台高 千石谷左俣~桧塚奥峰(1420m) 20201123
【山行形態】単独
【対象】沢登り
【場所】三重県松阪市の櫛田川水系蓮川千石谷左俣~桧塚奥峰(1420m)
【日程】2020年11月23日
千石谷林道ゲート(480m地点)7:30
五段の滝上(860m地点)9:00
奥ノ迷岳(1381m) 11:10
桧塚奥峰(1420m) 12:40
千石谷林道ゲート 14:30
【特徴】登り下りとも900mぐらいまで林道歩きのまったり谷
左俣はヌルヌルのナメ滝があり、まくうちに戻れなくなり
そのまま稜線まで上がった
冬型の気圧配置で、みぞれが降り続いていた
【記録】
千石谷林道ゲート手前のカーブ付近に駐車
11月も後半で、天気もいまいちなので
他に沢登りや渓流釣りの人の車はない
林道を終点まで歩き、五段の滝の上に出るように下降
植樹林の中は多くの踏み跡が交差していた
五段の滝の上部はナメ滝で、少し下にはゴルジュっぽいところも見える
木々の葉っぱはすべて落ち、寂しい沢を登っていく
この時季なので
岩は滑りやすく、淀みには落ち葉が積もっている
合流点から左俣に入るとすぐに堰堤がある
それを越えてもほとんど滝は出てこない
950mの二俣を左へ行くと
ちょっと大きなナメ滝が出てきた
フリクションの効く夏には登れそうだが
この時季はヌルヌル
まいていくと、滝の上部はずっとナメが続いているのが見えた
あれはたぶん50mは越す大きな滝だろう
登れずに残念だ
しかし、滝の両側は岩壁が延々と続き、左へ左へと追いやられる
小さな沢筋で岩壁を抜け出て小尾根に出ると
左俣は遙かかなたに遠ざかっていた
とりあえず小尾根を上がっていくが
みぞれが降り出したこともありこのまま稜線へ
間もなく、1381mの奥ノ迷岳(千石山)の頂上に着いた
このピークは奥ノ平谷に行った8月22日以来2度目
強風とみぞれで寒いので
沢服を着替えずに稜線を北上し桧塚奥峰へ
3連休の最終日なのにこの天気なので
ハイカーは1人見かけただけだった
そのまま冬枯れの東尾根を下降
1210m付近から南の斜面を下り
ヌタハラ林道に出て、駐車地点まで戻った
台高山脈 宮川水系大和谷支流サザ衛門谷 20201101
【山行形態】単独
【対象】沢登り
【場所】三重県大台町の宮川水系大和谷支流サザ衛門谷~国見山(1283m)
【日程】2020年11月1日
宮川ダム大和谷橋西詰め(289m地点) 6:00
町道大和谷線終了点(350m地点)6:45
サザ衛門谷出合(420m) 8:00
国見山(1283m)12:00
大和谷橋西詰め 14:45
【特徴】大和谷は水量が多く、腰まで漬かるところもあった
サザ衛門谷は下部こそ急傾斜だが中流以降は緩い
下りは地形図には書かれていない登山道(中電の管理道?)を通って早く下りられた
【記録】大和谷橋を渡った先のカーブに駐車し出発
2年前の大雨で通行止めだった町道は無事開通し
大和谷発電所から奥も
一部壊れていた路肩は直され、路上の巨石は取り除かれていた
これなら車でも町道終点まで楽々行けるだろう
今日は大和谷橋のところまで尾根を下りてくる予定なので歩きだが
町道終点で沢服にチェンジ
大和谷左岸の取水口管理登山道を少し歩き
河原に下りる地点で登山道から離れ河原の巨石を越えていく
しかし意外にも水量が多い
深い淵が数カ所あり
1カ所は腰まで、2カ所は股まで漬からないと上流に行けなかった
水に漬かっていると足がしびれてくる冷たさだが
水から上がると、風が弱いためあまり寒くはなかった
大和谷が南南西から西に向きを変える右岸に注ぎこむのがサザ衛門谷
岩と樹林に覆われ、見過ごしてしまいそうなくらい小さな沢だ
目印は右岸にある石垣
かつては杣小屋でもあったのだろう
サザ衛門谷に入る
積み重なる岩を上がっていくと傾斜が次第に急になり
