漂泊山岳会ブログ

2020年8月結成

台高・宮川水系能谷~1150m無名峰 20220612

【形態】単独

【対象】沢登

【場所】三重県大台町の宮川水系能谷~無名峰(1150m)

【特徴】下部はゴルジュが続く。まくにしても、小滝を登るにしても微妙で、落ちたらただでは済まない。下りは楽ちんで、台高北部の中ではお勧めの沢かも

【日程】2022年6月12日 宮川第3発電所(289m)5:20~5:40能谷出合~11:45頂上(1150m)12:15~1143mP~14:15発電所

縦走路のつり橋をふりかえる

発電所にある登山者駐車場から

大杉谷方面の登山道を少しいくと

最初の吊り橋があるのが能谷

河原は平凡だが

すぐに右岸はほぼ垂直の壁が続くようになる

巨岩の間を落ちる小滝が続く

どれもホールドが全くなかったり

ぬめっていたりして小難しい

ほんの3、4メートルの滝でも落ちたらただでは済まぬ

周囲は壁でまくことも難しそう

ある滝では右側に入ったシンクラックを登ったが

乗越部分でホールドがなくなり冷や汗をかいた

用心のためエイリアンをザックから出しておくべきだった

おたまじゃくし模様が入った岩

両岸はぶったっている

すると5mと、7、8mの2つの滝の奥に

20mの大きな滝がかかるゴルジュにぶつかった

下の2つの滝は左岸の壁を利用していけば越せるかもと思い

へつって真ん中の滝の下まで行くと

左岸の壁の上部はハングしており微妙なクライミングになりそうと分かった

迷った末、大きく巻くことに変更

どんどん下りて行くが

巻けそうな斜面は見つからない

これじゃあ吊り橋まで戻ってしまうかもと思った時に

やっと登れそうな小尾根を見つけた

 

この尾根から

落ち葉だらけの急斜面を経由し

上部の緩斜面に

前日が雨だったため

斜面はどろどろで落ち葉は水を含んで滑りやすい

嫌なまきだと思っていたら

上部が赤色に塗られた棒杭が1本打たれていた

こんな不安定なところまで測量士が入ってきているとはびっくり

堰堤でも造るつもりだったのだろうか

youtu.be



20mの滝を越した後も小難しい5~10mの滝が続く

まきを選択することが増えるが

ほぼ人が入っていないためか不安定なまきが多い

まいた後に木を伝って下りた場所も多かったが

木が腐っていないか慎重に判断した

懸垂を選択した方が良かったところも

 




750mを越すと再び巨岩の急流になる

800mの二俣にはトロッコの荷台のような

丈夫な金属製の箱のような残骸があった

かつて鉱山でもあったのだろうか

 

その付近で伏流水となり

小さな支流が四方に分かれるようになる

どれが本流か全く分からないため

コンパスの方向だけをたよりに登って行き

急傾斜のザレとなったら

すぐ右の尾根に乗って稜線まで

地図上の本流からは北方面にずれたようだ

テープの付けられた稜線を南に歩き

最後の急斜面を登ると1150mの無名峰ピーク

サルスベリ(orヒメシャガ?)の巨木のある快適なピークだ



濡れた沢服を着替えた後に稜線を北へ

1143mピークでウグイ谷高から宮川貯水池に下る踏み跡に合流

途中から流水管管理道に入り

第3発電所に着いた

台高・櫛田川水系蓮川江馬小屋谷~白倉山(1236m)20220529

【形態】単独

【対象】沢登

【場所】三重県松阪市櫛田川水系蓮川江馬小屋谷

【特徴】10年以上前に友人といったことのある谷だが、ゴルジュ以外ほとんど覚えていなかった

【日程】2022年5月29日 江馬小屋林道終点(417m)5:40~7:20ゴルジュ~8:40巻き終わり~9:30次の滝10:30~11:10ねじれた滝~12:00最後の大きな滝~13:10稜線13:40~13:50白倉山(1236m)~1226mP~16:30駐車地点

 

