台高・櫛田川水系蓮川ヤジヤマ谷~1195mピーク 20230702
【形態】単独
【対象】沢登り
【場所】三重県松阪市の櫛田川水系蓮川ヤジヤマ谷出合(320m)~無名峰(1195m)
【特徴】前日に50㎜の大雨が降り、それでも登れそうな流域面積の小さな谷へ。小ぶりのきれいな滝がずっと続いていて、意外に面白い。周囲は人工林で、間伐された木が谷にたくさん落ちており、越えていくのがウザい。稜線手前まで水流があって楽しめたが、梅雨明け後には水が少ない谷だろう。支流は大きなものがないので、沢登りなのに地図を見て現在位置を確認することを一度もしなかった。そしたら、想定より南向きの支流に入ってしまっていたようで、稜線に着いたときに「ここはどこ?ピークはどっち?」状態となり右往左往した。ちょっと山をなめすぎでした。
【日程】出合(320m)6:00~11:15稜線12:00~12:20ピーク~14:40出合
台高・地獄谷 20230618
【形態】単独
【対象】沢登り
【場所】三重県大台町の宮川貯水池最奥の第三発電所(289m)~無名峰(1150m)
【特徴】急な谷で、中盤までは微妙な滝が続くが、後半はゴーロに終始する。突然水流がなくなり、気づいた時には後の祭り。プラティパスに水を汲めないまま、水を一口を飲まない山行になった
【日程】第三発電所6:10~地獄谷出合6:30~右岸の大きな美瀑~10:40稜線のコル11:20~12:00 1150mピーク~14:00第三発電所
台高北部の沢はほぼ行き尽くしたため、今回も重箱の隅系の沢
去年6月に行った能谷のひとつ南側の沢になる
名前こそ地獄谷というすごい名前だが
手も足も出ない巨瀑が続くわけではなかった
第三発電所から大台ケ原方面への登山道を20分ほど行くと
地獄谷のつり橋着
高くて降りられないので、かなり戻って河原経由で入渓する
滝の手前でウエットに着替えたが
パンをくわえようとした手にヒルが1匹ついていた
食べちゃわなくて良かった💦
最初から小滝が続き
20mぐらいの凹角沿いの滝は登れず
木の根っこを頼りに急なスラブ登って巻いたが緊張した
470mで右岸に高さ50mぐらいの美瀑がありしばしみとれる
最初がそちらが本流かと思ったが
どうも違うようでホッとした
しばらく行くと巨岩が続くゴーロになった
何も気にせずえっちらおっちら岩を越えていくと
水の音が何もしないのに気付いた
さっきまであれだけ多くの水流があったのに・・・
まあ、そのうちチョロチョロ出てくるだろうと思ったが
全く水流はなし
がーん
行くべきか、戻るべきか
今日は曇り空なので水なしでも大丈夫だろうと山登りの基本を無視して
できるだけ汗をかかないようにゆっくりと登り続け
稜線のコル着
いつもは夏でも風が通って涼しい台高の稜線だが
今日に限って風はなし
蚊やアブもどんどん寄ってくる
まさに泣きっ面にハチ
稜線を歩いて行くと
1150mピークの南側には
索道の廃墟がそのままあった
ここでも南西の尾根に誤って入ってしまい体力と時間をロス
しばらく歩いて気づいたからいいものの
地図片手に見ながら歩かないと迷ってしまう場所が台高には多い
それだけに自然の山歩きが楽しめるといも言えるのだが
1143mで通常の踏み跡に合流し東尾根経由で第三発電所に降りた
駐車場で着替えて帰る準備をしていると
何となく左足が変な感じがした
ふと目をやると
くるぶしのところに血をたっぷり飲んで
腹いっぱいになった様子のヒルがくっついていた
この野郎、アスファルトの上でも出てきやがって
木の棒で払い落し
近くにあった石でつぶすと
プチっとヒルの腹がはぜる音がした
石をどけると鮮血ではなく
どろっとしたゼラチン状の血になっていた
あーあ、もったいな
台高・宮川水系大和谷銚子谷 20230528
【形態】単独
【対象】沢登り
【場所】三重県大台町の宮川ダム北詰(286m)~池木屋山(1396m)
【特徴】銚子谷中流に70~80m級の大きな滝があり、周囲はぐるりと岩壁に囲まれていた。まくのに時間がかかり、大滝の上流はカットしてしまった。1泊2日の日程で行くべきだった
【日程】
▽28日 宮川ダム北詰(286m)3:50~4:40町道大和谷線終点(350m)~6:15大和谷ダム(565m)6:30~7:40脇谷出合(643m)~8:50銚子谷出合(726m)9:00~10:10大滝(960m)~13:00池木屋山13:10~1332m~1243m~982m~町道大和谷線終点~18:10宮川ダム北詰
町道大和谷線は7月31日まで宮川ダムから上流は通行止めのため
ダムの見学者用駐車場に駐車して出発
町道終点まで車で入るのに比べると往復2時間は余計にかかるがしょうがない
町道終点まで来るとやっと空が明るくなってきた
ここから奥はこれまでに焼山谷、ロクロ谷、サザ衛門谷、脇谷、川上谷と上ってきたが
壊れたはしご、六丁峠までの急坂、ヒルの攻撃といつもながらげんなりする
今日は日帰りの長丁場なので
どうのこうの言っている暇はない
明日の仕事のことなどを考えながら無心に足を一歩ずつだけだ
汗だくになって大和谷ダム着
今日はヒルは1匹しかついていない
運が付いてるかも!?