いくつか滝が連なっているのが見える
岩も滝もコケがついてツルツル
これは登れそうにない
まけそうな場所も1カ所しかないので
急な尾根を木登り風に上がっていく
途中の木には真っ黒になった古いスリングがあった
昔の沢登りの人が登った跡だろう
550~600mのところにある2段50mぐらいの滝をまくところでは
小さな石垣と壊れた吊り橋の残骸があった
何のためにここに吊り橋をつくったのだろうか
その上のゴルジュには巨岩が挟まっていて登れないため
連続してまいていく
谷が南向きになると傾斜は緩くなり
巨岩の間を縫うように上がっていく
1カ所だけまけないゴルジュがあり
シャワーを浴びて登った
880mぐらいの二俣で細々と水流れている左俣に入る
右俣には水がない
左俣の水流もすぐに枯れ、あとは砕石がたまった斜面登り
急傾斜になったら右の尾根に上がり
国見山頂上のすぐ東側ピークに出た
頂上は樹林帯にあり展望はきかないが
東尾根を5分ほどたどると展望の良い場所があった
紅葉は今が盛り
黄と赤のグラデーションに山が彩られていた
下降は東尾根を行く
踏み跡とテープが続いており
ちょっと迷いやすい場所は1184mピークから下りる急傾斜の部分のみ
1019mピークを過ぎると
送電線が出てきて踏み跡はさらに広く、はっきりする
2つ目の送電線の鉄塔を過ぎた880m付近で
踏み跡が東尾根から北の斜面につづら折れでつながっていた
そのまま計画通り東尾根を下りるか
それとも踏み跡をたどっていくか迷ったが
「中部電力 林道」と書かれた矢印看板を信じて踏み跡の方へ
すると640m付近で
先ほどの1019mピークから北東に下りる尾根につながり
そのまま大和谷橋西詰め付近まで下りられた
しっかりした踏み跡で
当初予定した東尾根を忠実に下りるルートに比べ
2時間ほどは時間短縮ができた
中ア 棧沢~1821m無名峰 20201025
【山行形態】単独
【対象】沢登り
【場所】長野県上松町の棧(かけはし
)沢~1821m峰
【日程】2020年10月25日
林道倉本線770m地点 6:10
林道下降点(900m地点)6:40
棧沢730m地点 7:00
1821m峰 13:40
林道770m地点 17:20
【特徴】20m級の滝が4つもあり見応えがある
ただし、行程のほとんどは河原歩きで
急傾斜になる上部は非常にもろい岩場が続く
1821m峰からは笹が密生した尾根道で、分かりにくい箇所が多い
【記録】真っ暗な中、林道倉本線を上がっていくが
最近は荒れている林道が多いのでどこまで安全に上がれるか分からず途中でUターン
最後の人家から少し行ったカーブミラーの所に駐車し歩き出した
しかし明るくなってみると幅広で手入れの行き届いた林道であることが分かり
もっと上まで乗り入れれば良かったとちょっと後悔
それでも往復1時間ぐらい余分に歩くだけだが・・・
まもなく沢に下るカーブに着いた
地形図には下降する点線が着いているが
廃道となっている山道も多いのが現実だけにあまり期待せず
この点線も最初は階段までしっかりある道だったが
コルから沢に下りる所で踏み跡はなくなり
あとは適当に本流まで下りた
着いた本流はただの河原
しかし、ものの10分も歩くとゴルジュっぽくなり
カーブを曲がると20m超の大きな見栄えのする滝が現れびっくり
真夏なら近づいて水しぶきを浴びて楽しむものだが
この時期はもう寒すぎ
釜に足を付けることもなく、ぐずぐずの土の斜面からまいた
きれいなナメが続くところもあるが、ほとんどは河原歩き
堰堤を越え、沢が南向きになると
周囲は杉か桧かの巨木があちこちに生える森になる
1050m付近の二俣にはクマの糞があった
それも5m四方程度に6個も
クマは親子で連れションならぬ、連れ糞でもするのだろうか?