林道終点に車を止めて

向かって左側の江馬小屋谷に向かって出発

谷は深いため、朝早いと薄暗い

すぐにゴルジュっぽくなり

両岸に数十メートルの岩が立った場所を通る

滝はないが、不思議な地形だ

その先もゴルジュ風が続くが

だんだん険しい感じになる

すると、大きな釜を持った滝にぶつかる

前回は真夏で釜を泳いで、対岸のクラックを登ったが

今回は水が冷たそうなのでパス

まける場所を探しながらしばらく後戻りする

どんどん戻るが、まいていけそうな場所が見つからない

まず右岸の新しく崩れた斜面付近で

岩壁にところどころある木を頼りに登ってみるが

上部でスラブ壁にぶつかりクライムダウン

さらに谷沿いに降りたところで

登っていけそうな小尾根が見つかり

登り始めると岩で上へ上へと巻き上げられ

結局は660mのコルを経由して

ゴルジュの上流部590mに降り立った

このゴルジュは最初の釜を泳いでクラックを登った方が

その上流部は右岸を簡単にまけるし時間短縮になる

ついでにその上の凄い滝を見ることもできるのでお勧めだろう

今回は泳がなかった

590mの右岸支流が気持ち良さそうなら

そちらに行く予定だった

上部を木々で覆われた暗い支流だったため却下

本流をそのまま登ることにした

しばらく歩くと

20mぐらいの滝が登場

右の方のクラックが登れそうだと見に行くと

クラックに取れなくなったさび付いたカムが残置されていた

ちょっと立っているがここから登れそうだ

最初はロープなしで取りつくが

岩がぬめっているため真ん中あたりからクライムダウン

ロープをつけて再び登り始めたら、最上部で足がスリップ

エイリアンとグリグリにぶら下がってしまった

念のためロープをつけといて良かった(;'∀')

クラックの上の木にロープを固定し懸垂

再び登り返した

ロープをつけると安全性が増すが

1人だと尺取虫スタイルになるので時間がかかってしまう

上にロープを固定し懸垂

もう滝はなかったっけ

と思いながら上流に向かうと

30mぐらいの直瀑に突き当たった

これは登れないのでまけそうなところを探しながら下降

この巻きは簡単だった

youtu.be

 

さすがにもう滝はないだろうと思ったら

その先にも登れない大きな滝がひとつあった

どこから巻けそうかうろうろすると簡単にまけた

滝が登れるか登れないか

登れないならどこからまくかを考える沢登りのだいご味を満喫

やっぱりトポは持ってこないに限るなあ

持ってくるとつい見てしまうもんね



その上流はつめっぽくなり

稜線が見えてきた辺りで一休み

濡れた沢服を着替えて白倉山山頂へ

ここに来たのは

江馬小屋谷の前回と今回

北方の大熊谷から

南方の垣外又谷からの計4回目



あとは稜線伝いに歩くだけだが

急な上り下りが続くほか

ブッシュに踏み跡が隠れ

獣道もあちこちでまぎれ込み

間違えないように行くには時間がかかる

 

へろへろになって1226mPに到着

ここからは一般登山道だと喜んだのもつかの間

下部では台高名物の枯れ葉滑り台急斜面が待っており

へっぴり腰で降り続け

腰が痛くなったころに林道終点に着いた

台高・宮川水系大和谷脇谷 20220522

 

【形態】単独

【対象】沢登

【場所】三重県大台町の宮川水系大和谷脇谷

【特徴】名前からしてマイナー感を醸し出す谷。途中で山腹崩壊が発生していて、谷が土砂で埋まっている。誰もいない静かな沢旅を楽しめる

【日程】2022年5月22日 宮川貯水池大和谷橋東詰(289m)5:00~6:50大和谷ダム(565m)7:10~8:20脇谷出合(642m)~11:40稜線(1275m)12:10~12:45池木屋山(1396m)~13:30 1332mP~17:30駐車地点

 

 

宮川ダム湖にかかる大和谷橋東詰に駐車

町道大和谷線の路面に尖った砕石がたくさん落ちていることを想定

町道終点まで30分強を余分に歩くことにした

去年、この町道には

直径1メートルほどの岩も道の真ん中に落ちており

車で通るのに難儀した。その前はパンクしたことも

怖い道なので、今回は避けようと思った

でも歩いて見たら砕石はほぼどけられ、きれいな道になっていた

 

