中ア・天竜川水系小黒川マナイタダラ沢右俣~将棋頭山 20230805
【形態】単独
【対象】沢登り
【場所】長野県伊那市の桂小場登山口(1270m)~将棋頭山(2730m)
【特徴】コロナ陽性によるしばらくの静養の後、久しぶりの山。普通の登山道でも息が十分に吸えない感じで胸が苦しかった。後遺症なのかも。地形図によると、この沢は支流がたくさんあるが、その中でも右俣は最も大きそうな谷。行ってみると適度に滝があって面白かったが、上流部に高さ60mはありそうな大滝があって、さらに滝の左岸右岸とも扇状に岩場が続いていて、ぼう然としてしまった。何とかうまくまけたから良かったが・・・。
【日程】桂小場5:10~6:30マナイタダラ沢出合~右俣7:30~9:40大滝~12:00登山道12:40~13:40頂上14:00~16:10桂小場
桂小場から出発するのは昨秋の将棋頭沢に続き2度目
駐車場が混むことを予想して早めに着いたが
意外にもあまり混んではいなかった
若干の仮眠の後、明るくなってからスタート
林道を終点まで歩き、沢に降りるとすぐに巨大な堰堤にぶつかる
2本スリットが入っており歩いて抜けられるかと思って見たが
上流部にハング状の岩が連なっており断念
右岸の階段を上り下りして上流へ
沢が狭まってくると小さな滝が2、3続き
簡単に越えていく
すると右岸に顕著な支流が合流していた
マナイタダラ沢の出合だ
同沢を行くとすぐに小滝が続き
大きく左にカーブすると
10mぐらいの滝が2つ続いているのが見えた
ザックを置いて探ってみると
下段の滝は登れそうだが
上部のナメ滝はツルツルで無理そう
おとなしく巻くことにする
しかしまくのはなかなか大変
急斜面を下りるなどして右俣と左俣が別れるところに出た
左俣には小滝が2つ
右俣はガレの斜面になっている
地形図を見ると
右俣と左俣は上流で近づいて
中間の尾根を簡単に越えられそうな感じ
もし左俣の小滝2つを同時にまいてしまっても
上流部で尾根を越えて右俣に出られそうだ
左俣と右俣の合流部に降りるのはルートファインディングが難しく
そちらの方が合理的にも思える
さて
右俣を進むとまっすぐ下に落ちる小滝を巻いて
ガレ場を進むようになる
沢が右に曲がっていくと日が当たって気持ちが良い
ところどころ滝があって飽きさせない
今度は左にカーブしていくと徐々に傾斜が急になり
ゴルジュの中に滝が続くようになる
すると巨岩でふたをされた滝が出てきた
シャワーを浴びて巨岩の下に入ると
水流のないヌメヌメのスラブを行くか
激流に抗ってワイドクラックを登るか迫られる
どちらにしても苦しそう
考えた末、ちょっとした工夫で簡単に越すことができた
そのすぐ上にはトイ状の滝
簡単そうに見えたが
取りついてみると傾斜がありナメ状で
気合を入れて越えた
上流部をまっすぐ見渡せる場所に出たら
ゴルジュのずっと奥に巨大な滝が待ち構えているのが見えた
えっ、えっ?あれは何?
そんなの地形図に書いてないじゃんって独り言を言っても始まらない
左右の斜面でまいて上がれそうな斜面を探しながら近づいていく
大滝は高さ60mぐらいだろうか
逆層の壁にトイ状の割れ目が入り
そこを水が流れている
思ったより傾斜は強くなく
パートナーがいればロープを結んでトイ状を登れそうではある
今夏のような猛暑にはあまり水も冷たくないから最適かもしれない
今日はもちろんまくことにするが
左右の壁は扇状・ハング状に広がっている
どこからまけそうか
右かも、いや左だろ
何度も行けそうなところを見出そうとするが
なかなか決められない
うーん、そんな時は靴を飛ばして裏表で決めよう・・・
ということでまき始めたら
ハング岩が何段かになった細い回廊なようなところに動物の足跡があり
「ここだ、これについていけば岩場を抜けられる」と小躍り
ズルズルの急斜面を横切ると
岩の積み重なった急な尾根に出て
それを上がっていくと大滝の上に出られた
ほー、良かった
その上の小滝をいくつか上がると左右に分かれる
これは右だろうと進み滝をいくつか越える
ふと左の草地の中に赤いものが見えた
なんだろうと近づいてみると
空気の抜けた風船
広げると、子どもが出店で買ってもらうようなものだった
まだ中に若干ヘリウムガスが入っていて穴は開いていない
伊那市内から飛んできて
気温の低い高所でしぼみ墜落したのか
ともかく
ごみを放置してはいけないので回収
ザックに入れた
そこからしばらく上がるとやぶ漕ぎになり
背丈を越えるハイマツを5分ほどで西駒山荘方面への登山道に出た
そこで沢服と沢靴をチェンジ
将棋頭山の頂上を越えて
土砂降りのなか下山した