明日はどこへ

漂泊の記録

北ア 4峰正面壁北条・新村ルート 20210828~29

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【形態】友人と2人

【対象】岩登り

【場所】長野県松本市の4峰正面壁~前穂高岳(3090m)

【特徴】前穂東面クラシックルートは6年ぶり。4峰は8年ぶり7、8回目。北条新村は遙か昔に登ったことがあるが、残置ピンがかなり痛んできているのが目に付いた。ハイマツテラスビバークで小雨に降られたが、日の出の眺めは最高だった

【日程】2021年8月28~29日 

28日 上高地(1500m)5:30~10:00奥又白池(2475m)10:30~12:30 4峰北条新村ルート取り付き~14:20ハイマツテラス

29日 ハイマツテラス6:00~11:00終了点~3・4のコル~13:40頂上13:50~~16:35上高地

 

 

28日 

沢渡から始発バスに乗り上高地まで

最近はほとんど歩きかチャリでの深夜入山だったので、バスは久しぶりだ

コロナ禍のためか、3週間ぶりの晴れの週末にしては入山者が少ない

徳沢までは一般道。縦走などの登山者たちがセカセカと足早に追い抜いていく

あんなに急いでどこまで行くのだろう?

新村橋を渡り、中畠新道取り付きで水飲み休憩

ここからの尾根登りは灼熱地獄で、汗だくになって奥又白池着

しばらく休憩後、水をプラティパス2つ分計5リットル汲んで再出発

ザックがずしりと肩に食い込む

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灼熱の登り

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崖の上にニホンカモシカがいた。「おーい」と声をかけると、どこから声がするのかと振り向いた(笑)

奥又白池からのトラバース道はブッシュで隠れ気味だった

コロナ禍でクライマーがあまり入っていないからだろう

ガラ場に降り、そこから5・6のコル方面の踏み跡と別れて

落石に気をつけながら、B沢の真下に当たる沢筋に沿って上がっていくと

雪渓を通らずに、安定してC沢に入れた

大きなチョックストーンの下を右のルンゼ方向に進み

踏み跡をたどってT1へ

そこから浅いガリーが上へ続いており

出だしの岩には残置ハーケンもあった

過去に2度、取り付きを間違え

1度は松高ルートに、もう1度は甲南ルートに行ってしまった

でもこんなに明瞭なルートを2度もなぜ見落としたんだろう?

そう思えるほど分かりやすい取り付きだった

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8月末だけに雪渓は小さかった。左端を登り、C沢に入った

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C沢の途中から右のルンゼに入る

T1で準備をしていると雲行きが怪しくなり雨がパラパラと降り出した

今日は一日晴れ予報のはずだったが、

今日のパートナーが契約しているヤマテンだと

穂高の主稜線は午後雨予報だとか

よく当たる天気予報だこと、、、

1Pと3Pは私、2Pは友人と、つるべでサクッと登り

ハイマツテラスにツエルトを張った

テラスは思っていたより傾斜があり

残置ピンなどでロープを張ってセルフを付けて寝た

小雨は日暮れまで降り続いたが、夜になったらきれいな半月が出た

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1P目

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2P目

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ハイマツテラスで憩う

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テラスの朝焼け



29日

2日目は快晴

いきなりハング帯からスタート

4、5Pは私、6Pは友人がリードし上部の緩斜面へ

4P目はエイリアンが各所で効いた

一番大きなハングでは

タッパがない人には次のピンが遠い

幅の狭いクラックに緑エイリアンをはめてアブミをかけたが

ここは小さなカムを持って行った方が良いだろう

ハングを越えた後の4、5Pにまたがるトラバースは

高度感があってカムが使えるクラックがあまりなく

緊張感満点だった

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4P目のハングを越えて

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5P目も高度感満点

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6P目

緩傾斜帯でロープを解き歩いて3・4のコルへ

北尾根3峰はロープなどいらない簡単な岩場だが

パートナーはカムを付けながら登りたいというのでロープを付けた

2峰の下りも簡単にクライムダウンできるが

パートナーが懸垂を楽しみたいというのでロープをセット

こういうところをロープなしで一歩一歩確実に(素早く適当に)

行けるようになると時間短縮になるのだが、、、

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北尾根3峰

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快晴の頂上

そこからわずかな登りで久しぶりの前穂頂上

たくさんの登山者がまったりしていた

われわれは最終バスまで時間がないので

サクッとガチャ分けをして

サクッと養分を取り

岳沢小屋泊まりと思われる登山者をどんどん抜いて早足で下山

最終バスの発車10分前に上高地に到着した

 

自宅に戻って3日後

右足ふくらはぎの裏に妙な出っ張りがあるのに気づいた

「これは! やばい」と思い

翌日、皮膚科に駆け込むと、思った通りのマダニだった

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上高地~ハイマツテラスと前穂頂上~上高地は暑かったこともあり

半ズボンで上り下りしたためだ

でも北アルプスの高山地帯にもマダニが進出していることに

温暖化が予想以上に早く進行していることを実感した

https://www.agrinews.co.jp/date/2021-06-16/10498