明日はどこへ

漂泊の記録

台高山脈 奥ノ平谷  

【山行形態】単独

【対象】沢登

【場所】三重県松阪市櫛田川水系蓮川奥ノ平谷

【日程】2020年8月22日

ヌタハラ谷出合(450m)4:50

5:30最初の滝

5:50最初のゴルジュの滝

7:20右側が洞穴となった25mぐらいの美しい滝

8:50すだれ状のデカい滝

10:10 30mぐらいのナメ滝

11:20最後の30mぐらいのデカい滝

13:00奥ノ迷岳(1381m)13:30

15:00桧塚奥峰(1420m)

17:00ヌタハラ谷出合

【特徴】登れる滝が多くて楽しい沢。ロープやガチャは使わず。懸垂もせず。帰りは大回りして、台高で最も美しい山のひとつの桧塚奥峰経由で下山。トポは持っていかないので、滝の名前は不明。

 

 

 

ヌタハラ谷出合に車を止め、ラテを付けて出発

今日は午後から雷雨予想なので

午前中にゴルジュを抜けるための早出だ

林道ゲート手前のカーブに三重ナンバーのジムニーが1台

沢登りパーティーかと思って話しかけると

おじさんが1人。渓流釣りだという

場所は効かなかったが千石谷だろう

おじさんにあいさつし、そのまま適当に草付き急斜面を下りて河原着

まだ暗いがもうラテは入らないぐらいなのでザックにしまった

 

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暗い中、河原に

最初は植林に囲まれた河原歩き

そのうち幅が狭まり、巨岩が重なった最初の滝が出てきた

周囲を見るが、巻くためには大回りが必要そうだ

泳いで、ちょっと力がいるワンポイントで滝を乗り越す

 

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早朝からシャワー

 

さらに進むとグネグネ曲がったゴルジュに入る

周囲は10~50mぐらいの壁に囲まれていて

まだ薄暗いのも相まって威圧感がある

そしたら巨大な釜と3mぐらいのかわいらしいナメ滝が出てきた

10mぐらいの水泳の後、滝の右側から取り付くが

甘いホールドで2度釜に落ちる

滝の左側は傾斜は緩いものの鉄分がしみ出てきており滑りやすそう

気を取り直してもう一度取り付くが、また釜にポッチャン

これ以上時間を掛けると途中で雷雨に遭う危険性が高まるので

しかたなく諦め、巻ける場所を探しに戻る

すると、5mぐらい草付きにある木から残置ロープが下がっている場所があった

壁の高さは2~3mだろうか

最初は立っておりホールドも甘いがここしかないのだろう

ヒールを掛けてマントリングで上がる

すると上に踏み跡が、、、メジャールートらしいですな

踏み跡を次の滝の上までたどった

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右から登ろうとして落ちまくった

その後は高い垂壁に挟まれた幅数mのゴルジュ

ここで豪雨に遭ったらイチコロですな

岩にくりぬかれた風呂桶のような釜が美しい滝などが続く

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しばらく行くと、また幅が数mに縮まったゴルジュ

先ほどと違うのは、10m位の滝が一番奥にかかっていることだ

滝はゴルジュの形に合わせて蛇のようにうねっている

この滝を登るのだろうか、、、(ちょっと躊躇)

周囲を見渡すが、巻けそうな場所はない

沢登りでは久しぶりにクライミングシューズを履き

左側壁の細かいスタンスを拾いながら上へ

壁が立った最初の1~2手と後半の数手の2カ所が

アルパイングレード4~5級だろうか

ぬめりはないので足を信じていくといいだろう

途中、さびた浅打ちハーケンが2カ所に残置してあったが

かなり古そうで人の体重は支えられないだろう

下部には小さなカムが効きそうだ

 

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この滝は・・・

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細かいスタンスを拾って


すぐ先には左岸が洞穴気味になった20mぐらいの滝

この彫りの深さはギリシャ彫刻並の美しさ

ここはもちろん巻いた

しばらく穏やかな流れが続きまたゴルジュへ

20mぐらいの細く険しい滝を巻いたりして進むと

肉が腐ったにおいがしてきた

何かの死骸があると注意して歩いて行くと

大きな岩の上にほぼ骨になった動物の死骸があった

骨が一部散らかっており

死んだ後に何かに喰われたのだろう

まだ一部肉が残っていて、それが死臭を放っていたようだ

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彫りが美しい滝

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youtu.be

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さらに先には50mぐらいの裾広がりの滝

右の岩溝から上段テラスに上がり、最後は左のクラックを進む

バランスが悪く、滑ったら滝の下まで50mは舞うのでちょっと緊張した

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最上部はバランスが悪い

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その先の5m位は2回釜に落ち3回目で上へ

続く細い淵の先にある15mぐらいの斜瀑は巻いた

10mぐらいの段々になった滝は右側に取り付いたが

最後の一手が出ず、一度下りて滝を回り込み左から登った

続いて出てくる20m位のナメ滝は途中まで真ん中を登り

傾斜が強まる最後で右の乾いた岩部分に出て上がった

右岸に2つの滝がある場所は本流はどちらだろうとしばらく思案

右側が本流と見込み、巻いて上に上がった

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2度滝つぼに落ちた滝

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右側から行こうとしたが最上部が登れず、左側から登り返した滝

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途中まで登り、傾斜が強くなる真ん中辺りから右に逃げた

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さて、どちらが本流か。自分で推理して登るのが沢登りの醍醐味

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この後も5~20mぐらいの滝が出てくるがまあ適当に登ったり巻いたりした

(よく覚えていない)

小さい釜を持った5mぐらいの滝を登ると平原のような場所に出て

ゴルジュが終了したことを知った

ここはテントを張ると気持ちよさそうだ

最後は草原の端を上がり

奥ノ迷岳から東に延びる稜線に出た

 

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草原に出た

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奥ノ迷岳山頂

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桧塚奥峰。ガスが晴れ、遙か彼方に巨大な「かなとこ雲」が見えた



頂上で乾いた服と靴にチェンジ

吉野と尾鷲の方向でカミナリがゴロゴロ鳴り出している

東風がやや強く、暑さはそれほどでもない

ここからはしばらく稜線歩きなので

雷雲が来ないうちにと急ぎ

1時間半ほどで桧塚奥峰に到着

意外に早く着いた

目の前の桧塚方面はガスがかかっていたが

しばらくすると晴れ上がり

東の空に巨大な「かなとこ雲」が見えた

もうすぐ夏も終わりだなあと思えてきた

 

下山はそのまま東尾根をたどり

1210mぐらいで南の支尾根へ

分岐の所に白や赤のテープが木にいっぱい巻いてある

特に白テープの3本巻きは目立つ

800mぐらいでヌタハラ林道に乗り、ヌタハラ谷出合まで

上り下りともアブとブヨに悩まされた1日だったが

早いうちに下りてこられて良かった