明日はどこへ

漂泊の記録

北ア・焼岳西尾根 20230311~12

2084mのピークに作ったテンバ。予想通り、穂高、槍、笠の展望は最高だった

 

【形態】単独

【対象】やぶ尾根ラッセ

【場所】岐阜県高山市・中尾温泉(1140m)~大坪山(1900m)~西尾根~焼岳(2456m)

【特徴】数年前の2月にラッセル敗退した尾根に再挑戦。今年は雪が少なく、かつ2月以降の異常な暖かさで雪解けが進んでいたが、昼前になると暑さで踏み抜きが多発し消耗した。最近ボルダーばかりやっていたので、歩くのが辛かった💦

【日程】

▽11日  中尾温泉焼岳登山口駐車場(1140m)5:50~1362mピーク7:10~9:10大坪山(1900m)~1952mピーク12:00~14:30 2084m地点

▽12日  テンバ5:10~7:00焼岳頂上7:10~テンバ8:20~12:30駐車場

 

 

 

中尾温泉の焼岳駐車場はこの時季、雪で埋まっているかと思ったが、今年はもう雪なし。驚くほど雪解けが早い。準備していると、富山ナンバーの車が1台来て、男女2人が一般道方面に向かっていった。こちらは少し道を戻り、大坪山方面の林道に向かう。前回敗退した時はここでひざラッセルだったが、今日はほぼ雪なし。もう春ですな。

 

雪のない駐車場。まだ3月初めなのに

振り返ると、西尾地尾根。いつか登りたい

日が当たると気持ちよい尾根歩きになる

こんな樹林帯で底雪崩

大坪山。春はサクサク進む

林道をやや回り込んだところから、土砂崩れ防止用に斜面を四角くコンクリで固めた斜面から取りつき、尾根上まで。すぐに雪が出てきたが、全体に固めで歩きやすい。1362mピークで振り返ると、西尾地尾根がよく見える。そのあたりから何となくトレースらしきものが残っていた。こんなやぶ尾根に来る人がほかにもいるのだなとびっくりした。トレースは1週間ほど前のものと思われ、大坪山を越えた辺りまで続いていて助けられた。そのせいもあり、大坪山までサクサク進む。前回は胸ラッセルの斜面で、大坪山まで丸1日かかったのに。

 

大坪山を越すと、左前方に焼岳が見え始めた。尾根を登ったり降りたりを繰り返すようになり、体力を消耗する、1952mピークは見るからに急斜面。登ったらすぐ降りる地形なので、等高線に沿ってトラバースで回り込むことを試みる。しかし、岩壁が出てきて断念。急なルンぜから木登りで1952mピークに到達。ちなみに帰りは尾根に沿ってまっすぐ降りたが、懸垂せずに楽々降りられた。

左手に焼岳が見え始めた

1952mをトラバースで回り込もうと思ったが岩壁に阻まれ、急なルンぜを直登する

気持ちの良い尾根歩き。だが足はズボズボはまる

1952mピークを越すと、焼岳頂上が間近に見えるようになる、尾根の左側には小さな雪庇が出ている。右に寄りすぎると太ももまでズボズボはまる。左に行ったり、右に回り込んだりして進む。暑さで嫌になったころ、2084mピークに着く。すぐ目の前に焼岳。遠く北方には槍穂高から笠ヶ岳に続く稜線が一望できる。梅酒を飲みながら堪能した。

 

焼岳に抱かれたテンバ

 

翌朝は暗いうちに出発。少しは雪面が固くなるかと思ったが、全く冷え込みがなく、一歩目から太ももまではまる。これはいかんと、すぐにわかんを装着。3月初めなのに、まるで5月のような気温だね。雪庇のある急な尾根を上がっていき、2200m付近で黒谷上部の谷筋に降りる。谷筋にはスノーシューで降りた跡があった。谷筋を上がっていくと噴気孔が1か所あり、左手から回り込む。そのまま岩交じりの斜面を上がって頂上稜線へ。頂上には、前日登った登山者の足跡があちこちにあった。北峰にある噴気孔から轟轟という噴出する水蒸気の音が響く。なかなか迫力がある。ここに来るのは、中尾温泉から夏道をトレランで走って登った10年ほど前以来。山が生きているのを実感する。帰りはそのままテン場まで戻りテントを回収。踏み抜きに苦しみながら、駐車場に戻った。

急な尾根を歩き頂上に近づく

黒谷上部

噴気孔を避けて

稜線に出た

朝の頂上

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振り返ると、頂上はもう彼方に

テンバ(矢印)でテントを回収し、右の尾根を下りていく