それとも小さな岩小屋の下付近に広がっているので
そこをねぐらにしているのだろうか?
ともあれ、この辺りにクマがいそうなので
鉢合わせしないように笛を吹き吹き行く
しばらく歩くと沢の傾斜が上がってきて小滝が多くなる
すると20m以上の滝が2つ落ちていた
木の葉もいい具合に色づき、見栄えがいい場所だ
本流の滝はやや傾斜が緩くホールドもありそうで
夏なら気持ちよくシャワーを浴びながら登れるかも
今日は当然まいたが、これも微妙なまきだった
この辺りから左右の斜面がグズグズに崩れており河床は砕石だらけ
小滝を登る際もホールドにした岩がぼろぼろはがれる
すぐに20mぐらいの滝があるが
崩れたもろい斜面からまくしかなく緊張した
1筋のチムニー状滝も、真夏なら登れそうだが今日はまき
最も悪かったのは巨岩がチョックストーンになった最後の滝
岩がグズグズで傾斜が強いため
空身でなんとか巨岩の上に這い上がり
ザックは荷揚げした
そこを過ぎると笹の生い茂ったツメになり
コルには上がらず1821mのピークへ
地形図には山の名が書かれてなくとも
実際に登ると名札がかかっている山が多いが
ここには何もない
本当に無名峰のようだ
しばらく休み、笹が生い茂った南西尾根を行く
シャクナゲが邪魔な場所で違う方向の尾根に誤って下りて行ってしまい30分のロス
この尾根を下りる場合
東方を流れる伊奈川の水の音が聞こえているかどうかを常に確認し
水音が聞こえなくなったら間違った尾根に入ったと思った方が良い
笹は生い茂っているとはいっても
笹をかき分ければ足もとに踏み跡がある
足先の感覚で踏み跡を感じながら歩いて行く
1663mP付近は紅葉が見頃で
笹の海を泳ぎながら紅葉に見入った
しかし1630mPの手前で踏み跡が不明確になった
地形図によると
そのまま尾根道をたどれば誤って伊奈川方面の尾根入ってしまう可能性があると判断
尾根筋から離れて南南西方面の斜面を下り
1530m付近で中八丁峠から倉本林道方面に向かう登山道に出た
そのまま登山道と林道を歩き
真っ暗になる直前に車にたどり着いた
中ア ケサ沢支流ナメリ沢~越百山(2614m) 20201018
【山行形態】単独
【対象】沢登り
【場所】長野県大桑村のケサ沢ナメリ沢~越百山
【日程】2020年10月18日
伊奈川ダム下ゲート(950m)5:10
林道終点入渓地点(1490m)6:40
ナメリ沢出合(1660m)8:10
越百山登山道2100m地点 11:00
越百山頂上(2614m)12:30
伊奈川ダムゲート下 16:30
【特徴】ケサ沢上流の別の沢を登りに行くつもりだったが、仙崖嶺と沢筋が真っ白に雪化粧しているのが見えたため、手前の枝沢から稜線に上がり、ついでに登山道を歩いて頂上まで行った。残念ながら標高の高い山の沢登りは終わりのようだ
【記録】駐車場には他に長野ナンバーの車が1台のみ
前日は大雨だったため登山者は少なそうだ
林道を6キロほど歩き、南駒ケ岳の登山口の所から林道終点まで200m位行き入渓
しばらくはゴーロが続くが
数年前にケサ沢本流を行った時よりは
河床の花崗岩が露出している場所が増えている
この周辺の紅葉は今がピーク
赤と黄の葉がグラデーションを作っている
沢筋が南東方向から東に方角を変える地点で
仙崖嶺と南駒ケ岳が真っ白になっているのが見えた
沢筋も2300m位から上が白い
これでは登れそうもない
Uターンするかどうするかと思い、周りを見渡すと
ちょっと先の左岸に枝沢が落ちているのが見えた
これを上がれば越百山の登山道に出るだろう