ダム湖の水量は少ない
ここから水に漬かったりしながら進む
去年登った脇谷出合を過ぎると大きな釜を持った滝がでてくる
釜の縁をへつって水流の一番激しいところを飛沫をあげながら登る
沢登りの醍醐味の一つだね
それを越すとすぐに大きな滝
これは登れないので巻いていく
しばらく行くと屈曲した個所の左岸に支流ガ合流していた
地形図でこれが銚子谷出合と確認し銚子谷に入る
銚子谷の水量は少なく
ごーろをしばらく上がっていく
5、6mの滝をいくつか越すと
大きな滝がでてきた
3段で、最上段のナメ滝を入れると
たぶん70~80mはあるだろう
奥地にあるマイナー沢だが
こんな滝があるんだとしばらく見とれた
滝は左岸も右岸もずっと岩壁が続いている
どこからまけばいいのだろう
右岸は全く可能性がなさそうなので
左岸の岩壁下に沿って登れそうな場所を探していく
尾根を回り込むところまで追い込まれ
やっと上に上がっていけそうになった
松のような尖った葉で滑りやすい急斜面と
岩壁のミックスをスリップにきをつけながら行く
こんな時はアックスがないと話にならない
これまで何度助けられたことか
傾斜が緩くなったところで沢に復帰するためトラバースを始めたが
またすぐに岩壁に阻まれた
時間も時間だし
今日はこのまま尾根に上がってしまうことにした
主稜線手前の1200m付近には
直径2・5mはありそうな巨木が1本あり
神々しさにしばらく見とれた
そこからすぐに1258mピーク
主稜線とはいえあまり人が歩かない尾根なので
踏跡は薄い
でも稜線を外さないように行けば問題ない
途中で三之公から池木屋山往復という男性とすれ違った
この時季の台高で人に会うのは珍しい
時間が押しているので池木屋山まで休まずに進む
頂上には男女2人がカップラーメンを食べていた
おいしそうだななどと言っている暇はない
天気は下り坂で雲が野江股方面を覆っている
雨が振り出さないうちにと急ぐ
東尾根を進み
ガレた尾根を過ぎると1332mピーク
そこから南尾根に入る
去年より赤と白のテープガ増えている
でも分かりにくさは相変わらずだ
特に1160m付近と950m付近は何度も迷い
上り返したりした
木材搬出用の軌道の残骸がでてくるとやっと安全地帯に戻れたと安心できた
そこから六丁峠で往路に合流し宮川ダムまで疲れた脚を引きずりながら歩いた
北ア・西穂沢~間ノ岳 20230504
【形態】単独
【対象】雪山
【場所】岐阜県高山市新穂高(1050m)~間ノ岳(2907m)
【特徴】「間の山」という名のマイナーなピーク。頂上に標識などはなく、岩にペンキで「間ノ岳」と書いてあるだけ(笑)。こういう山、好きです。行き帰りは雪渓歩きで単調
【日程】
▽4日 新穂高無料駐車場(1050m)1:30~3:30 西穂沢末端(1750m)~6:40間天のコル(2820m)~7:20頂上(2907m)7:30~間天のコル~11:30新穂高
満月に照らされながら駐車場を出発
右俣林道を歩く間はラテをつける必要がなかった
白出には小さなテントがひとつ
こんな近くで寝る人がいるんだ
力尽きて駐車場まで帰りつけなかったのかも
登山道は夏道が出ていたが
1750mぐらいから雪道に
まだ真っ暗だが、上の方に雪渓が続いていそうだったので
これが西穂沢と想定して
白出沢方面に降りず
そのまま雪の上を上がっていく
そのうち明るくなってきて
後方の笠ヶ岳に日が当たり始めた
先月登った4の沢右俣がよく見える
デブリがあちこちにあるが下部、中間部は傾斜も緩く歩きやすい
間ノ岳の東方岩壁下部の2400mぐらいで右俣と左俣に分かれるが
そこから傾斜が急になる
まだ標高差で400mはあり結構疲れる登りだ
以前、3月に隣の天狗尾根を登ったおり
この辺りにでかい氷瀑が見えて登攀意欲をそそられたものだ
氷がかかっていたのはどのあたりだろうと探したら
氷の残骸らしきものが残っていた
下部から見るとせいぜい高さ50mぐらいかも
もっと大きかった気がするが・・・
そのうち間天のコル着
吊尾根がきれいに見える
雪が少ないね
ちょっと休んで尾根を南にたどり頂上着
間ノ岳は意外にとんがったピークだった
北アの山にはだいたい木やコンクリート製の標識が立っているものだが
ここにはペンキで「間ノ岳」と書かれているだけ
味があっていいっす
不遇なマイナーピークに乾杯!
