明日はどこへ

漂泊の記録

八ケ岳 上ノ権現沢 20210117

 

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ツルネから見た天狗尾根

【山行形態】友人と2人

【対象】アイス、ラッセ

【場所】山梨県北杜市の八ケ岳上ノ権現沢

【日程】2021年1月17日

美し森駐車場(1470m)5:45

6:50出合小屋(1830m)7:10

11:10大滝

14:00ツルネ(2550m)14:20

17:30美し森

 

【特徴】上ノ権現沢はずっとラッセルで、氷は随分埋まっていた。氷は斜めっていて簡単で、ロープもスクリューも使わなかった。

 

【記録】暗い中、出発。駐車場には関西ナンバーの車が1台。出合小屋泊まりで入っているのだろう。そんなに寒くはなく、上着はすぐ脱いでフリースで林道を行く。林道上には雪はほとんどない。こんなに雪が少ないと、氷は十分出ているかもと期待が高まるが、あとで裏切られることになる。途中、何度も獣臭さが漂った。雪面にはシカの足跡だらけで、そこらじゅうにいるのだろう。林道から河原に踏み跡が下りていくと、ところどころトレースは消えている。昨日の低気圧で新雪が降ったか、風が強かったとみられる。でも、数年前に天狗尾根に1人で来た時より赤テープは格段に増え、迷いようがない。堰堤には新しいパイプはしごも付けられ、まるで縦走路のようだ。

一汗かいて出合小屋着。小屋の中にはテントが張りっぱなしで、関西ナンバーの主はどこかへ向かったようだ。もう7時だもんね、当然か。適当に休んで、再度出発。先行パーティーは権現沢の方に向かっており、ツルネ方面はすぐにラッセルになる。こんなに雪が深いと途中敗退かもという予感がよぎる。でも上ノ権現沢に入ると、先週ぐらいの薄いトレースが出てきてほっとする。すぐに1つ目の氷。今シーズン初アイスだが、ちょっと氷がしょぼすぎる。サクサク越える。その後、氷のない岩場がいくつか出てきて、フッキングで越えていく。うち1カ所は出口の岩がハング気味で高さも7~8mはあり、なかなか渋い登り。その後もいくつかしょぼい氷が出てきた。

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1つめの氷

  

 夢幻沢との二俣とみられる場所で、先週のトレースは左方面に向かって行き、上ノ権現はノートレースになった。途端に膝、太もも、場所によっては腰ラッセルに。昨日、少し雨が降ったようで表面はカリッと凍り気味だが、中はすかすか。踏んでも踏んでも固まらず難儀する。両岸が立ったゴルジュを通っていくと顕著な二俣になった。さて右か左か、どちらに行くのだろう。こういう時は、沢登りと同じで試登するに限る。とりあえず左俣を登りやや見晴らしのいい場所に来てコンパスを当てると、沢は完全に西向きに上がって稜線近くまで行っているのが分かる。高度計と地形図で確認すると、沢は常に北西方向に向かっており、左俣はルートではないことが分かった。左右俣の合流点までいったん下り、右俣へ向かった。

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ゴルジュが美しい

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ハング岩をフッキングで越す

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 すると左右に小さな氷がついた枝沢がいくつか出てきた後、ちょっと大きな沢に高さ数十mの緩い氷があるのが見えた。たぶんこれが大滝だろう。どうみても高さは30mぐらい、傾斜は60度くらいしかないけれど・・・。これも適当に登ると、上部はさらにラッセルがひどくなる。

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ゆるすぎる大滝

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ずぼずぼはまりまくる

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稜線が近づいてきたら青空に

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 左右の枝尾根の樹木がだんだん疎になってきており、稜線が近いのが分かる。ラッセルがひどい沢筋から離れ、右の支尾根に上がり、そのままラッセルと続けるとツルネから東へ20mほどの稜線に合流した。大滝下から3時間近くもかかった。頂上からは赤岳から権現岳まで見えて気持ちがいい。しばらくまったりして、ツルネ東稜を下山。権現東稜を登ったとみられる先行パーティーのトレースがあり、下山は楽々。ちょうど暗くなるころに駐車場に着いた。