明日はどこへ

漂泊の記録

中ア・正沢川玉ノ窪沢~木曽前岳(2826m)20220911


【形態】単独

【対象】沢登

【場所】長野県木曽町の正沢川玉ノ窪沢~木曽前岳

【特徴】河原歩きが嫌というほど楽しめる沢。もう水は冷たく、今シーズンの沢登りの終わりが近づいてきた。

 

▽11日 長野県木曽町・コガラ登山口(1335m)5:50~7:10玉ノ窪沢出合(1735m)7:20~8:50大滝9:00~9:40大滝上~12:20登山道~13:00木曽前岳(2826m)13:30~16:30コガラ

 

登山口にはたくさんの車が止まっている

木曽谷側の登山口の中でも

林道歩きがないコガラは人気が高いようだ

歩き出してすぐに福島Bコースと分かれ

茶臼岳方面の林道を進む

近年の大雨で林道は中心部がえぐられ無残な形状になっている

正沢川の渡渉点で前の登山者に追いつくとほぼ同時に

後ろからトレランの人が追い付いてきた

このルートは人があまり歩いていないから

気兼ねしなくていい分

倒木や下草が多く走りにくいだろう

2人と分かれて河原を西に向かう

 

河原は延々と続く

巨岩と小滝がある地点では

左岸の草付きに踏み跡らしきものがあった

ただただ歩いていくと

本流が大きく屈曲する地点で左岸から玉ノ窪沢が合流していた

初めての大きな支流なので見落とすことはないだろう

 

玉ノ窪沢に入ってもしばらくは河原

小滝があるが水は冷たく

浴びながら登りたくない

 

すると両岸がだんだん立ってきて

真ん中に巨石のはまったゴルジュが登場

水浴びは必至とみて

雨具を着込んでクライミングシューズに替えた

壁のフリクションはいいがスタンスは細かい

巨石の上に上がると上部もゴルジュが続いているのが見える

しかし滝はないようだ

そのまま壁をへつって上流へ

北向きの沢なので日当たりは悪く

太陽の温かみをなかなか享受できない

本谷との合流地点から見た玉ノ窪沢

ゴルジュにはまった巨岩を越していく

大きな滝が前方に見えてきた

youtu.be



いくつか小滝を越すと

前方に大きな逆層の滝が見えてきた

滝上部右側にはクラックがあり登れそうに見えるが・・・

そんな無理をすることはないのでまくことにする

でもどこから巻けるのだろうか・・・

滝の手前で左右から細い支流が合流しているが

巻けそうなのは片っぽしかない

その支流を少々登ると

上部から真っ黒になったロープが残置されているのが見えた

その付近は壁が立っており

まくのに適した場所ではない

さらに支流を上がり

ぐずぐずの斜面と腐った灌木が林立した急斜面をトラバースして

大滝の上流に降り立った

その1990m地点ではさらに右岸から顕著な支流が合流していた

大きな滝の上流に降り立つと、さらに左岸から支流が合流していた

流れはそのあたりから傾斜を増す

徐々に滝が多くなるが

難しい滝はない

左右に支流を分けるとブッシュが多くなり

登っていくのに時間がかかるようになった

すると突然伏流水になり

ゴーロの上で密集したやぶ漕ぎになった

あれ、流れを間違ったかな?

と思い、コンパスで木曽前岳との方角を確かめてみるが

間違ってはいないようだ

前方に木曽前岳が見えてきた

赤い実がたくさんなっていた。味はほとんどない。付近には自然のブルーベリーもたくさん自生。そっちは酸っぱくておいしかった


しかし行けども行けども薮ばかり

耳を澄ますと

遥か左手の方角から水音が聞こえる

伏流水はどこへ行ってしまったのだろう

しょうがないので上に向かうのをあきらめ

水音がする方にやぶ漕ぎトラバース

やっとのことで水流が見える地点に復帰

どうも左の方の支流をたどらなければいけなかったようだ

やぶ漕ぎで1時間以上のロスをしてしまった

やぶ漕ぎ1時間。やっと流れに復帰できた

どこがピークかわからない木曽前岳


いくつか小滝をたどると水が減り平坦地に出て

まもなく福島Bの登山道に合流した

そのまま登り続け木曽前岳の頂上に到着した

いくつか小ピークがある広い頂上だが

標識がどこにあるのか分からなかった

小休止の後、福島Bをコガラまで下山した

苔の花?胞子?

