台高 吉野川水系本沢川釜ノ公谷~1572m峰 20210611
【形態】単独
【対象】沢登り
【場所】奈良県川上村の吉野川水系本沢川釜之公谷~無名峰(1572m)
【特徴】下部は巻き道に踏み跡や残置ロープがあり興ざめ。この巻きで滝の上に抜けられるのだろうかという沢登り特有のドキドキ感はない。上部は自分で考えながらのルート取りができる。
【日程】2021年6月11日
本沢川に沿った林道筏場駐車場(477m)5:00-5:45釜之公谷出合(490m)6:00―6:30最初の大きな滝~10:20二俣に分かれた滝~11:45最後の巨大な滝(1140m)―12:15上部のガラ場(1220m)12:25―13:15 1572m峰13:45―14:40大台辻―17:30駐車場
筏場という名の駐車場は
細い林道の先にあるにしては20台ぐらい駐められそうな大きさで
舗装もしてある
日帰り予定なので
暗いうちに出発するつもりだったが
完全に夜が明けてからの出発になってしまった
しかも筏場駐車場の場所が地形図に書いていないため
すぐのところの左岸にある支流が何沢なのか分からない
川岸に下りる歩道の方面に行けばいいのか
支流に沿った林道をそのまま進めばいいのか?
とりあえず林道をそのまま歩いて行くが
いつまでたっても南向きのまま
途中でこの道は違うなと思いUターン
先ほどの川岸に下りる歩道の方面に行くと
支流の出合を右岸に渡れた
この支流は白倉又谷と思われた
そのまま歩道をしばらく歩くと吊り橋があり
そこが釜之公谷の出合に思われた
吊り橋の上でウェットに着替えすぐ入渓、、、と行きたいところだが
トポは持たない主義のため
高い吊り橋からどうやって河床に下りれば良いのかウロウロ
吊り橋から見える両岸は高い岩壁が続くが
わずかに低そうに見える方から巻いていくと
踏み跡があり残置ロープもあった
最初の釜は意外に深くいきなりの泳ぎ
水は冷たく震え上がった
梅雨とは言え雨がまだそんなに降っていないため
コケが付いた岩はよく滑るため気をつけて行く
すると、深い釜のある高さ10mぐらいの直瀑が出てきた
周囲は壁に囲まれている
うーん、どこから巻くのだろう、、、
かなり急斜面だが釜の目の前を
木の根っこを伝ってよじ登ることにした
途中、木の根に引っかかった直径20センチぐらいの砕石を落としたら
釜にドッボーンと落ちて大きく水がはねた
根っこが切れたらあんな風に自分が落ちるんだろうなあと思ったが
何とか無事に上部の緩斜面にたどり着いた
そこにはまた残置ロープがあった
そこからも次々滝が出てくるが全体に滑りやすい
巻いたり、滝を登ったりして越えていく
再び10mぐらいの直瀑
これも周囲は壁に囲まれ巻きにくそうだ
ガサガサのルンゼを登って行くが
段差があるところで行き詰まった
手を伸ばした30センチぐらい先に丈夫そうな木があるが
足が滑りそうでそれ以上体を伸ばすことができない
カラビナを付けたスリングを投げ
何とか木に巻き付けて安全を確保したがかなり緊張した
その先は岩壁になっており
5、6mの懸垂で滝の上部に下りた
この滝はもっと安定した巻きができたのだろうか?
二筋に分かれた滝がいくつも出てくるようになり
シャワーを浴びないと上に行けそうもなさそうな滝は
ちょっと工夫して岩を登り
水浴びしなくて済んだ
右岸に支流が分かれる所にある滝は
流れの左側の岩を登ったが
手がかりのない完全なスラブ
滑らないように慎重に登った
その上は50mぐらいの大きな滝
途中までは登って行けそうだが
コケでよく滑るので安全策を取って最初から巻き
でも小さく巻こうとしたら笹藪に突入してしまい汗だくになった
この大滝の上はガラ場で
沢は幾筋かに分かれている
標高は1200m超だが
稜線までまだ300m以上ある
ガラ場を登って行くと水が切れ
まだまだガラ場が続きそうだったので左の斜面に逃げ
登り続けると草原状の1572m峰に出た
ここはドコモが通じたが、ソフトバンクは通じにくかった
時間が押しているので
草原に付いている薄い踏み跡を東へたどり
途中からは幅1mぐらいの歩きやすい遊歩道になって大台辻着
古道の筏場道は途中で崩壊して通行止めと聞いたため
稜線伝いに下りて、下部で筏場道に合流する計画
大台辻から北方に台高主稜線を歩き
1250mピークの次のコルから北~北北西方面の藪尾根を下りていく
ところどころ藪がひどかったり岩場があったりして
大きく回り込むと
誤って別の支稜に入ってしまい戻ることが何回かあり
下りていくのに時間がかかる
955mピーク付近で左手下すぐのところに歩きやすそうな筏場道が見え
稜線伝いはもういやということで筏場道に下降
そこからも数カ所で崩れていたが
大した悪場はなく
明るいうちに筏場の駐車場に着いた
こんなことなら藪尾根の稜線など歩かずに
大台辻から筏場道をずっと下りれば良かったと後悔した