そのまま間天のコルに戻り
雪面がまだ堅いのでスリップに気を付けながら下降した
北ア・笠ヶ岳穴毛谷4の沢右俣 20230423
【形態】単独
【対象】雪山
【場所】岐阜県高山市新穂高(1050m)~笠ヶ岳(2898m)
【特徴】落石の巣と思われる急なルンぜ。日が照る前に抜け出たかったが・・・甘かった。ビュンビュン飛んでくる落石をロシアンルーレットのように避けながら登る羽目に。もの好きな人向けのルート
【日程】
▽23日 新穂高無料駐車場(1050m)1:20~3:30 4の沢出合3:40~7:30頂上7:40~11:40駐車場
きれいな星空を見ながら出発
今日は少し冷え込んでおり、雪の上も歩きやすいだろう
左俣林道から穴毛谷方面の林道へ
終点まで来ると今年の異常な雪の少なさが分かる
すでに巨大堰堤には滝のような雪解け水が流れ落ちている
ラテで照らすと細いスノーブリッジが残っている
渡ろうか、渡るまいか迷うところだが
落ちたらただでは済まない
面倒だが水の中の石を飛び飛びに行くことにする
だが途中で水が深いため渡れず
一度戻ってアイゼンをはいて渡った
巨大堰堤を右岸から越すと雪が出てくるがすでにズタズタになっているのが分かる
これは時間がかかりそうだ
右岸の雪を拾いながら2の沢出合を越えていく
雪渓は波打っており段差が5mもあるところも
間の沢出合付近の滝も一部出ていたが渡渉することはなかった
雪の割れ目は3の沢出合辺りまであった
今年の雪解けは早すぎだね
まだ真っ暗で3の沢に危うく入ってしまいそうになった
少し降りて本谷に戻った
その辺りから雪面は歩きやすくなった
4の沢出合で小休止
今日はこと座流星群が最もよく見える日だという
ラテを消して上空に目を向けていると
人工衛星のようなしっかりとした光跡が南から北に通った後
北西方面の空に小さな流星が2つ見えた
4の沢に入ってしばらくたつと東の空が少しずつ明かるくなってきた
うっすらとピナクルの尖峰も見える
二俣から見る右俣にはデブリがたまっている
比較的柔らかくまだ新しい雪崩の跡
暗闇でよく見てみると
デブリがごま塩のように見える
親指と人差し指で丸を作ったぐらいの大きさの砕石がたくさん混じっているのだ
こんなデブリは初めて見た
嫌な予感がするが、そのまま登っていく
傾斜は次第に傾斜を増す
明るくなり視界が聴くようになると
左手前方にピナクル
谷の正面にナーゲルと呼ばれる尖峰が見えた
なかなか日本離れした眺めですな
ピナクルが左後方になると
上方で谷が2つに分かれているのが見える
その正面の岩壁最上部がナーゲル
これから行くルートは右俣だが
岩壁に囲まれた狭いガリー状の形状となっている
またまた嫌な予感
落石に襲われたら逃げ場が少ないだろう
様子を見る思いで近づいていく
ガリー状の入り口まで来ると
いきなり「ギュイン」という風切り音とともに
握りこぶし大の落石が左ひざの数十センチ横を飛んで行った
「ヤバいっ」と息を飲んだが
すでに谷の鉛直方向には絶え間なく落石が落ち始めていた
ちょっと観察すると
指先から数センチ大までの小さな落石はスピードが遅く
雪の上をはねるように落ちていく
これは上をよく見ていれば避けられそうだ
だが
握りこぶし大以上の大きさの落石は
その重さゆえにどんどんスピードを上げ
左右の壁にぶつかりながら(火花を上げながら)すっ飛んでくる
谷の中を跳ね回りながら飛んでくるだけに避けきれないかもしれない
落石の供給源はガリー状の谷が右手にカーブするところにある左手岩壁のようだ
すでに日が当たり始めているためだろう
もっと早出をすべきだった
行くべきか、戻るべきか
ガリー状は距離200~300mぐらいか
まだまだある
戻るにしても、上を見て落石に注意を払いながら