町道終点からは大和谷ダムの管理歩道へ
はしごが随所にあるが、年々朽ち果ててきている
完全に落ちた橋が1ヵ所、ぶらぶら浮いてるだけが1ヵ所
2時間でロクロ谷出合にある大和谷ダム着
人里離れた深山幽谷という感じの場所だ
ここで、沢登りウェアにチェンジ
そんなに蒸し暑くないが、ヒルが1匹、靴下に付いていた
ダム右岸から入渓。新緑が目に染みる
緩い流れが続き滝らしい滝はなく
時々腰まで水に浸かりながら進んでいく

人里離れた場所にある大和谷ダム。水も空気も澄み切っている

自然のままの流れが続く
左岸の最初の大きな枝沢が目指す脇谷だ
地形図には、出合に滝マークがかかれているだけだが
どんな谷なんだろうか?
出合は狭い
地形図通り、すぐのところに滑滝が見える
釜は濃い緑でちょっと深そうだ

脇谷出合の滝
まずはぬめり具合を見るため、釜の手前まで
流れてきた倒木が引っ掛かってるなあと思い
滝を左岸側の壁を触って
滑りがきついためまくことにして引っ掛かった倒木が視界に入った
「わあ」と声を上げてしまった
倒木にニホンカモシカの死骸が引っ掛かっていた
まだ死んでから時間があまりたってなさそう
蒼い目が虚空を見つめていた
体長から、まだ子どもなんだろう
倒木だと思って掴まなくて良かった😅

最初の滝を簡単にまき、崩れやすい急斜面から河床に降りた
上流の両岸はゴルジュ地形が続くが
崩れた大岩で埋まっており、難しい滝はない
すると、左岸が大きく崩れており
ここから流れ出した岩が下流を埋めたんだなとわかる
しかし、さらに上流の左岸の斜面が2ヵ所派手に崩れていた
これでは河原歩きです

蛇行地点の壁に穴が開いていた

おたまがうじゃうじゃ

左岸の崩壊地点1か所目

2カ所目

3カ所目

860メートルを超すときれいななめ滝が続くようになる
なめ滝、なめ滝、なめ滝の連続
どれも登って行けるので面白い
これで下流部が崩れていなかったらかなあ
水流がなくなると疎林の急斜面に
10メートルぐらいの涸れ滝を登ると稜線手前の緩斜面に到着

最後の涸れ滝を越すと・・・

稜線に着いた

7回目の池木屋山ピーク

シャクナゲに花

そこで濡れた沢服を着替え、1318mピークを経て池木屋山着
頂上は7回目になる。いつものことながら人はいない
小休止し東尾根へ
1332メートルピーク手前で、迷岳から来たという関西弁の男性と行き違う
そこから南尾根に入り、踏みあとをたどって行く
1100メートルと900メートル付近で踏みあとを見失い
地図読みしながら藪こぎで進む
また方向を間違えたかなと思って、戻ること数回
900メートルで軌道の残骸を見つけ、それに沿って降りていく
途中760メートルで尾根から尾根へトラバースするところがあり
その周辺には赤テープが数ヶ所つけてあった
そこからの急斜面は台高名物の枯れ葉滑り台
今日は軽アイゼンを持ってきたのでつけてみると全く滑らない!これはいい
台高には必携装備かも
まもなく行きに通った六丁峠
小休止の後、町道をたどって、宮川ダム湖に着いた。

台高・宮川水系長右須(ながうす)谷~無名ピーク(1153m) 20220515

【形態】単独

【対象】沢登

【場所】三重県大台町の宮川水系長右須谷(宮川ダム湖左岸)

【特徴】下流域はゴルジュが続くが、中盤以降は土砂で埋まり、ガラ場登りとなる。魅力は薄いが、静かな登りを楽しめる.下りで尾根を間違えて、復帰するのに時間がかかった

【日程】2022年5月15日 宮川貯水池左岸長右須谷出合(282m)6:10~11:00頂上(1153m)11:30~14:40出合



 
長右須橋の橋のたもとから出発
シーズン初の沢登りはわくわくする
この谷
エアリアマップには「チョウズ谷」と記されているが
橋の欄干を見ると「ながうす」と書かれている
エアリアマップの表記の誤りだろう
 