 

台高・櫛田川水系蓮川布引谷川 20220828

水量の多い布引滝。迫力がある

 

【形態】単独

【対象】沢登

【場所】三重県松阪市櫛田川水系蓮川布引谷川~迷岳

【特徴】

諸事情でしばらく山に行けなかったが

久しぶりに台高の沢に足を向けた

布引谷川は10年ほど前の梅雨時以来2度目

雨が多い夏だけあって、前回より迫力ある布引滝を見られた

下りは布引谷出合に出る尾根を降りたが

薮が多く消耗した

 

【日程】

出合(300m)5:40-7:40トイ状の見栄えのする滝-9:20布引滝

ー12:20稜線13:00ー13:40迷岳(1309m)-16:30林道-16:50出合

 

駐車スペースからゴルジュにつけられた金属製の橋を通り堰堤へ

堰堤を越すと、すぐに1つ目の滝

水が少なければ泳いで取りつくところだが…

へつったら滑りやすくて肝を冷やした

すぐ上の滝は巻いた

その後はナメと平坦な緩やかな流れが続く

河原状のところを歩いていくと

右岸が派手に崩れていた

橋の上から見た滝とゴルジュ

最初の滝。滑りやすかった

右岸の崩壊地点


そこを越すと流れがやや急になり

シャワーを浴びながら登っていく

すると30mぐらいのトイ状の滝が出てきた

水が多いので見栄えがする

もちろん巻いて上へ

トイ状の美しい滝



いくつか小滝を越えると布引滝にぶつかった

3段で高さは100m以上あるだろう

蓮川では最もでかい滝か

急な尾根状をたどってまいていくと壁にぶつかった

ルンぜ状の岩壁を登ったが

もっと大きくまいた方が安全だったかもしれない

傾斜が緩くなると杣道が出てきて滝の上に出られた

まくのに1時間ほどかかった

左岸に支流があるところには壊れた杣小屋もあった

 

壊れた杣小屋があった



そこからは緩いナメが続き

水が切れたら左の斜面に取りついて登ると

1285m峰に出た

濡れたウエットを着替えて迷岳へ

頂上は東西南北の沢から7度目

最近、登る人が増えているらしく

赤黄白のテープがやたら増えている

地図を読んで登るという基本が身についてなくても来れてしまう

どんどん台高らしさが失われていくのが寂しい

細々と続くナメ




下りは北方尾根を行き

930m地点先から北西方面にある尾根へ

700m前後で尾根がはっきりしなくなり

右にいったり左にもどったりする

600mぐらいまで来るとしっかりした尾根になり赤テープも出てきたが

薮が濃いところも

林道と布引谷橋が見えたらホッとした

930mから赤線の尾根を下りた

林道(下)と布引谷橋が見えた

 

 

中ア・木曽川水系伊奈川東川北沢~東川岳 20220702~3

 

【形態】単独

【対象】沢登

【場所】長野県大桑村木曽川水系伊奈川東川北沢~東川岳(2671m)

【特徴】大きな滝もほぼすべて登れる面白い沢。初日の午後に1時間半、雷雲に巻かれ、生きた心地がしなかった。つめのやぶ漕ぎは大したことはなく稜線に立てた。

【日程】

2022年7月2~3日 

▽2日 伊奈川ダム下ゲート(950m)4:40~6:00東川橋(1255m)~10:00登山道の渡渉点(1625m)~14:00 2050m二俣

▽3日 テンバ4:30~5:40 2310mの二俣~6:40縦走路~7:10東川岳~12:10伊奈川ダムゲート下

 

▽2日

伊奈川ダムゲート下の路肩には16台の車でいっぱいだった

予想外に早い梅雨明けで登山者の出足も早そう

歩き出そうとしたら和泉ナンバーの車の登山者3人組に

「半ズボンで行くんですか?」と尋ねられた

質問の意味がよくわからなかったが

沢登りなので林道で着替えるからと適当に応え歩き出す

 

