明日はどこへ

漂泊の記録

台高・宮川水系大和谷地池谷~国見山 20231104

 

【形態】単独

【対象】沢登

【場所】三重県大台町・大和谷橋東詰(289m)~国見岳(1283m)

【特徴】美しい滝がいくつもあった。穏やかな沢と思っていたが意外。今シーズン最後の沢としては楽しめた。途中で黒々とした立派なシカの角を拾った。本多忠勝の兜を真似してヘルメットにでも付けようか・・・。770mで左の支流に入る予定だったが、うかつにも見逃してしまい、825mからの左俣に入った。結果的に、40mぐらいの大きな滝を目にすることができたが、もっと地形図を見ながら慎重に行くべきだった。

【日程】大和谷橋東詰5:50~6:30町道大和谷線終点~7:30サザエ門谷出合(420m)~8:10地池谷出合(469m)8:20~9:50取水堰堤(550m)~12:10 825mの大滝~13:40国見山南西の稜線~14:15頂上~16:30駐車地点

 

薄暗い中出発。ガスが出ており、大和谷橋は陰鬱な感じだ

町道をさっさと歩き、町道終点には車が1台止まっていた

キャンパーではなかったので沢登りパーティーだろう

大和谷の支流ではこれまで

三滝谷、焼山谷、ロクロ谷、脇谷、銚子谷、川上谷、サザエ門谷と

7本の沢を登ってきたが

他パーティーに会ったことはこれまでない

彼らはどの沢に入っているのだろうか・・・

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霧の大和谷橋。幽玄の世界

管理歩道から大和谷に入渓

サザエ門谷出合

 

終点からはしばらく大和谷ダム管理歩道を行き

鎖で河原に下りた地点から入渓した

水は至って穏やか

いくつかの淵で股~腰まで水に漬かって上流に向かっていく

水は震えるほどの冷たさだ

サザエ門谷出合を過ぎるとゴルジュになるが

目立った滝はない

日が当たってくると紅葉の葉が輝いてくる

秋の沢歩きはいいですな

巨岩があるところが地池谷出合

ここでしばらく休憩

この後、時間が押してきてほとんど歩き続け

ここが唯一の休憩地点になった

 

腰まで水に漬かりながら行く

地池谷出合

 

地池谷出合からしばらくは巨岩を縫うように進んでいく

ふと足元を見ると、土砂の間からシカの角の先端が2本突き出ていた

丁寧に石を取り除くと

頭蓋骨が一部ついたままの立派な角だった

台高山脈では

北部を中心に60本ぐらいの沢を歩いているが

角を見つけたのは2回目

シカが多い山脈とはいえ

角を見つけるのは難しい

宝物を見つけたようでなんかうれしい

ゴルジュに入っていく

これは登れなかった

 

巨岩地帯を過ぎるとゴルジュになる

ゴルジュの奥には5mぐらいの直瀑

周囲はハング岩で守られている

右岸の岩の隙間から登ることを試みるがあと一歩がでない

左岸のがけに転進するが

巨大な倒木がいまにも落ちそうにぶら下がっておりこれも断念

結局、ゴルジュの手前まで戻って巻くことにする

すると斜面の途中に歩道らしきものが通っており

崩れたはしごもあった

上流の取水堰堤を管理するために造られたのだろうか

今は沢登りする人か杣人ぐらいしか登って来れない状態だが

壊れた歩道

堰堤を巻く

このきれいな滝もまいてしまった

 

歩道らしきものは崩れていたりして見失い

途中から急斜面のトラバースになる

すると、取水堰堤が見えてきた

その上流側で沢に下り立とうと思ったが

すぐ上にちょっと大きな滝が見えたので

このまま一緒に巻いてしまうことにする

その滝を上から眺めると

流れが2つに分かれた美しい滝だった

しまった。下から見上げたかった・・・

 

滝の上流で沢に復帰

ところどころ深い淵があるが

このころになると気温が上がって冷たくはなかった

美しい滝がいくつもあって目を奪われる

710mで左岸に支流を分け

770mで右岸の支流に入る計画だったが

気づかず通り過ぎてしまい

気づいた時には800mを過ぎていた

顕著な沢地形を見逃すはずがないが、おかしい

渇水で水が流れていなかったのだろうか

滝を巻いたときに見逃したのか

youtu.be

 

すでに昼近くになっており

日が短い季節なので

これから頂上を越えて駐車地手まで戻るにはあまり時間がない

戻って770mの支流を探すか

さらに上流の825mの支流から左俣に入るかで迷うところだ

地形図をもう一度見直し

上流に向かうことにした

沢が大きく左にまがり

825mの二俣と思われる右岸の支流にはなんと

40m超の大きな滝がかかっていた!

左側には水流が穿った大きな嵓があった

今は水が少ないものの

かつては水量が多かったことが分かる

でも、これは登れません

美しさに見とれている時間もありません

このきれいな滑滝を越すと・・・

大きな嵓を備えた滝が現れる

 

再び地形図を確認

いまいる場所が本当に825mの二俣だとすると

もう少し上流には林道が走っているらしい

その辺りは斜面が緩いのだろう

そっちの方向からまくことに決定

しばらく沢を遡り

右岸の斜面をしばらく登ると

杣道が出てきて

それに沿って小尾根を越すと

滝の上流部に出られた

その辺りは穏やかな流れで

休憩場所に最適

巨大な杣小屋跡もあった

こんなに大きな杣小屋はこれまで見たことがない

専用のトイレまで作ってあるし

数十人が寝泊まりできる施設だったのだろう

滝の上流は至って穏やか

大きな杣小屋の廃墟

 

しばらくそのまま沢を遡り

920mでさらに左の支流へ

水はなくなり

雑木の斜面を登ると

顕著な尾根に出た

杣人の踏み跡らしきものもある

そこで沢服を着替え

国見岳頂上まで適当に歩いていく

太陽はすでに西の空で斜めになっている

でもこの分なら明るいうちに車まで戻れそうで

ホッとした

頂上で写真だけ撮り

東尾根についている踏み跡をたどって

途中から送電線管理歩道へ

大和谷橋西詰付近で町道に下り立ち

暗くなる前に車にたどり着けた

国見岳頂上。この時間、もう誰もいません

駐車地点で大阪から来たという4人の登山者に追いついた。お疲れさまでした