出合は荒れた感じだが
すぐに自然林の中にきれいな小さな滝が続く
そのうちにゴルジュが始まるが
巨岩が積み重なって埋まっている
もったいないことや

すぐにいい感じの上りになる。新緑がきれい



谷沿いの森で植林は少しだけ
目の保養となる沢だ
雨が適度な間隔で降っているからか
シーズン初めにしては岩のグリップはいい
 
 
途中で気づいたが
コンパスのオイルが抜けてしまっており
磁針がうまく回らない
古いコンパスなので劣化が原因だろう
気泡が入っていたので以前から気になってはいたが
今回出てくるときにしっかり動くか確認してこなかった
磁石を使った地図読みが必要な沢登りでは致命的な失敗
 
470m地点では
扇状地風の斜面の左右に大きな支流があり
方位をちゃんと示してくれないので
どちらに行けばよいのか迷った

扇状地の左の支流にあったきれいなナメ滝

中盤からは谷を岩や小石が埋めている
 
 
さらに進むと、砕石土砂で谷全体が埋まっている
全体的に傾斜が急なために登りにくい
上部には砂礫で埋まらずに残った滝があった
巨岩でふたされてハング状になっている
側壁を登ったがボロ壁で緊張した
アルパイングレード3級ぐらい

下から見ると簡単そうに見えたが、手ごわかった小滝

滝の上から見下ろすと7、8mの高さがありそう

頂上に着いた。山の名札をつけるのが好きな人がいて、大体どこのピークにも表示があるものだが、このピークにはない。あまり人が登ってこない山なのだろう

 

ツメはザレのため、左の小尾根に出て稜線まで
頂上からは
南西のうぐいの高(1291m)や宮川ダム湖右岸の峰々がよく見える
しばらく休んで南南東方面の尾根へ
コンパスがうまく回ってくれないので不安だが
見込みをつけて降りていく

上は花、下はじゅうたん

最初は尾根っぽかったが・・・

そのうちただの斜面になってしまった。美濃谷の水音が近づいてきて、ここが目指す尾根ではないと確信した
尾根状を降りて行ったが
そのうち斜面に吸収されてしまい
下にあるはずの美濃谷とその向こうの尾根が近づいてきた
ここは目指す尾根ではないと判断
左方面にトラバースを始めた
いくつも尾根状を越えていくと
木々の向こうに目指す尾根っぽいものが見えてきた
コルらしいものがあり
あれだと確信した
どうも降り口を完全に誤っていたようだ

目指す尾根の870m付近のコルに復帰。下に宮川ダム湖が見えた

台高名物の落ち葉の滑り台斜面。何度もこけた

尾根の下の方には朽ちた杣小屋があった。中には神棚のようなものも

尾根に入ってしまえば迷うところはない

途中には杣小屋とみられる建物もあった

そこ辺りからはテープも出てきた

510mには送電線の鉄塔があり

そのまま尾根を降りていくと

中電送電線管理道が出てきて

それをたどって道路に着いた

 

北ア・雄山東尾根~龍王岳東尾根 20220504~05

雄山の頂上を右手に見ながら登っていく

【形態】4人

【対象】雪稜・岩稜

【場所】富山県北アルプス立山周辺

【特徴】剣岳北方稜線に行く予定で富山県条例に基づく届け出を出してあったが、知り合いのガイドから直前に「あまり雪がない」という情報が入り、急遽転進。グループでわいわい登るには楽しい尾根だが、扇沢~黒部平までが観光客どっさりで、人のいない山が好きな人間にはきつかった

【日程】2022年5月4~5日

▽4日 扇沢7:00~黒部平8:20~14:00テンバ

▽5日 テンバ6:00~雄山~8:00龍王岳東尾根取りつき~頂上~東一の越~12:30黒部平

 

▽4日 

黒部平駅のすぐ左側から出発

前日に15センチ程度の新雪があり

冷え込みもあったので快適な新雪斜面を登っていく

ところどころ急な尾根になるが、難しいところはない

雄山が見える位置まで来ると、頂上から東斜面にシュプールが続いていた

もちろんタンボ平にも

今日は気持ちいいだろうな

2681mピークにはテンバを切った跡があり

そこからは上部にトレースが続いていた

前日に入山者が入ったようだ

2780mピークを越え、適当な場所にテントを張った

新雪の下は氷並みの堅い雪斜面で

雪ノコでも切るのが大変だった

夕方から西風が続くなり

テントがバタバタと一晩中うるさかった

雄山が右手に見えてきた




▽5日

今日もまったり登山の予定なので明るくなってから起床

とりあえず雄山まで行って頂上から雷鳥沢方面を見ると

何百張りものテントが四角く区切られたテンバスペースいっぱいに張られていた

夏の涸沢並みだね

行かなくてよかった( ゚Д゚)

