明日はどこへ

漂泊の記録

北ア・笠ヶ岳穴毛谷二ノ沢中ノ右俣~笠谷(敗退)20221001~02


【形態】単独

【対象】沢登

【場所】岐阜県高山市北アルプス笠ヶ岳穴毛谷二ノ沢

【特徴】ガラ場を気持ちよく登っていける。予想以上に日が短く、ササが生い茂ったクリヤ谷を薄暗くなってから下るのは危ういと思い、笠谷に入るのはやめてさっさと下山した

【日程】▽1日 槍見4:50~穴毛谷最後の堰堤6:00~7:30三俣~中ノ右俣~滝場9:30~11:50稜線12:30~13:00テンバ

▽2日 テンバ5:30~6:30頂上~テンバ~13:30槍見

 

【1日】

新穂高の登山者無料駐車場に午前2時過ぎに着いたが

紅葉ハイシーズンということもありもう満車

槍見に戻って駐車し、車道を30分予定に歩いて入山した

左俣谷から林道を分かれて穴毛谷へ

二ノ沢に入るのは中ノ左俣から奥壁に登って以来となる

最後の堰堤を越えると左のゴーロに入る

ゴーロを延々と歩いていくと、左に一尾根の岩場が近づいてくる

まもなく滝が出てくるが脇から越えられる

右が二ノ沢へ。左は一ノ沢

 

一尾根の岩場が近づく



滝を越すと間もなく三俣

そこを真ん中に進むと正面に奥壁が見えてくる

続く二俣で右の中ノ右俣へ

傾斜は急になり

水流も心細くなる

テンバ予定地には水がないので担ぎ上げる必要がある

2120m付近で水流は途絶えるが

まあ、上の滝場では流れているだろうと予想し上へ

その付近には遭難者のものと思われる古いキスリングが落ちていた

水のない小滝をいくつか越すと岩場にぶつかった

三俣を真ん中に向かって進む

正面に奥壁。右の中ノ右俣に進む

ぼろ布になった古いキスリング

上に滝場が見えてきた

岩場を越えて上へ

岩場の基部に着いたが水は出ていない

残念、先ほどの最後の水源まで戻るしかない

空にしたザックにプラティパス2つだけ持って下降

標高差で100mほど下ったところの右岸に水が出ていたのでくみ

再び岩場基部まで上がる

 

さて、岩はどこから登れるだろうか

こういう時はよーく観察

チムニー状の部分が登れそうだが、上に行くほど傾斜がきつくなりそう

上まで行けるか分からないが

ライミングシューズに履き替え、フリーで取りつく

水4キロ分が重くなったザックが肩に食いこむ

下部は段々になっており簡単

チムニーに入ると岩くずが詰まっている

ばんばん落としながら登る

一度、土砂の塊が、左足を乗せた途端にずぼーんと抜け落ち

右足のキョンだけで何とか持ちこたえた

あーやばかった

上部の緩傾斜帯に這い上がり一息ついた

アルパイングレード3級

チムニーから上のスラブへ

 

岩場を越すと稜線が近づいてきた

ふりかえると、谷の向こうに穂高が見える

youtu.be

この辺りは奥壁とドームに囲まれた岩の天国

登れたら気持ち良さそうだな

いくつか簡単な岩場を越すと上部の草付きへ

草の間には不安定な岩があり侮れない

ふーふー言いながら稜線まで

稜線上の縦走路から歩いて10秒ぐらいのところに

快適そうな岩小屋があった

整地してあり、昔の岳人たちが使ったのだろう

さらにいくつか岩場を越していく

草付きでふーふー

もうすぐそこだ

快適そうな岩小屋発見

昼前からガスに覆われた

稜線から見下ろすと穴毛谷の本谷が見えた

しばらく休憩し、いつものビバーク地点へ

途中、下山中の軽装登山者2人と行き違う

草原のビバーク地にテントを張りまったり過ごした

午後はずっとガスの中だったが

夜遅くになってやっと雲がなくなり星空が見えた

 

【2日】

今日は笠谷を800mぐらい降りて右岸支流を登る計画だが

予定通りに出発するかどうかで迷っていた

昨日は16時半には薄暗くなった

10月だから当然といえば当然だが

もし遅くなった場合

ササが生い茂ったクリヤ谷をラテの光だけで下りられるだろうか

うーん

来年の夏に出直そうと思い敗退を決定

手ぶらで頂上を往復し、テントを回収

クリヤ谷で案の定なんども道に迷い

やっとのことで錫杖の岩小屋までついた

このまま整備しないと

来シーズンには廃道になってしまうだろう

残念だ

テンバからの日の出

手ぶらなので標識に手袋乗せて記念写真

クリヤ谷のササ薮は去年よりひどくなっていた。整備しなければ当然か

ちなみに去年の同じ場所。黄色テープの隠れ具合が年々ひどくなっている