台高・大熊谷左岸第2支流~迷岳 20211106
【形態】単独
【対象】沢登り
【特徴】紅葉を見ながら今年最後の沢登り。稜線は落葉を迎えていた
【日程】2021年11月6日
大熊谷林道駐車地点(200m)6:40~左岸第2支流~11:50稜線(1250m)~12:00迷岳(1309m)~東尾根1224mP~南東尾根~林道~国道422号(164m)~14:40大熊谷駐車地点
大熊谷の沢はこれまでに5本登ったことがあるが
左岸第2支流は手軽に登れる滝が多く楽しめたので
紅葉見物を兼ねてもう一度登ることにした
季節外れの暖かさが続いており
この日も朝から暖かい
好天も続いているので大熊谷本流の水量も少ない
第2支流の出合からしばらく行くと最初の滝
直登は無理なので巻いて行くと
巨大なチョックストーンがはまった直瀑にぶつかる
水流は少ないので迫力はない
この滝は岩の部分を登って行ける
ゴルジュの中を小さな滝がいくつもかかっている
この支流で最も大きい高さ20mぐらいの滝を越すと
中流部二俣手前の平凡な流れになる
右俣は正面に迷岳が見え
崩れた堰堤らしき構造物もある
そこを左俣へ行くと、すぐの左岸に住み心地良さそうな岩小屋があった
その上流の左岸には
スラブ状岩壁にかかる6段120mぐらいの糸滝がある
両岸の木々が真っ赤に染まって美しい
5~10mぐらいの滝を次々越えていくと水量が減り
稜線が見えてくる
稜線直下の窪地でウエットを着替え迷岳へ
紅葉シーズンだけのことはあり
3P計10人ぐらいの登山者がいた
迷岳に登るのは6回目になるが
人に出会ったのは2度目
紅葉狩りの時季には人気がある山なのね
迷岳の東尾根は二重稜線が続く
落ち葉で踏み跡が埋まるとどこを行けば良いのか分からなくなるが
まあ、地形図にコンパスを当てて歩けば間違えることはない
口迷岳を過ぎ
1224mピーク付近から南側の尾根へ
林道を経由して大熊谷の駐車地点まで歩いた
中ア・木曽川水系伊奈川ケサ沢南沢 20211015
【形態】単独
【対象】沢登り
小滝を数個登ると二俣になり右岸には30mぐらいの逆層の滝があ
そのあとも滝、たき、タキの連続
水が枯れてもずっとナメが続き
中ア・木曽川水系伊奈川本谷・上流部右俣~檜尾岳20211008~09
【形態】単独
【対象】沢歩き
【場所】長野県大桑村の伊奈川ダム下ゲート~伊奈川本谷・上部右俣~檜尾岳~熊沢岳~東川岳
【特徴】河原を延々と行く歩き沢。紅葉の時季に行くと最高!往復18キロの林道歩きさえ我慢できれば!季節外れの暑さで稜線歩きは半袖で十分だった。
【日程】2021年10月8~9日
8日 駐車地点(950m)6:10~8:00取水堰堤(1410m)8:20~14:00ビバーク地点(2000m)
9日 ビバーク地点5:20~8:30稜線(2700m)9:00~10:10檜尾岳(2728m)~11:20熊沢岳(2778m)~12:20東川岳(2671m)12:50~17:20ゲート
8日 ゲートから林道を延々と9.5キロ歩き、中八丁峠方面の道を分けた先にある堰堤付近から入渓。そこからもずーっと河原を歩いて行く。滝はない。1カ所だけあるゴルジュっぽいところも巨岩伝いに行けるが、せっかくなのでへつってみる。こういう沢は風景を楽しむしかない。この辺りの紅葉はまだ早いが・・・。2050m付近から右俣に入る予定だったが、そちら方面は紅葉がいまいちっぽい。その出合付近に、薪がいっぱいある平坦地があったので、そこで泊まることにした。
9日 右俣に行くかどうかを一晩考えたが、紅葉がきれいそうな本谷をもう少し行ってから右の支流に入ることに変更。2100~2400m付近が今の紅葉の盛り。日が当たり出すと山肌が美しい。滝は全くないが、こんな沢歩きもいいものだ。稜線が見えてきた辺りで木々の葉も落ちかけていたので、適当に左岸の支流に入る。傾斜がやや急になる中程はナメ滝が続いていた。最後はガレとハイマツの藪こぎを少しで、主稜線2858mピーク南側の尾根に出た。2週間前に登った三沢岳が正面に見えて美しい。そこから人がいっぱいの3つのピークを越えて、木曽殿山荘から下山。うさぎ平からゲートまでの8.5キロの林道は、脚の痛さを思い出さないように、来週の仕事の段取りを(無理矢理に)繰り返し何度も考えながら歩いた。