雄山から竜頭峰方面のコルに降り

そのまま雪斜面をまっすぐ龍王岳東尾根取りつきまで

すでに2パーティーが取りついており

一の越からは6人パーティーが向かってくるのが見えた

お手軽な岩稜は人気ですな

 

取りつき付近に荷物をデポし

ロープ1本とカム少々を持ちスタート

1ピッチ目こそロープを使ったが

この程度の緩い岩稜ならロープはいらんだろうということになり

そのままロープなしで適当に登り

追い付いた前のパーティーに譲ってもらい

そのまま頂上へ

岩場の途中にいた雷鳥のつがいのメス。最近、雷鳥を見かけることが多くなった気がする。増えてきたのだろうか

簡単ないわばが続く

下を見ると緩い傾斜であることが分かる



頂上からは直下のカールを降りる予定だったが

新雪雪崩の痕があったので最初は一の越方面に向かい

途中からカールを横切って取りつきにデポした荷物を回収

そのまま東一の越へ

タンボ平は最初こそ堅い雪斜面でアイゼンなしでは降りにくかったが

そのうち快適雪面になって

特にズボズボはまることもなく黒部平に到着

大量の観光客にうんざりしながら扇沢まで乗り継いだ

2日間とも適度の寒気が来た快適春山登山だった

東一の越からの龍王岳東尾根。龍の背のよう

タンボ平に残されたきれいなシュプールを、踏み跡で汚しながら降りていく

 

北ア・鹿島槍ヶ岳鎌尾根 20220424

【形態】単独

【対象】雪稜

【場所】長野県大町市北アルプス鹿島槍ヶ岳鎌尾根

【特徴】ダイレクト尾根の予定だったが、真っ暗な中で北俣本谷から左の谷に入ってしまい、復帰できないまま鎌尾根を登ることになってしまった。上部はシュルンドが続く。稜線に雪はなく、アイゼンなしで歩いた。もう今シーズンの雪稜は終わりですな

【日程】2022年4月24日 大谷原(1070m)1:40~北俣本谷最上部の堰堤(1460m)3:00~稜線(2720m)7:20~7:50南峰(2889m)8:10~赤岩尾根分岐~西沢~11:50大谷原

 

真っ暗な中出発。駐車場には数台の車があった

北俣本谷にもだれか入っているのかと気になる

林道のゲートのところで急にストロボがたかれ

息が止まるほどびっくりした

帰りに見ると、林野庁の野生生物調査だそう

ストロボをたかなくても撮影できる超高感度カメラにしてほしい

 

以前、東尾根を1人で日帰りで登った時に

樹林帯上部で正体不明のギラギラする光に追いかけられたことがある

その後は鹿島の尾根を真夜中に歩くのはトラウマになっている

追いかけられた時はちょうど満月が稜線の向こうに沈んだ後

日の出までの短時間の真っ暗闇での出来事だった

昼頃に大谷原に戻った時には車は自分のものしかなく

その日の入山者はいなかった

あのギラギラする光ななんだったのだろうかと今も思う

その後しばらくは1人での真夜中歩きはできなかった

 