歩きなれた伊奈川沿いの林道

とはいえ6~7キロの林道歩きが面白くないことに変わりはない

できる限り汗をかかないように行く

入渓地点の東川橋には「釣り人へ」という看板が置いてあった

上流で工事をやってて気を付けろという趣旨だが

北沢に入るまで工事個所はなかった

入渓地点の東川橋

最初は河原歩きだがすぐにゴルジュっぽくなり

5mぐらいの釜を持った3m滝に分ぶつかる

まだ水には漬かりたくないなあと思いながら釜の端を歩こうとすると

いきなり深みにはまり泳ぎになってしまった

何とか滝の上に這い上がったが

「厳しい谷なのかなあ」と気が重くなった

そこからもゴルジュが続くが

小滝だかりで簡単

一番難しいのは取水堰堤登りだった

合流点に見栄えのする滝のある左岸支流を2本やり過ごし

しばらく河原歩きの後北沢に入る

いきなり泳いだ釜と滝

取水堰堤を越える



いくつか小滝を越えると河原になり

両岸に赤テープが見えた

木曽殿山荘への登山道の渡渉点なのだろう

 

さらに行くと本流は東へと向きを変える

ゴルジュっぽくなり小滝が続くようになる

すると20mぐらいの滝

どこから登ろうかをしばらくラインを追うと

登れそうなところが見えてくる

簡単に、気持ちよく登れた

北沢に入ると小滝が続く




次は右から支流が合流する10mぐらいの直瀑

たぶん1800mの二俣付近だろう

「これは登れないかも・・・」と思ってすぐ下で滝を見つめると

これも登れそうなラインが見えてきて、簡単に越えられた

滝は真下でよく観察することが肝心だ

1800mの二俣。左へ

 

50mぐらいの一枚岩。どこから登ろうか

いくつか小滝を越すと

高離50mぐらいの一枚岩が立ちふさがった

地形図1900mの滝マークだろう

水流は岩壁の左側を落ちている

どこから登れるのだろうか

こういう時は観察、観察

ザックを置いて岩の下を右へ左へ

岩壁中央右の凹角が適度にホールドが続くように見えた

ここを登ることにした

中間部のレッジから下を見る。もう戻れません



傾斜の緩い下部は簡単

途中で突然ホールドがなくなる

右手の甘いカチ、右足の斜めスタンスで体を上げ

遠い左手のガバを取りレッジへ

今回、クライミングシューズを持ってこなかったのは失敗だった

この岩はスタンスが小さいところがあるので

ライミングシューズをはいた方が良かった

その上は明瞭はクラックがあるがバランスは悪く

高さがあるので思い切りがいる

中間部のバンドに慎重に這い上がった

アルパイングレード4級

複数で行くならロープを使った方がいいだろう

下部に錆びて斜めになった古い残置ハーケンがある

 

すぐ上には10数mの滝

ここも気持ちよく登っていける

小滝を無数に越えていくと

V字ハング岩が覆いかぶさった印象的な直瀑

これは登れないかも・・・と思ったが

しぶきをかぶるところまで近づくと

登れそうなラインが見えてきた

どの岩もヌルヌルでちょっともろいが登れた

アルパイングレード3級

V字状のハング滝が見えてきた

 

youtu.be

 

滝の上に立つとまた30~40mほどの高さがある扇型の滝が見えた

水流は2つあるので

たぶん2050mの二俣だろう

右の方が水量は多いので本流だ

さてどこから登ろうか

本流側は凹角だが水流が多く却下

支流側はぬめってそうだ

傾斜の緩そうな場所からスタート

だんだん傾斜が急になり

手にする岩手にする岩が剥がれ落ちるようになる

そんなときはできるだけ岩を引っ張らないように

マントル気味に体を上げていく

途中から右上

草付きを登り大きな木まで

アルパイングレード3級

すると雷鳴が比較的近くで聞こえた

2050 mの二俣にある大きな滝。これも登れる

雷雨の後で。もうビショビショ

これは雷雨が来るなと直感

時間は午後2時

どこか退避できる場所はないかと探すと

対岸にビバークにちょうど良さそうなテラスを見つけた

急いでそこにツエルトを張った

張り終わるのを待っていたかのように土砂降りの雨

ピカッ(稲妻)、バシンッ(落雷)、ドドーン(地響き)の連続

光った瞬間に落ちており

雷様までの距離は数10~300m

近くの木か岩に落ちて電気が岩の上を走ってくるのではないかと思えて

生きた心地がしなかった

 

1時間半後、やっとどこかに行ってくれて雨もやんだ

濡れたウエットのままでいたので寒くて震えがきていた

乾いた服にチェンジすると人心地がつけた

近くに薪もたくさんあるが

すべて水浸し

焚火はあきらめガスで水を沸かして飯を作った

ラジオの天気予報では明日は一日雨で午後は雷雨とのこと

天気が良ければ南駒まで歩く予定だったが

さっさと稜線まで登って、さっさと下山に変更することにした

 