Uターンするよりましかも、と思い
この名も知らぬ沢に向かった
出合は砕石がたまっているが
ちょっと行くとナメ滝が続いているのが見える
逆層でぬめっている箇所が多く慎重に行く
2カ所の滝でシャワーを浴びながら登るはめになり
風が吹くと寒さで震え上がった
二俣で左へしばらく行くと砕石が埋めるようになり
左の斜面に上がって笹藪こぎ
藪は濃くなったり薄くなったりを繰り返す
現在地は大まかでしか分からないが、とにかく稜線まで上がるのみ
笹藪がやけに濃い場所をあえぎながら登ると突然登山道に出た
2100mぐらいの標高だろう
そこから頂上を往復し下山した
頂上での積雪は15センチぐらいだった
帰り道
林道から越百山の登山道に入る所に森林関係者の付けた地図があり
今日たどった沢がナメリ沢という名前であることを知った
北ア 笠ケ岳穴毛谷四ノ沢左俣Aルンゼ~笠谷上半部 20200921~22
【山行形態】単独
【対象】沢登り
【場所】岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂の北ア笠ケ岳穴毛谷四ノ沢左俣Aルンゼ~笠谷上半部
【日程】2020年9月21~22日
▼21日
槍見(970m)5:40
7:40 穴毛谷四ノ沢出合(1660m)
9:20 第1岩稜基部(2200m)
11:00 稜線ビバーク地点(2520m)
▼22日
ビバーク地点 6:10
6:50 笠谷右俣
7:40 左右俣合流地点(2020m)
10:30 南西尾根2680m地点 11:00
11:30 笠ケ岳頂上
12:10 ビバーク地点テント回収 12:40
17:10 槍見
【特徴】左俣Aルンゼを登った記録は最近見かけないため、第1岩稜へのアプローチを確認するのが目的のひとつ。第1岩稜の岩は一見固そうに見え、いつか登りたいという気が強まった。四ノ沢二俣付近の雪渓が切れていて、ガラ場を登って行けた。もう少し早い時期なら敗退だったろう。
【記】
新穂高の登山者無料駐車場はシルバーウイークということもあり満車
槍見の駐車スペースにかろうじてあった1台分の隙間に駐車した
左俣林道から通い慣れた穴毛谷へ
左岸から右岸に渡るところでは8月末には水は全く流れてなかったが
平年並み程度の水量があった
四ノ沢出合までサクサク歩き上流を見ると
二俣で雪渓が切れ、スノーブリッジのようになっているのが見える
「もしかして、敗退」という気がしてきたが
二俣まで来るとスノーブリッジはすでに落ちており問題なく通ることができた
ピナクルルンゼとの合流部付近に7~8mの滝
そのすぐ上にも同じくらいの滝が出ていた
左右の斜面はもろいガラ場でまくことはできないが
滝は特に難しいことはなく登って行けた
ガスが晴れ第1岩稜が姿を現すと
鋭峰が続く日本離れした風景が出現した
ふとピナクルの方角を見ると
岩場下部にロープが垂れているのが目に入った
五月晴れルートを登っているパーティーがいた
アプローチで4、5時間も歩いてもいいというパートナーがいれば是非登りたいが、、、
たぶんいないだろうなあ
第1岩稜の右側、Bルンゼはものすごい狭いルンゼで水流も多い
左側のAルンゼはやや幅広で傾斜も緩く、伏流水になっている
第1岩稜末端付近のもろい砕石斜面をトラバースしてAルンゼに入っていく
ルンゼ内の下部は基本的にガラ場
石は足を置いても崩れることは少なく比較的安定しており
ルンゼ内をサクサク登って行ける
右側の第1岩稜側は垂壁
上からの落石には注意を払っていく
すると上の方に直径5~6mの巨岩がルンゼにはまり通せんぼしているのが見えた