中ア・木曽川水系滑川三ノ沢~三沢岳(2847m) 20210924~25
【形態】単独
【対象】沢登り
【場所】長野県上松町の滑川三ノ沢~三沢岳(2847m)
【特徴】上部の4つの滝はまともにシャワーを浴びながらの登りとなり、気温も高くなかったため危うく低体温症になりかけた。そのうち3つは7~15mぐらいの高さで、アルパイングレード4級ぐらい。暑い真夏に、ロープで確保しながら登ることを勧める
【日程】2021年9月24~25日
24日 北股川沿い駐車地点(1240m)6:00~9:00三ノ沢出合(1550m)~12:00二俣(2080m)~15:00ビバーク地点(2500m)
25日 ビバーク地点6:30~8:00頂上8:30~上松A~15:00駐車地点
24日 木曽谷から木曽駒への登山道「上松Aコース」が8月の集中豪雨で荒れ果て
通常の駐車場からは登れなくなっていた
現地の案内に従って、北股川沿いの駐車スペースに移動
敬神の小屋まで下り道からスタートになる
同小屋から先の林道はアスファルトが流され、ガードレールはひしゃげている
通るのに時間がかかるようになった
滑川は、数年前の冬に三沢岳に登った時以来となる
しかし河原も流れてきた巨石で荒れ果て、林道終点から続いていた踏み跡は消えていた
水の流れの位置も随分違う
以前は最初左岸に渡って上流に歩いて行くのが楽だったが右岸近くを進むことにした
途中から右岸の河岸段丘が残されており、その上にかすかに残っていた踏み跡をたどる
スヤマ尾根末端で三ノ沢へ。ここもずっとガラ場になっている
下の二俣を越すとゴルジュっぽくなり、小さな滝がいくつか続くようになった
その最後の滝は直登できず、手前から巻いたが、余りに斜面がもろくきわどいトラバースとなった
小尾根を越すと歩いて河床に降りられた。そこかもまたガラ場登りが延々と続く
1900mぐらいで北東方向から南東方向に谷の向きが変わると
少し上流に直径10mを超すような巨岩があるのが目に入った
その正面となる右岸には、2段50mぐらいの滝の奥に100mぐらいの巨瀑がある支流が見えた
ガラ場の滝よりもこの支流を上った方が面白そうではある
さらにガラ場歩きを続けると、小さな滝がいくつか続くようになり、上の二俣着
標高はもう2000mを超している
このまま滝がなく、面白みのない沢なのかと思ったら、そこからが本番だった
上の二俣を左に進むと、ゴルジュ状になってくる
小さな滝をいくつか越すと、最初の滝
高さは7mぐらいだが、完全なシャワーになりずぶ濡れに
次は15mを越すような滝
真ん中辺りで水流を避けられるかと思ったが甘かった
完全にシャワー、ヌルヌルホールドで悪かった
その次の滝を震える手で登り、途中から左手の乾いた壁へ
3つの滝を越すと全身ずぶ濡れ、ザックもずぶ濡れ
日差しは弱く、空気も冷たく、寒くて全身の震えが止まらない
その上にある4つ目の小滝を
「もう勘弁してくれ」と思いながらシャワーを浴びて越すと、やっとゴーロになる
震えが止まらないが、幸いなことに体力はまだ残っており
そのまま登り続けると体が徐々に温まってきた
震えが止まらなくなったとき、もう体力が残っていなかったらどうなっていたか、、、
やっぱりアルパインに重要なのは体力やなあとつくづく思った
そのままゴーロを行き、右岸にいくつか小さな支流を分けた後
水流がしょぼしょぼになった所に、小さな平坦スペースを見つけ、ツエルトを張った
シャワーを浴びた時にザックの中身も濡れたが
防水パックした着替えは濡れることはなく、着替えると一息付けた
残念ながら防水パックしなかった防寒着は水を吸ってびしょびしょだった
テン場にした辺りには濡れた薪しかなく、火をおこそうと2時間頑張ったがギブアップ
たき火なしの晩となった
25日 今回はシュラフを持ってきたせいか
寝るときに防寒具を着なくてもそんなに寒くなかった
昨日濡れたものは全く乾いていないのでザックは重くなった感じだが
青空が広がっているので気持ちよく小滝を登っていく
沢筋を忠実にたどり、小さな壁が出てきたところで右の藪に突入
右の小尾根伝いに行こうかと思ったが
藪がひどいためさらに右の沢筋に出て上がっていくと、頂上の真横に出た
頂上は明るい陽光がいっぱいで、濡れた服が一瞬で乾いていくよう
しばらくまったりし、人でいっぱいの宝剣を越えて、上松Aを下山した