この急斜面を後退していくのはなかなか困難だ
右手岩壁(4尾根側壁)もボロボロだが
まだ日が当たっていないだけに落石はこない
そこで
右手岩壁に身を隠せるところまで走って登り
息を整えてまた走る、を繰り返して抜けることにする
落石が少なくなった瞬間を狙って走る
右手のシュルンドの中や出っ張った岩の陰へ
5~10mぐらいずつ進む
荒い息が平静に戻るのに時間がかかる
匍匐前進している気分だ
また一つ握りこぶし大の落石が右の壁に当たり
頭を上をかすめていった
思わず首をすくめたが
あの風切り音は異様な迫力がある
息が絶え絶えになってガリー状を抜けて右手の雪渓へ
なんとか助かったようだ
その辺りから雪面はさらに傾斜を増していく
ガリー状のところで走って止まってを繰り返したために体力が尽きたようだ
20歩歩いては休む亀の歩み
正面に段々になった岩壁が近づくと右手に雪面が続いているのが見えた
これが緑の笠の台地への通路だろうと思っていくと
小尾根の上に出た
振り向くと、緑の笠はすでに遥か下になっていた
先ほど避けた岩壁は頂上直下の岩だったようだ
そのまま小尾根を登っていくと右手に笠の山荘が見え
左の緩い斜面を登って頂上着
何とか無事に着いてほっとした
下り始めると
別の男性登山者が登ってきた
そちらに近寄って話すと5の沢を登ってきてクリヤ谷を下りるそう
去年、4尾根を登った時も5の沢を登ってきたパーティーがいたから
5の沢は人気なのだろうか
秋に沢登りで行ったことがあるが
5の沢の左右の壁は固いので落石は少ないだろう
稜線を抜戸方面に行き
抜戸岳手前の7尾根から降りていく
最初は気持ちの良い傾斜だが
途中が岩壁になっている
少し戻り、ガリーを後ろ向きで降りて
7尾根下部を回りこみ本谷方面へ
雪面は今朝の冷え込みで比較的固いだけに
スリップには気を付けたいところだ
杓子平を大きく回り込んで
急斜面をトラバース気味に下りザイテンタールをまっすぐに降りる
すでに穴毛大滝もなかなかの水量だ
5の沢出合から傾斜が落ちてくるが
疲れが足首に来ており
たらたら歩いて巨大堰堤
林道をぽくぽく歩いて駐車場に着いた
御嶽山・摩利支天山西尾根 20230402
【形態】単独
【対象】尾根歩き
【場所】岐阜県下呂市・濁河温泉(1780m)~摩利支天山(2960m)
【特徴】これまた、数年前の2月にラッセル敗退した尾根に再挑戦。すでに4月ということもあり、堅い雪面をサクサク登っていけた。2500mぐらいからは展望最高の尾根歩き。もっと登られていい尾根だと思う
【日程】
▽2日 濁河温泉登山者駐車場5:10~7:10樹林帯を抜ける~8:40頂上8:50~11:20駐車場
駐車場は早朝から10数台の登山者の車でいっぱい。ラテをつけて次々と出発していく。皆さん五の池小屋の夏道方面に行くらしい。こちらはラテが必要じゃなくなったころに出発。並んだトイレの前を通って橋を渡り、雪の重さでつぶれた御嶽神社の社務所(?)の横から樹林帯の尾根に入る。気温が高い日が続いたため、膝までズボズボはまりわかんを装着する。しばらく登っていくと雪面は固く、歩きやすくなった。平板な樹林帯の中で方向はよく分からないが、傾斜の強い方へ強い方へと向かっていくと、右手に木の生えていない急なルンぜを発見。すぐにアイゼンに履き替え、サクサク登っていく
胸を突く急斜面をしばらく行くと、木々が薄くなり、一気に展望が開けた。正面には摩利支天が堂々とそびえており、きれいなカーブの西尾根が続いている。この尾根は気持ちいいわ。振り向くと飛騨の盆地と乗鞍岳。展望最高です。ところどころ新雪斜面になって歩みがのろくなるが、人がいなくて最高です。2,745m付近が急な尾根になる。2830mで尾根は南東から東へと変わる。そのあたりから見る摩利支天はピラミッドのように鋭角で美しく見える。2つの小ピークを左の雪面トラバースで越え、最後の岩場。尾根筋が最も登りやすそうだが、電子レンジ大の岩2つが今にも落ちそうになっているのが見える。あれはヤバいだろうと思い、岩場を右から回り込み、5mほどのスラブ壁を登って頂上着。風も弱く、気持ちの良い日です。下りは同ルート下降で駐車場に着いた。