標高は2400mぐらい
そこでチョロチョロ出ている水をプラティパス2つ分4リットル汲んだ
ずしりと4キロ重くなったザックを背負い
巨岩の右側の岩を登る
アルパイングレード3級ぐらいだろうか
右の壁に古い懸垂支点があり、かつてはここから下りたのだろう
今は打ち替えないと使えない状態だが
巨岩の上はブッシュ帯になるが
ブッシュの中に不安定な岩やザレが隠れていて気を遣う
この急斜面の草付きを安全に下りるのはかなり難儀なことだろう
第1岩稜を登ったら、Aルンゼを下降するのではなく
そのまま上に抜けた方が安全と思われる
ブッシュ帯の傾斜がだんだん緩まり稜線着
以前ビバークしたことのある場所に移動しテントを張った
まだ午前中だが、たまにはまったりするのもいいかもしれない
天気は雨こそ降らないものの、ガスで周囲の展望は効かない状態が翌朝まで続いた
22日も明るくなり始めてから起床
準備をしていると上空のガスが薄くなってくるのが分かったので出発した
クリヤ谷の登山道を横切り
ハイマツの藪こぎを30分
笠谷右俣に降り立った
そこからさらに下り
2020mぐらいの左右俣の合流部までガラ場を下った
1カ所急な岩場があったがまいて下りることができた
数年前、笠谷を遡行したおり
左俣、右俣とも水流が少なく
沢登りの時はいつもトポを持たないこともあり
本流と間違えて右俣を遡行してしまった
今回は本流の左俣を登るのが目的
しばらく登ると3つぐらいの滝が続いている滝場についた
クライミングシューズに履き替え
垂直の箇所ではエイリアンで自己確保しながら上がっていく
1段目はアルパイングレード3級、2段目は2級
問題は直瀑の3段目
左右のブッシュ帯から大きくまけそうだが
滝の右側にある凹角から取り付く
古いハーケンが1本残されていたが
巨大なチョックストーンにカムを2つで確保しながら上がった
1ポイント4級ぐらいだろうか
その上はナメ滝が続いており美しい
やや傾斜の強い小滝をいくつか越え
南西稜上部についた
稜線の踏み跡をたどりクリヤ谷からの登山道に合流
ついでに頂上直下の4mぐらいのフィンガークラックも登り
(結晶が荒くて指が激痛、ガバを使わなければそれなりに楽しめる)
ほぼ1カ月ぶりの笠ヶ岳頂上
写真だけ撮りすぐ下山に向かう
ビバークポイントでテントを回収し槍見まで
今シーズンはクリヤ谷を歩いている人は少ないとみられ
笹が密生して登山道を隠しているところが多かった
このまま雪が降ると、倒れた笹で道がいっそう覆われるだろう
来年、廃道化してしまうのではないのかと心配になった
北ア 笠ケ岳穴毛谷六ノ沢
【山行形態】単独
【対象】岩登り
【日程】2020年8月27日
新穂高 3:00
7:00六ノ沢出合 7:10
10:10六ノ沢乗越 10:20
10:50笠ケ岳頂上 11:10
新穂高 15:20
【特徴】穴毛谷一ノ沢~七ノ沢まで、間ノ沢を含む8本の沢をすべてトレースできた
(四ノ沢はピナクルの頂上まで)
今回の六ノ沢は最も簡単な沢でロープもガチャも使わなかった
新穂高の登山者無料駐車場は8月の日曜なのに空きがあった
近年は登山ブームで週末はいつも満車だったたけに、コロナの影響は大きい
真っ暗なうちに出発
左俣林道から穴毛谷方面の林道跡をたどる
とげが鋭い茨が密生しており
半袖半ズボンの手足が切り傷だらけになった
毎年通っている道だが
もうそろそろ鎌持参でないと通りにくくなってきた
8月は高温続きということもあり穴毛谷の水は少ない
巨大堰堤の下で左岸から右岸に渡るところには1滴の水も流れていない