北ア・笠ケ岳のライチョウ8羽の群れ 20210911
先日の笠ケ岳で、ライチョウの群れと出会った
最初、登山道近くで1羽がいるのを見つけ
そっと近づいて行くと
野草の咲く荒れ地に8羽がうずくまっていた
うち2羽はやや体が小さく
今年誕生した若鳥のようだった
ライチョウ研究で有名な中村浩志信大名誉教授などの論文によると
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjo/67/1/67_69/_pdf)
10~3月には大きな群れになるが
4~9月は8羽未満の群ればかりだったとのこと
笠ケ岳で見かけた8羽の群れは越冬準備に入っているのかもしれない
間近で1時間ぐらい観察し続けたが
ライチョウたちは私など気にせず
マイペースに毛づくろいをしたり餌をついばんだりしていた
そのうち
とりわけ体の大きい1羽が大きく体を震わせたかと思うと
ふんをした
移動した後にふんを触ってみるとほんのり温かく
少し粘りけがあった
においはなかった
北ア・笠ケ岳穴毛谷三ノ沢~笠谷右岸支流(敗退) 20210910~11
【形態】単独
【対象】沢登り
【特徴】10年ほど前に登った三ノ沢を再訪。上部に雪渓は残っていなかった。滝場は水量豊かでシャワーを浴びながら登った。10日夕方から11日朝は雨が降り続いたため、笠谷右岸支流の沢登りは中止し、頂上往復でお茶を濁した。
【日程】2021年9月10~11日
10日 新穂高(1050m)5:30~7:50三ノ沢出合~12:30ビバーク地点
11日 ビバーク地点6:30~7:30頂上~クリヤ谷~新穂高
10日 前日まで大雨が続いたため、左俣谷は水が轟轟と流れている
穴毛谷は対岸に渡れるだろうかと心配になる
林道を終点まで行くと、案の定、穴毛谷もすごい水量
歩き用のアプローチシューズはできるだけぬらしたくないので
クライミングシューズに履き替えて、膝ぐらいまで水流に漬かって渡った
二ノ沢から三ノ沢の間で右岸から左岸に渡るところも難儀した。
三ノ沢の水量も豊富。だが、しばらく登ると伏流水となり
ただのガラ場登りになる
後ろから真夏並みの日差しに照らされ
熱くて暑くてしょうがない
喉が渇いたが、荷物を軽くするため水は全く持っていない
ちょうど休んだ日陰に野いちごがなっていたので
むしゃむしゃ食べて渇きを癒やした
以前登った時は雪渓を避けて登ったが
今日は雪渓は跡形もない
すると、上部の滝場が見えてきた
滝場の下に水がたくさん流れていたのでがぶ飲み
滝は4つほどあり、シャワーを浴びながら登って行く
最初と最後の滝がアルパイングレード3級ぐらい
最初の滝は落ち口にあるガバがグラッと動いたので肝を冷やした
滝場が終わり、草付きとなるところで
プラティパス2つ分4リットルぐらい水を汲んだ
足が滑らないよう気をつけながら、急斜面の藪こぎで稜線まで
いつものビバーク地点に移動しテントを張った。
夕方から雲行きが怪しくなり雨になった
11日 朝も強い雨が降り続いている
これじゃあ笠谷を降りていく気にならない
しばらくシュラフの中でグダグダした後、今日は無理と判断
頂上まで行って、クリヤ谷を下山した
クリヤ谷のブッシュは昨年よりさらにひどくなっていた
北ア 4峰正面壁北条・新村ルート 20210828~29
【形態】友人と2人
【対象】岩登り
【特徴】前穂東面クラシックルートは6年ぶり。4峰は8年ぶり7、8回目。北条新村は遙か昔に登ったことがあるが、残置ピンがかなり痛んできているのが目に付いた。ハイマツテラスビバークで小雨に降られたが、日の出の眺めは最高だった
【日程】2021年8月28~29日
28日 上高地(1500m)5:30~10:00奥又白池(2475m)10:30~12:30 4峰北条新村ルート取り付き~14:20ハイマツテラス
29日 ハイマツテラス6:00~11:00終了点~3・4のコル~13:40頂上13:50~~16:35上高地
28日
沢渡から始発バスに乗り上高地まで
最近はほとんど歩きかチャリでの深夜入山だったので、バスは久しぶりだ
コロナ禍のためか、3週間ぶりの晴れの週末にしては入山者が少ない
徳沢までは一般道。縦走などの登山者たちがセカセカと足早に追い抜いていく
あんなに急いでどこまで行くのだろう?