▽3日

真っ暗な中起床

薄明るくなったころ出発した

小雨が降り続いているが

昨日の土砂降りにしては

沢の水は引いている

小滝をどんどん登り

2200mの二俣を右へ行くと

ゴルジュの向こうに稜線が見えた

ゴルジュは小滝が続くがどれも問題なく登っていける

途中でサンショウウオが2匹いるのを見つけた

背中の黄色い模様がきれいだ

捕まえようとするが

体がヌルヌルで元気がいいためすぐ逃げられてしまった

左の本流へ

こんなふうにほぼすべての滝を登っていける

2200mの二俣を越すと稜線が見える

サンショウウオを捕まえたがすぐ逃げられた

まだまだ続く

最後の滝。これは微妙だった


微妙な3mの最後の滝を越すと水はなくなった

2400mの二俣でどちらに行くか検討

どちらもハイマツ漕ぎが待っていそうだが

ひどい場合は冬に登った熊沢岳西尾根に逃げようと考え

左俣を選択

岩の斜面を追っていくと

やがてハイマツ帯にぶつかるが

背丈以上のやぶ漕ぎはほんの10分程度

あとは岩の上を登るか、背丈の低いハイマツを踏んでいくかで済み

2700mぐらいの稜線着

小雨もいつのまにかやんでおり

背後に御嶽山がきれいに見えた

2400mの二俣で左へ

高山植物が咲き乱れる斜面を登っていく

背後には御嶽山。手前は冬に登った熊沢岳西尾根

東川岳頂上では少し青空も見えた

木曽殿山荘のテラスで着替えさせてもらい

そのまま下山

帰りはずっと雨の中の歩きだった

 

東川岳頂上。一瞬だが青空も見えた



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

台高・宮川水系能谷~1150m無名峰 20220612

【形態】単独

【対象】沢登

【場所】三重県大台町の宮川水系能谷~無名峰(1150m)

【特徴】下部はゴルジュが続く。まくにしても、小滝を登るにしても微妙で、落ちたらただでは済まない。下りは楽ちんで、台高北部の中ではお勧めの沢かも

【日程】2022年6月12日 宮川第3発電所(289m)5:20~5:40能谷出合~11:45頂上(1150m)12:15~1143mP~14:15発電所

縦走路のつり橋をふりかえる

発電所にある登山者駐車場から

大杉谷方面の登山道を少しいくと

最初の吊り橋があるのが能谷

河原は平凡だが

すぐに右岸はほぼ垂直の壁が続くようになる

巨岩の間を落ちる小滝が続く

どれもホールドが全くなかったり

ぬめっていたりして小難しい

ほんの3、4メートルの滝でも落ちたらただでは済まぬ

周囲は壁でまくことも難しそう

ある滝では右側に入ったシンクラックを登ったが

乗越部分でホールドがなくなり冷や汗をかいた

用心のためエイリアンをザックから出しておくべきだった

おたまじゃくし模様が入った岩

両岸はぶったっている

すると5mと、7、8mの2つの滝の奥に

20mの大きな滝がかかるゴルジュにぶつかった

下の2つの滝は左岸の壁を利用していけば越せるかもと思い

へつって真ん中の滝の下まで行くと

左岸の壁の上部はハングしており微妙なクライミングになりそうと分かった

迷った末、大きく巻くことに変更

どんどん下りて行くが

巻けそうな斜面は見つからない

これじゃあ吊り橋まで戻ってしまうかもと思った時に

やっと登れそうな小尾根を見つけた

 

この尾根から

落ち葉だらけの急斜面を経由し

上部の緩斜面に

前日が雨だったため

斜面はどろどろで落ち葉は水を含んで滑りやすい

嫌なまきだと思っていたら

上部が赤色に塗られた棒杭が1本打たれていた

こんな不安定なところまで測量士が入ってきているとはびっくり

堰堤でも造るつもりだったのだろうか

youtu.be



20mの滝を越した後も小難しい5~10mの滝が続く

まきを選択することが増えるが

ほぼ人が入っていないためか不安定なまきが多い

まいた後に木を伝って下りた場所も多かったが

木が腐っていないか慎重に判断した

懸垂を選択した方が良かったところも

 




