北ア 笠ケ岳 20201205~06
【山行形態】単独
【対象】雪山
【日程】2020年12月5~6日
<5日>
新穂高(1050m地点)6:30
11:10笠新道の抜戸南尾根乗越地点(2450m)11:30
12:30南尾根2600m地点
<6日>
テンバ6:10
抜戸岳(2813m)7:10
笠ケ岳8:50
11:00テンバ11:30
15:10新穂高
【特徴】これまで暖冬が続いているだけに、12月なのに雪の少ない北アだった
【記録】快晴の天気の下、新穂高を出発。左俣林道から笠新道に入ったすぐから雪がでてきた。こんな時季に笠方面に入る登山者はいないだろうと思っていたが、意外なことに数日前に下りてきたであろう足跡の上に新雪が乗り、さらに新しい複数の足跡が上に向かっている。今日もどうやら先行パーティーがいそうだ。
2000mぐらいから雪が増えてきた。上から男女の話し声が聞こえ、4人パーティーであることが分かる。だんだん雪は深くなるが、10年ほど前のこの時期に行った時のようにもなか雪でズボズボはまったりせずに比較的歩きやすいし、4人パーティーが踏み固めてくれるのでらくちんだ。南尾根を乗り越すところで4人パーティーに追いつき、あいさつを交わす。最近、沢登りばかりで重い荷物を背負ってなかったのでちょっとグロッキーだ。しばらく休むうちに天候が悪化。やや強い風も吹き始める。2日間の好天を前提に稜線まで行くつもりだが、この風で稜線では寒いだろう。ちょっと考え、南尾根のハイマツ帯最上部にテントを張ることに変更する。4人パーティーは最初、ルート取りを迷っていたようだが、南尾根の藪こぎを避けて、夏道に近い新雪斜面を登り始めた。10~15センチの新雪があるので、こちらはリスクを取らず、南尾根を忠実に登ることにする。2600mぐらいでハイマツ帯も終わりそうなのでテントを張った。西側に1m位のブロックを積んだが、時々突風でテントがひしゃげるので、飛ばされないようにスリングで補強した。そのころ、4人パーティーの姿が見えなくなった。どうやら稜線に上がったようだ。山荘までいくのだろうか。テントに入って天気予報を見ると、日本海の小さな低気圧がこれから近づいてくるようだ。穂高が目の前に見える絶好のテンバなのに残念だ。しかし夜遅くテントから出ると、すっかりガスはなくなり、真上を天の川が流れているのが見えた。明日は快晴が期待できそうだ。
翌日は4時半にゆっくり起床。気温は高くてテント内の結露はないし、風も弱くなった。薄明るくなったころに出発。山荘付近にラテの光が見え、4人パーティーはすでに動いているようだ。南尾根は寡雪のため、ブッシュがあちこちで出ており、稜線上の安定感もいまいち。左斜面をトラバースして抜けていくところが多い。雪庇がありそうなところや、岩場をよけて行くところに赤布を立てていく。抜戸岳頂上でちょうど日の出。真っ赤に燃える穂高が美しい。一瞬、太陽からまっすぐ上に光の筋ができるサンピラーが見えた。抜戸岳を下りる途中から笠ケ岳までの稜線は4人パーティーが昨日歩いたはずだが、強風でトレースは消えている。全くクラストしておらず、疲れる登り下りが続く。抜戸岩の真ん中にテンバを切った跡があり、4人パーティーがここで寝たことが分かる。稜線まで上がったらここでテントを張ろうと思っていたので、先に住民がいたらテントを張れなかった。稜線まで上がらなくて良かった。間もなく、今年3回目の笠頂上。微風快晴。冬とは思えない好天気だ。足跡から、4人パーティーはクリヤ谷に向かったようだ。今季は笹が生い茂っているので苦労するだろう。Uターンして抜戸岳まで戻る途中で、日帰りという男性とすれ違う。抜戸岳頂上から赤布を回収しながらテンバまで。テントも回収し、笠新道の途中で、日帰り予定で敗退した2人組を追い抜き、新穂高まで。この日はずっと天気が良く、2000mぐらいから下の雪はほぼ消えていた。