今日もまたストロボの光のせいで気持ちがひくひくしてきた

こんな時は

得体のしれないものが目に入らぬように

下を向いて歩き続けるに限る

でないと帰りたくなってしまうから

そのうち林道終点にある巨大堰堤到着

中のトンネルを通り北俣本谷の右岸沿いを進む

いくつか堰堤を雪伝いに越え

巨大堰堤にぶち当たった

左右とも岩壁のため、まいていけそうにない

北俣本谷も何度か通っているが

こんな場所あったっけと頭をひねっていると

堰堤本体に鉄製のはしごがついていた

高さ7、8mはありそうだが、下を向かずに登っていく

最後の堰堤のはしご。雪の重みで斜めっている

上部はまっさらな雪面

鎌尾根末端の1600m地点を見過ごさないように気を付けて歩いていく

しかし高度計が1650mになっても末端が出てこない

おかしい

1600mまで戻ると

ちょっと急なルンぜが左岸に出てきた

尾根の末端らしくはないが

これが北俣本谷なのだろうと見込みをつけて上がっていく

傾斜が緩むと

上部には広大なデブリ地帯が広がっていた

東の空が徐々に明るさを増してきて

やっと違う場所を登っていることに気づく

あーあ、沢と尾根を間違えた

東尾根の向こうに太陽が昇ってきた


まだ周囲は見えないが鎌尾根なのだろう

登りながら本谷がどこか探すと

右の遥か下に茶色のデブリが流れているのが見えてきた

このまま右に尾根の斜面を下っていくと合流できそうだが

もしかしたら岩壁で阻まれるかも

ダイレクト尾根は登ったことはあるけど

鎌尾根はないので

このまま登り続けることにした

本谷を見落とさないようにするには

最後の堰堤を渡った後にぎりぎりまで左岸に寄って歩くべきだった

登るはずだったダイレクト尾根。雪面にクラックが水平に入っている

鎌尾根を登っていくと

だんだんダイレクト尾根が見えてきた

中盤で水平方向にまっすぐクラックが入り

底雪崩が起きかけているのが見える

雪の状態は悪そうだから

鎌尾根で良かったかもと負け惜しみで考えてみる

こちらも上部に近づくにしたがってシュルンドが多発

不安定な雪壁を草付きまで下りまた登る

という動作を繰り返す

最も大きなシュルンドではダブルアックスで

傾斜80度、5、6mの雪壁登りするところもあった

今日は高曇りなので雪が安定していて助かった

ぐさぐさなら敗退確実だったろう

途中で東尾根を登っているパーティが見えた

シュルンド多発警報発令中

気持ちの良い尾根。シュルンドさえなければ

深さ5mはありそうなクレバス。あと20センチ幅が広がると渡るのが困難になる

最も大きかった割れ目

ダブルアックスで行く



尾根への乗越地点には雪庇はなく稜線着

稜線に雪は少なく、夏道が出ていたためアイゼンを外し

そのまま頂上まで

主稜線も西斜面も6月並みの雪の少なさだろう

今年は寒い冬が続いたが

4月の初夏の陽気で溶けてしまったようだ

youtu.be

計画では北俣本谷を下る予定だったが

雪の状態が良くないことから赤岩尾根下山に変更

小休止の後

主稜線を行き、赤岩尾根の分岐から不安定なトラバースへ

早々と西沢に入りまっすぐ下降

昼前に大谷原に着いた

らいてうの夫婦。オスは夏毛に変わりかけている

鎌尾根は真ん中の雪稜。下部は傾斜35度位、上部は45度位で全体に緩い



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北ア・笠ヶ岳穴毛谷四尾根 20220409~10

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【形態】単独

【対象】雪稜

【場所】岐阜県高山市北アルプス笠ヶ岳4尾根

【特徴】雪が平年より多く、初夏を思わせる暑さの中での急斜面の上り下りは、雪崩を誘発しそうで気持ち悪かった。雪が多かった分、あちこちに美しいヒマラヤ襞が残っていた

【日程】2022年4月9~10日 

▽9日  岐阜県高山市神坂の登山者駐車場(1040m)4:00~4ノ沢出合~4尾根取り付き(1760m)~ 10:00岩峰~13:20緑の笠(2654m)

▽10日 緑の笠4:20~5:30笠ヶ岳頂上(2898m)5:40~6:20 4ノ沢Aルンゼ乗越~クリヤノ頭~クリヤノ岩小屋~11:50駐車場

 

▽9日 

満点の星空の下、ラテを付けて出発

左俣林道に入るとすぐに雪道になった

4月としては近年にない残雪だ

まもなく右岸に橋を渡り、穴毛谷に入っていく

デブリはほとんど出ておらず、歩きやすい斜面が続く

堰堤を難なく越えると、谷は北向きに曲がっていく

明るくなり始め、そろそろ日の出だ

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間ノ沢、三ノ沢からも大して雪崩れていない

四ノ沢など、まっさらな斜面が続き、

正面のピナクルと左の第一岩稜が好対照をなしている

いずれも朝日が当たって、まばゆくばかりに輝いている

こんな季節にピナクルに登れれば最高だろう

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三ノ沢と二尾根に上がれそうな斜面

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デブリがほとんどないきれいな穴毛谷

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四ノ沢の日の出。左の第一岩稜と右のピナクルが相似形をなしている