こんな夏の穴毛谷は初めてだ
三ノ沢出合を過ぎた辺りで明るくなってきた
四ノ沢出合では二俣辺りに雪渓が見えたが、
しかし五ノ沢出合には雪渓は全くなし
今年は7月に大雨が続き雪解けが早まったのだろう
穴毛大滝前をサクッと過ぎ
左の尾根の切れ目に向けて草付きとルンゼを直上
草付きが濡れており滑りそうで怖い
草の下の土に人の足跡があり
最近登った人がいるのが分かる
最後は垂直近くなるが木の枝を持って尾根上へ
六ノ沢を見ると、雪渓がほぼない
これなら登れそうだ
微妙なクライムダウンで七ノ沢に降り立った
七ノ沢を少し下りた小滝の上からは
すぐ左手の六ノ沢最初の滝の落ち口にトラバースできそうだが
草付きは濡れており、岩場は外傾している
ちょっと悪そうなのでクライミングシューズにチェンジ
微妙なトラバースで六ノ沢に着いた
そこからしばらく歩き
いくつか小滝を超すと
薄いスノーブリッジが2つ残っていた
下を急いで通過
その辺りからゴルジュ
両岸には40~50mの側壁が立って圧迫感がある
でも滝は簡単に登って行ける
巨大な岩が数カ所で立ちふさがるが
特に問題なく通り過ぎる
上の二俣は右へ行くと
まもなく抜戸岩南側のコルに着いた
天気は不安定で午後は雷雨予想なだけに
稜線上はもうかなり雲まみれ
急いで頂上へ
笠の頂上は10回目ぐらいだろうか
天気悪い時にはあまり登らないこともあり
展望のない頂上は初めてかも
あとは稜線を戻り笠新道へ
抜戸岳からの下りで小雨が降り出し
抜戸南尾根を乗り越す所で土砂降りに
気温も下がってきたので久しぶりに雨具を着用
30~40分して暑くなってきたら脱ぎ
小雨の中を気持ちよく下る
林道に出ると再び土砂降り
今日はもう風呂に入らなくてもいいかも
と思えるほど全身ずぶ濡れになって駐車場に着いた
台高山脈 奥ノ平谷
【山行形態】単独
【対象】沢登り
【日程】2020年8月22日
ヌタハラ谷出合(450m)4:50
5:30最初の滝
5:50最初のゴルジュの滝
7:20右側が洞穴となった25mぐらいの美しい滝
8:50すだれ状のデカい滝
10:10 30mぐらいのナメ滝
11:20最後の30mぐらいのデカい滝
13:00奥ノ迷岳(1381m)13:30
15:00桧塚奥峰(1420m)
17:00ヌタハラ谷出合
【特徴】登れる滝が多くて楽しい沢。ロープやガチャは使わず。懸垂もせず。帰りは大回りして、台高で最も美しい山のひとつの桧塚奥峰経由で下山。トポは持っていかないので、滝の名前は不明。
ヌタハラ谷出合に車を止め、ラテを付けて出発
今日は午後から雷雨予想なので
午前中にゴルジュを抜けるための早出だ
林道ゲート手前のカーブに三重ナンバーのジムニーが1台
おじさんが1人。渓流釣りだという
場所は効かなかったが千石谷だろう
おじさんにあいさつし、そのまま適当に草付き急斜面を下りて河原着
まだ暗いがもうラテは入らないぐらいなのでザックにしまった
最初は植林に囲まれた河原歩き
そのうち幅が狭まり、巨岩が重なった最初の滝が出てきた
周囲を見るが、巻くためには大回りが必要そうだ
泳いで、ちょっと力がいるワンポイントで滝を乗り越す
さらに進むとグネグネ曲がったゴルジュに入る
周囲は10~50mぐらいの壁に囲まれていて
まだ薄暗いのも相まって威圧感がある
そしたら巨大な釜と3mぐらいのかわいらしいナメ滝が出てきた
10mぐらいの水泳の後、滝の右側から取り付くが
甘いホールドで2度釜に落ちる
滝の左側は傾斜は緩いものの鉄分がしみ出てきており滑りやすそう