北ア・焼岳西尾根 20230311~12
【形態】単独
【対象】やぶ尾根ラッセル
【場所】岐阜県高山市・中尾温泉(1140m)~大坪山(1900m)~西尾根~焼岳(2456m)
【特徴】数年前の2月にラッセル敗退した尾根に再挑戦。今年は雪が少なく、かつ2月以降の異常な暖かさで雪解けが進んでいたが、昼前になると暑さで踏み抜きが多発し消耗した。最近ボルダーばかりやっていたので、歩くのが辛かった💦
【日程】
▽11日 中尾温泉焼岳登山口駐車場(1140m)5:50~1362mピーク7:10~9:10大坪山(1900m)~1952mピーク12:00~14:30 2084m地点
▽12日 テンバ5:10~7:00焼岳頂上7:10~テンバ8:20~12:30駐車場
中尾温泉の焼岳駐車場はこの時季、雪で埋まっているかと思ったが、今年はもう雪なし。驚くほど雪解けが早い。準備していると、富山ナンバーの車が1台来て、男女2人が一般道方面に向かっていった。こちらは少し道を戻り、大坪山方面の林道に向かう。前回敗退した時はここでひざラッセルだったが、今日はほぼ雪なし。もう春ですな。
林道をやや回り込んだところから、土砂崩れ防止用に斜面を四角くコンクリで固めた斜面から取りつき、尾根上まで。すぐに雪が出てきたが、全体に固めで歩きやすい。1362mピークで振り返ると、西尾地尾根がよく見える。そのあたりから何となくトレースらしきものが残っていた。こんなやぶ尾根に来る人がほかにもいるのだなとびっくりした。トレースは1週間ほど前のものと思われ、大坪山を越えた辺りまで続いていて助けられた。そのせいもあり、大坪山までサクサク進む。前回は胸ラッセルの斜面で、大坪山まで丸1日かかったのに。
大坪山を越すと、左前方に焼岳が見え始めた。尾根を登ったり降りたりを繰り返すようになり、体力を消耗する、1952mピークは見るからに急斜面。登ったらすぐ降りる地形なので、等高線に沿ってトラバースで回り込むことを試みる。しかし、岩壁が出てきて断念。急なルンぜから木登りで1952mピークに到達。ちなみに帰りは尾根に沿ってまっすぐ降りたが、懸垂せずに楽々降りられた。
1952mピークを越すと、焼岳頂上が間近に見えるようになる、尾根の左側には小さな雪庇が出ている。右に寄りすぎると太ももまでズボズボはまる。左に行ったり、右に回り込んだりして進む。暑さで嫌になったころ、2084mピークに着く。すぐ目の前に焼岳。遠く北方には槍穂高から笠ヶ岳に続く稜線が一望できる。梅酒を飲みながら堪能した。
翌朝は暗いうちに出発。少しは雪面が固くなるかと思ったが、全く冷え込みがなく、一歩目から太ももまではまる。これはいかんと、すぐにわかんを装着。3月初めなのに、まるで5月のような気温だね。雪庇のある急な尾根を上がっていき、2200m付近で黒谷上部の谷筋に降りる。谷筋にはスノーシューで降りた跡があった。谷筋を上がっていくと噴気孔が1か所あり、左手から回り込む。そのまま岩交じりの斜面を上がって頂上稜線へ。頂上には、前日登った登山者の足跡があちこちにあった。北峰にある噴気孔から轟轟という噴出する水蒸気の音が響く。なかなか迫力がある。ここに来るのは、中尾温泉から夏道をトレランで走って登った10年ほど前以来。山が生きているのを実感する。帰りはそのままテン場まで戻りテントを回収。踏み抜きに苦しみながら、駐車場に戻った。