四尾根は以前、日帰りで登ったことがある

その際は四ノ沢を少し上がり、最初のルンゼを右に入って尾根に達した

尾根の直下がブッシュに引っかかったハング雪の連続で難儀した思い出がある

今日は四ノ沢出合~五ノ沢出合の間のルンゼを上がる予定だ

 

四ノ沢出合を過ぎ、

左岸には、穴毛谷の名前の由来となった巨大な穴が空いた岩壁がある

その正面が登り口になる

ルンゼにデブリはなく、雪面が硬い

尾根上のコルまで見えている近さだが、

アイゼンが滑ったら下まで行ってしまう急傾斜なので気をつけて行く

途中振り返ると、穴毛大滝が見えた

この角度で見るのは初めてで新鮮だ

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右のルンぜか、それとも左か。どちらを登ればいいのかは地形図に書いてある

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登り口は「穴」の正面にある

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この位置から見る穴毛大滝は初めて


コルに上がると三尾根が目の前に見えた

四尾根のここから上は薮、下はキノコ雪が続いている

なかなか絶妙な場所にあるコルだこと

このコルがないと、尾根に上がるのが大変そうだ

そのまま休まずに下部の急尾根に取り付く

薮が意外に密集して生えており、ザックに枝があちこち引っかかり上りにくい

しかも、薮と薮の間は急雪壁

後方から強い日差しが照りつけ始めたので、雪壁は緩む一方だ

できるだけ早く安定したところまで登りたい

休まずに登り続け、前回、四ノ沢側から登った地点にある緩傾斜地で一服する

ここまで来ると、尾根の幅は広がり、安定して登って行ける

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四尾根末端はキノコ雪がすごいことになっている

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三尾根と二尾根


尾根上には所どころシュルンドや大穴があり、

油断すると下半身がズボッと埋まってしまう

そのまま後ろ向きに滑落してしまいそうなので、

雪を踏み抜かないように注意する

尾根は北西方向から、緩く西方向に曲がっていく

この辺りは白馬主稜と同じくらい気持ちがいい

もとい

人がほぼいない分だけ、こちらの方が気持ちがいい

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あちこちにシュルンドが口を開けている

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穂高と五尾根を見ながら雪稜を行く。そろそろ雪がグサグサになってきた

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すると、上部に城塞のような岩場が近づいてきた

パートナーがいれば、まっすぐ岩登りするのも楽しそうだが、今日は1人

おとなしく雪壁から抜けることにする

さて、前回はどこから登ったのか全く記憶がない

そんな時はまずはしっかり観察

右側は急斜面で、行くのは危険だろう

左側は上がれそうだが、急角度になる辺りに3~4つの大きなしわが見えている

シュルンドだ。そこで1人作戦会議

岩場の基部まで右側から上がり、

基部を左に回り込んで、岩場左の雪壁を登ることにする

基部までは傾斜は急だが雪は安定している

しかし基部にも大きなシュルンドが発達していた

一度クライムダウンし、左に回り込もうとするが、

3~4つのしわに見えたシュルンドが大きく、上がって行けそうにない

もう一度基部まで上がり、ロープで確保しながら登ることに変更

基部の直径2~3センチの灌木にロープの末端を結び、

シュルンドを踏み抜かないようにトラバース

途中、気休め程度の細い灌木に中間支点を2つ取り、急雪壁を10m登ると、

立派な白樺の木に支点を取れた

再び、最初の支点までクライムダウンし、支点を回収しながら白樺まで

1人でロープを使うと、尺取り虫スタイルになるので疲れる

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岩峰が近づいてきた。どこから登ろかな

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左から第一岩稜、第二岩稜、ピナクル。日本離れした光景にうっとり