750mを越すと再び巨岩の急流になる

800mの二俣にはトロッコの荷台のような

丈夫な金属製の箱のような残骸があった

かつて鉱山でもあったのだろうか

 

その付近で伏流水となり

小さな支流が四方に分かれるようになる

どれが本流か全く分からないため

コンパスの方向だけをたよりに登って行き

急傾斜のザレとなったら

すぐ右の尾根に乗って稜線まで

地図上の本流からは北方面にずれたようだ

テープの付けられた稜線を南に歩き

最後の急斜面を登ると1150mの無名峰ピーク

サルスベリ(orヒメシャガ?)の巨木のある快適なピークだ



濡れた沢服を着替えた後に稜線を北へ

1143mピークでウグイ谷高から宮川貯水池に下る踏み跡に合流

途中から流水管管理道に入り

第3発電所に着いた

台高・櫛田川水系蓮川江馬小屋谷~白倉山(1236m)20220529

【形態】単独

【対象】沢登

【場所】三重県松阪市櫛田川水系蓮川江馬小屋谷

【特徴】10年以上前に友人といったことのある谷だが、ゴルジュ以外ほとんど覚えていなかった

【日程】2022年5月29日 江馬小屋林道終点(417m)5:40~7:20ゴルジュ~8:40巻き終わり~9:30次の滝10:30~11:10ねじれた滝~12:00最後の大きな滝~13:10稜線13:40~13:50白倉山(1236m)~1226mP~16:30駐車地点

 

林道終点に車を止めて

向かって左側の江馬小屋谷に向かって出発

谷は深いため、朝早いと薄暗い

すぐにゴルジュっぽくなり

両岸に数十メートルの岩が立った場所を通る

滝はないが、不思議な地形だ

その先もゴルジュ風が続くが

だんだん険しい感じになる

すると、大きな釜を持った滝にぶつかる

前回は真夏で釜を泳いで、対岸のクラックを登ったが

今回は水が冷たそうなのでパス

まける場所を探しながらしばらく後戻りする

どんどん戻るが、まいていけそうな場所が見つからない

まず右岸の新しく崩れた斜面付近で

岩壁にところどころある木を頼りに登ってみるが

上部でスラブ壁にぶつかりクライムダウン

さらに谷沿いに降りたところで

登っていけそうな小尾根が見つかり

登り始めると岩で上へ上へと巻き上げられ

結局は660mのコルを経由して

ゴルジュの上流部590mに降り立った

このゴルジュは最初の釜を泳いでクラックを登った方が

その上流部は右岸を簡単にまけるし時間短縮になる

ついでにその上の凄い滝を見ることもできるのでお勧めだろう

今回は泳がなかった

590mの右岸支流が気持ち良さそうなら

そちらに行く予定だった

上部を木々で覆われた暗い支流だったため却下

本流をそのまま登ることにした

しばらく歩くと

20mぐらいの滝が登場

右の方のクラックが登れそうだと見に行くと

クラックに取れなくなったさび付いたカムが残置されていた

ちょっと立っているがここから登れそうだ

最初はロープなしで取りつくが

岩がぬめっているため真ん中あたりからクライムダウン

ロープをつけて再び登り始めたら、最上部で足がスリップ

エイリアンとグリグリにぶら下がってしまった

念のためロープをつけといて良かった(;'∀')

クラックの上の木にロープを固定し懸垂

再び登り返した

ロープをつけると安全性が増すが

1人だと尺取虫スタイルになるので時間がかかってしまう

上にロープを固定し懸垂

もう滝はなかったっけ

と思いながら上流に向かうと

30mぐらいの直瀑に突き当たった

これは登れないのでまけそうなところを探しながら下降

この巻きは簡単だった

youtu.be

 

さすがにもう滝はないだろうと思ったら

その先にも登れない大きな滝がひとつあった

どこから巻けそうかうろうろすると簡単にまけた

滝が登れるか登れないか

登れないならどこからまくかを考える沢登りのだいご味を満喫

やっぱりトポは持ってこないに限るなあ

持ってくるとつい見てしまうもんね



その上流はつめっぽくなり

稜線が見えてきた辺りで一休み

濡れた沢服を着替えて白倉山山頂へ

ここに来たのは

江馬小屋谷の前回と今回

北方の大熊谷から

南方の垣外又谷からの計4回目



あとは稜線伝いに歩くだけだが

急な上り下りが続くほか

ブッシュに踏み跡が隠れ

獣道もあちこちでまぎれ込み

間違えないように行くには時間がかかる

 

