでUターン
テントでぬくぬくしながら10年ものの自家製梅酒などをチビチビやる
ラジオをつけるとリリーフランキーの東京FM「スナックラジオ」に爆笑
昼間っから公共のラジオでこんなこと話していて
中高生が聞いていたらどうするのだろうか???
まあ、今どきの中高生はラジオなんて旧時代の遺物に興味はないか(^^♪
▽12日
3時半起床
時々強い南風が吹き、天候悪化が近いことを知らせている
とりあえず前常念まで行き
天候次第で本峰まで行くかどうかを決めることにする
昨日つけたトレースが固まって歩きやすくなっており
アイゼンだけで出発
トレースがあるところまではスルスル登っていけたが
トレースがなくなった途端に膝ラッセルになる
これはいかんと、
アイゼンわかんに変更
それでもところどころ股まで潜る雪の量で
スピードは遅々として上がらない
ルートは岩を避けながらほぼ稜線通し
前常念のピーク辺りで日の出を迎えられればと思ったが甘かった
もっと下で明るくなってしまった
避難小屋は屋根の一部が雪の上に出ていただけだった
前常念の頂上はもう風が強くなりかけていた
さっき薄暗い中で前穂北尾根がうっすら見えたが
今はもう完全に雲の中
それも、台風の目のような立体感のある球体の雲
かなり風が強い証拠だ
常念岳の本峰は雪煙の中から出たり入ったりしている
ここから1時間ぐらいかかるだろう
頂上にたどり着けるだろうか?
行けるところまで行ってみよう
途中で暴風雪になっても雪庇を踏み抜かないように
50~100m置きぐらいに赤布をつけた旗竿を立てていく
正面からの風が徐々に強くなる中
横通岳からの主稜線に合流
一瞬、雲が晴れると大天井岳方面がきれいに見えた
あとはちょっと急斜面を登ると頂上着
常念に登るのは10年ぶりぐらいだろうか
槍穂は完全に雲の中だ
写真を撮り、すぐに下山にかかる
前常念まで来ると
風は緩やかになる
常念の本峰が西風をブロックしてくれるからだろう
テンバまで戻ってテントを回収
三股までの急斜面と林道10キロを歩いてゲートまで
振り返ると蝶が岳は完全に雪雲の中だった
出発時に見かけた別パーティーもほぼ同時にゲートに下山
前常念の東尾根を目指したが
下部のブッシュと上部のラッセルで敗退したとか
当方がギリギリで敗退しなかったのは
朝早く出発したのが要因だなあとしみじみ思った
台高・大熊谷左岸第2支流~迷岳 20211106
【形態】単独
【対象】沢登り
【特徴】紅葉を見ながら今年最後の沢登り。稜線は落葉を迎えていた
【日程】2021年11月6日
大熊谷林道駐車地点(200m)6:40~左岸第2支流~11:50稜線(1250m)~12:00迷岳(1309m)~東尾根1224mP~南東尾根~林道~国道422号(164m)~14:40大熊谷駐車地点
大熊谷の沢はこれまでに5本登ったことがあるが
左岸第2支流は手軽に登れる滝が多く楽しめたので
紅葉見物を兼ねてもう一度登ることにした
季節外れの暖かさが続いており
この日も朝から暖かい
好天も続いているので大熊谷本流の水量も少ない
第2支流の出合からしばらく行くと最初の滝
直登は無理なので巻いて行くと
巨大なチョックストーンがはまった直瀑にぶつかる
水流は少ないので迫力はない
この滝は岩の部分を登って行ける
ゴルジュの中を小さな滝がいくつもかかっている
この支流で最も大きい高さ20mぐらいの滝を越すと
中流部二俣手前の平凡な流れになる
右俣は正面に迷岳が見え
崩れた堰堤らしき構造物もある
そこを左俣へ行くと、すぐの左岸に住み心地良さそうな岩小屋があった
その上流の左岸には
スラブ状岩壁にかかる6段120mぐらいの糸滝がある
両岸の木々が真っ赤に染まって美しい
5~10mぐらいの滝を次々越えていくと水量が減り
稜線が見えてくる
稜線直下の窪地でウエットを着替え迷岳へ
紅葉シーズンだけのことはあり
3P計10人ぐらいの登山者がいた
迷岳に登るのは6回目になるが
人に出会ったのは2度目
紅葉狩りの時季には人気がある山なのね
迷岳の東尾根は二重稜線が続く
落ち葉で踏み跡が埋まるとどこを行けば良いのか分からなくなるが
まあ、地形図にコンパスを当てて歩けば間違えることはない
口迷岳を過ぎ
1224mピーク付近から南側の尾根へ
林道を経由して大熊谷の駐車地点まで歩いた
中ア・木曽川水系伊奈川ケサ沢南沢 20211015
【形態】単独
【対象】沢登り
小滝を数個登ると二俣になり右岸には30mぐらいの逆層の滝があ
そのあとも滝、たき、タキの連続
水が枯れてもずっとナメが続き
中ア・木曽川水系伊奈川本谷・上流部右俣~檜尾岳20211008~09
【形態】単独
【対象】沢歩き
【場所】長野県大桑村の伊奈川ダム下ゲート~伊奈川本谷・上部右俣~檜尾岳~熊沢岳~東川岳
【特徴】河原を延々と行く歩き沢。紅葉の時季に行くと最高!往復18キロの林道歩きさえ我慢できれば!季節外れの暑さで稜線歩きは半袖で十分だった。
【日程】2021年10月8~9日
8日 駐車地点(950m)6:10~8:00取水堰堤(1410m)8:20~14:00ビバーク地点(2000m)
9日 ビバーク地点5:20~8:30稜線(2700m)9:00~10:10檜尾岳(2728m)~11:20熊沢岳(2778m)~12:20東川岳(2671m)12:50~17:20ゲート
8日 ゲートから林道を延々と9.5キロ歩き、中八丁峠方面の道を分けた先にある堰堤付近から入渓。そこからもずーっと河原を歩いて行く。滝はない。1カ所だけあるゴルジュっぽいところも巨岩伝いに行けるが、せっかくなのでへつってみる。こういう沢は風景を楽しむしかない。この辺りの紅葉はまだ早いが・・・。2050m付近から右俣に入る予定だったが、そちら方面は紅葉がいまいちっぽい。その出合付近に、薪がいっぱいある平坦地があったので、そこで泊まることにした。
9日 右俣に行くかどうかを一晩考えたが、紅葉がきれいそうな本谷をもう少し行ってから右の支流に入ることに変更。2100~2400m付近が今の紅葉の盛り。日が当たり出すと山肌が美しい。滝は全くないが、こんな沢歩きもいいものだ。稜線が見えてきた辺りで木々の葉も落ちかけていたので、適当に左岸の支流に入る。傾斜がやや急になる中程はナメ滝が続いていた。最後はガレとハイマツの藪こぎを少しで、主稜線2858mピーク南側の尾根に出た。2週間前に登った三沢岳が正面に見えて美しい。そこから人がいっぱいの3つのピークを越えて、木曽殿山荘から下山。うさぎ平からゲートまでの8.5キロの林道は、脚の痛さを思い出さないように、来週の仕事の段取りを(無理矢理に)繰り返し何度も考えながら歩いた。