気を取り直してもう一度取り付くが、また釜にポッチャン
これ以上時間を掛けると途中で雷雨に遭う危険性が高まるので
しかたなく諦め、巻ける場所を探しに戻る
すると、5mぐらい草付きにある木から残置ロープが下がっている場所があった
壁の高さは2~3mだろうか
最初は立っておりホールドも甘いがここしかないのだろう
ヒールを掛けてマントリングで上がる
すると上に踏み跡が、、、メジャールートらしいですな
踏み跡を次の滝の上までたどった
その後は高い垂壁に挟まれた幅数mのゴルジュ
ここで豪雨に遭ったらイチコロですな
岩にくりぬかれた風呂桶のような釜が美しい滝などが続く
しばらく行くと、また幅が数mに縮まったゴルジュ
先ほどと違うのは、10m位の滝が一番奥にかかっていることだ
滝はゴルジュの形に合わせて蛇のようにうねっている
この滝を登るのだろうか、、、(ちょっと躊躇)
周囲を見渡すが、巻けそうな場所はない
左側壁の細かいスタンスを拾いながら上へ
壁が立った最初の1~2手と後半の数手の2カ所が
アルパイングレード4~5級だろうか
ぬめりはないので足を信じていくといいだろう
途中、さびた浅打ちハーケンが2カ所に残置してあったが
かなり古そうで人の体重は支えられないだろう
下部には小さなカムが効きそうだ
すぐ先には左岸が洞穴気味になった20mぐらいの滝
この彫りの深さはギリシャ彫刻並の美しさ
ここはもちろん巻いた
しばらく穏やかな流れが続きまたゴルジュへ
20mぐらいの細く険しい滝を巻いたりして進むと
肉が腐ったにおいがしてきた
何かの死骸があると注意して歩いて行くと
大きな岩の上にほぼ骨になった動物の死骸があった
骨が一部散らかっており
死んだ後に何かに喰われたのだろう
まだ一部肉が残っていて、それが死臭を放っていたようだ
さらに先には50mぐらいの裾広がりの滝
右の岩溝から上段テラスに上がり、最後は左のクラックを進む
バランスが悪く、滑ったら滝の下まで50mは舞うのでちょっと緊張した
その先の5m位は2回釜に落ち3回目で上へ
続く細い淵の先にある15mぐらいの斜瀑は巻いた
10mぐらいの段々になった滝は右側に取り付いたが
最後の一手が出ず、一度下りて滝を回り込み左から登った
続いて出てくる20m位のナメ滝は途中まで真ん中を登り
傾斜が強まる最後で右の乾いた岩部分に出て上がった
右岸に2つの滝がある場所は本流はどちらだろうとしばらく思案
右側が本流と見込み、巻いて上に上がった
この後も5~20mぐらいの滝が出てくるがまあ適当に登ったり巻いたりした
(よく覚えていない)
小さい釜を持った5mぐらいの滝を登ると平原のような場所に出て
ゴルジュが終了したことを知った
ここはテントを張ると気持ちよさそうだ
最後は草原の端を上がり
奥ノ迷岳から東に延びる稜線に出た
頂上で乾いた服と靴にチェンジ
吉野と尾鷲の方向でカミナリがゴロゴロ鳴り出している
東風がやや強く、暑さはそれほどでもない
ここからはしばらく稜線歩きなので
雷雲が来ないうちにと急ぎ
1時間半ほどで桧塚奥峰に到着
意外に早く着いた
目の前の桧塚方面はガスがかかっていたが
しばらくすると晴れ上がり
東の空に巨大な「かなとこ雲」が見えた
もうすぐ夏も終わりだなあと思えてきた
下山はそのまま東尾根をたどり
1210mぐらいで南の支尾根へ
分岐の所に白や赤のテープが木にいっぱい巻いてある
特に白テープの3本巻きは目立つ
800mぐらいでヌタハラ林道に乗り、ヌタハラ谷出合まで
上り下りともアブとブヨに悩まされた1日だったが
早いうちに下りてこられて良かった