新村橋を渡り、中畠新道取り付きで水飲み休憩
ここからの尾根登りは灼熱地獄で、汗だくになって奥又白池着
しばらく休憩後、水をプラティパス2つ分計5リットル汲んで再出発
ザックがずしりと肩に食い込む
奥又白池からのトラバース道はブッシュで隠れ気味だった
コロナ禍でクライマーがあまり入っていないからだろう
ガラ場に降り、そこから5・6のコル方面の踏み跡と別れて
落石に気をつけながら、B沢の真下に当たる沢筋に沿って上がっていくと
雪渓を通らずに、安定してC沢に入れた
大きなチョックストーンの下を右のルンゼ方向に進み
踏み跡をたどってT1へ
そこから浅いガリーが上へ続いており
出だしの岩には残置ハーケンもあった
過去に2度、取り付きを間違え
1度は松高ルートに、もう1度は甲南ルートに行ってしまった
でもこんなに明瞭なルートを2度もなぜ見落としたんだろう?
そう思えるほど分かりやすい取り付きだった
T1で準備をしていると雲行きが怪しくなり雨がパラパラと降り出した
今日は一日晴れ予報のはずだったが、
今日のパートナーが契約しているヤマテンだと
穂高の主稜線は午後雨予報だとか
よく当たる天気予報だこと、、、
1Pと3Pは私、2Pは友人と、つるべでサクッと登り
ハイマツテラスにツエルトを張った
テラスは思っていたより傾斜があり
残置ピンなどでロープを張ってセルフを付けて寝た
小雨は日暮れまで降り続いたが、夜になったらきれいな半月が出た
29日
2日目は快晴
いきなりハング帯からスタート
4、5Pは私、6Pは友人がリードし上部の緩斜面へ
4P目はエイリアンが各所で効いた
一番大きなハングでは
タッパがない人には次のピンが遠い
幅の狭いクラックに緑エイリアンをはめてアブミをかけたが
ここは小さなカムを持って行った方が良いだろう
ハングを越えた後の4、5Pにまたがるトラバースは
高度感があってカムが使えるクラックがあまりなく
緊張感満点だった
緩傾斜帯でロープを解き歩いて3・4のコルへ
北尾根3峰はロープなどいらない簡単な岩場だが
パートナーはカムを付けながら登りたいというのでロープを付けた
2峰の下りも簡単にクライムダウンできるが
パートナーが懸垂を楽しみたいというのでロープをセット
こういうところをロープなしで一歩一歩確実に(素早く適当に)
行けるようになると時間短縮になるのだが、、、
そこからわずかな登りで久しぶりの前穂頂上
たくさんの登山者がまったりしていた
われわれは最終バスまで時間がないので
サクッとガチャ分けをして
サクッと養分を取り
岳沢小屋泊まりと思われる登山者をどんどん抜いて早足で下山
最終バスの発車10分前に上高地に到着した
自宅に戻って3日後
右足ふくらはぎの裏に妙な出っ張りがあるのに気づいた
「これは! やばい」と思い
翌日、皮膚科に駆け込むと、思った通りのマダニだった
上高地~ハイマツテラスと前穂頂上~上高地は暑かったこともあり
半ズボンで上り下りしたためだ
でも北アルプスの高山地帯にもマダニが進出していることに
温暖化が予想以上に早く進行していることを実感した