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1ピッチロープを出した

そこからはさらに急斜面になった雪壁

強い日差しで雪は緩みまくっており、胸ラッセルになる

岩峰を回り込んで稜線まで距離にして100m足らずだと思うが、体力を消耗した

テン場に最適な岩陰があるコルでしばらく休憩

ピナクルの頂上とほぼ同じくらいの高さで

ピナクルと第一岩稜が重なって見える展望台だ

菓子パンでエネルギーを供給するが、

暑すぎるためか回復がはかばかしくない

もう緑の笠はすぐ目の前に見えるというのに・・・

その上は足首か、すね程度のラッセルが続き

20歩歩いては一休みしながら、ちんたら歩いて行く

右手には、10年ほど前の秋に五ノ沢を遡行した時に

気持ちよかったカールが広がっている

雨が多い年で、五ノ沢の核心のハング滝は完全なシャワー状態

あの時はやばかったなあ

それに比べると、今日の山はハイキングレベルかも

 

緑の笠の岩壁を右に回り込み、

左斜めに続く斜面を登っていくと、緑の笠の頂上に着いた

笠の頂上は目の前の別天地だ

時間は少し早いが、ここにテントを張った

高気圧の動きから、南西風が強くなると想定し、

西側と南側に特に大きなブロックを積んだ

スノーボーダー1人が頂上からカールに向けて滑っていた

笠ヶ岳なんて誰もいないだろうと思っていたので意外だった

ボーダーは抜戸方面の最低コルに上がり、姿を消した

今日はボッカも兼ねて、水2㍑や缶ビールも持ち上げたが

ちょっと体力的にきつかった

ビールを飲んで、東京FMのスナックラジオを聞きながらうとうとして翌日に備えた

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岩峰を越すと緑の笠の岩場が見えてくる

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緑の笠の頂上に着き振り返る

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笠のふところに抱かれて眠るなんて最高っ!

▽10日 

3時起床。4時20分に歩き出すころには、東の空が明るくなり始めていた

日の出が早くなったものだ

「グワワワワ」というライチョウの鳴き声ももう聞こえる

今日も暑くなることを想定し

南西尾根と別れる付近にある急雪壁を朝の早い時間帯に下りたいと思っていた

以前、抜戸南尾根を登ってクリヤ谷に下りた際

この雪壁がグサグサで不安定きわまりなく、とても怖い思いをしたためだ

 

まずは緑の笠をまっすぐ西に下り、そのまま急な雪壁を稜線まで

稜線上のハイマツはすべて雪で覆われており、今年がいかに雪が多いかが分かる

笠ヶ岳山荘を右手に見ながら頂上まで

頂上でちょうど日の出。いつ見ても気持ちがいいものだ

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すぐ下に緑の笠の頂上が見える

ふと緑の笠に目を落とすと、人がいる!

カールから上がってきた1人と、トレースをたどってきたと思われる2~3人

昨日作ったテンバ辺りで記念写真を撮っている

四尾根を登ってきたのだろうか

(その後、ヤマレコに五ノ沢を登り六ノ沢を下ったパーティーの記録が掲載され

た)

そそくさと頂上を後にして、南の尾根へ

南西尾根と別れる所にちょうど雪庇がない地点があり、そこから急斜面に下りる

朝早いためか雪面は硬く締まっており

まっすぐ下を向いて歩いて行けた

それでも四ノ沢に吸い込まれそうな急斜面だ

四ノ沢Aルンゼのコルで一休み

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以前、三尾根を登った時はロール状の大きな雪庇があったが、今年は顕著なものはなかった

そこから雷鳥岩までずっとトラバースが続く

もともと右足首が硬く動きが悪いため

この右斜面トラバースはアイゼンを引っかけやすい

気をつけながら進むが次第に足首が痛くなってきた

何度も小休止を繰り返しながら雷鳥岩着

そこからクリヤノ頭までもまだ右下がりの急斜面のトラバース

クリヤノ頭を回り込み、やっとのことで右足首のストレスから解消されるが

足首の痛みは帰宅後も数日続いた

クリヤ谷の雪はグサグサだが、大きな雪崩の危険は少ないと判断

面倒くさい広サコ尾根の下りを回避し、谷をまっすぐ降りてクリヤノ岩小屋

錫杖のアイスは、もうほとんど残っていなかった

そこからは踏み抜きが多くなりさらに消耗

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錫杖岳北東壁のアイス残骸を見ながら槍見へ

渡渉点を超しても雪道が続いた

槍見から車道を30分歩いて、駐車場に戻った。