へろへろになって1226mPに到着

ここからは一般登山道だと喜んだのもつかの間

下部では台高名物の枯れ葉滑り台急斜面が待っており

へっぴり腰で降り続け

腰が痛くなったころに林道終点に着いた

台高・宮川水系大和谷脇谷 20220522

 

【形態】単独

【対象】沢登

【場所】三重県大台町の宮川水系大和谷脇谷

【特徴】名前からしてマイナー感を醸し出す谷。途中で山腹崩壊が発生していて、谷が土砂で埋まっている。誰もいない静かな沢旅を楽しめる

【日程】2022年5月22日 宮川貯水池大和谷橋東詰(289m)5:00~6:50大和谷ダム(565m)7:10~8:20脇谷出合(642m)~11:40稜線(1275m)12:10~12:45池木屋山(1396m)~13:30 1332mP~17:30駐車地点

 

 

宮川ダム湖にかかる大和谷橋東詰に駐車

町道大和谷線の路面に尖った砕石がたくさん落ちていることを想定

町道終点まで30分強を余分に歩くことにした

去年、この町道には

直径1メートルほどの岩も道の真ん中に落ちており

車で通るのに難儀した。その前はパンクしたことも

怖い道なので、今回は避けようと思った

でも歩いて見たら砕石はほぼどけられ、きれいな道になっていた

 

町道終点からは大和谷ダムの管理歩道へ
はしごが随所にあるが、年々朽ち果ててきている
完全に落ちた橋が1ヵ所、ぶらぶら浮いてるだけが1ヵ所
2時間でロクロ谷出合にある大和谷ダム着
人里離れた深山幽谷という感じの場所だ
ここで、沢登りウェアにチェンジ
そんなに蒸し暑くないが、ヒルが1匹、靴下に付いていた
ダム右岸から入渓。新緑が目に染みる
緩い流れが続き滝らしい滝はなく
時々腰まで水に浸かりながら進んでいく

人里離れた場所にある大和谷ダム。水も空気も澄み切っている

自然のままの流れが続く
左岸の最初の大きな枝沢が目指す脇谷だ
地形図には、出合に滝マークがかかれているだけだが
どんな谷なんだろうか?
出合は狭い
地形図通り、すぐのところに滑滝が見える
釜は濃い緑でちょっと深そうだ

脇谷出合の滝
まずはぬめり具合を見るため、釜の手前まで
流れてきた倒木が引っ掛かってるなあと思い
滝を左岸側の壁を触って
滑りがきついためまくことにして引っ掛かった倒木が視界に入った
「わあ」と声を上げてしまった
倒木にニホンカモシカの死骸が引っ掛かっていた
まだ死んでから時間があまりたってなさそう
蒼い目が虚空を見つめていた
体長から、まだ子どもなんだろう
倒木だと思って掴まなくて良かった😅

最初の滝を簡単にまき、崩れやすい急斜面から河床に降りた
上流の両岸はゴルジュ地形が続くが
崩れた大岩で埋まっており、難しい滝はない
すると、左岸が大きく崩れており
ここから流れ出した岩が下流を埋めたんだなとわかる
しかし、さらに上流の左岸の斜面が2ヵ所派手に崩れていた
これでは河原歩きです

蛇行地点の壁に穴が開いていた

おたまがうじゃうじゃ

左岸の崩壊地点1か所目

2カ所目

3カ所目

860メートルを超すときれいななめ滝が続くようになる
なめ滝、なめ滝、なめ滝の連続
どれも登って行けるので面白い
これで下流部が崩れていなかったらかなあ
水流がなくなると疎林の急斜面に
10メートルぐらいの涸れ滝を登ると稜線手前の緩斜面に到着

最後の涸れ滝を越すと・・・

稜線に着いた

7回目の池木屋山ピーク

シャクナゲに花

そこで濡れた沢服を着替え、1318mピークを経て池木屋山着
頂上は7回目になる。いつものことながら人はいない
小休止し東尾根へ
1332メートルピーク手前で、迷岳から来たという関西弁の男性と行き違う
そこから南尾根に入り、踏みあとをたどって行く
1100メートルと900メートル付近で踏みあとを見失い
地図読みしながら藪こぎで進む
また方向を間違えたかなと思って、戻ること数回
900メートルで軌道の残骸を見つけ、それに沿って降りていく
途中760メートルで尾根から尾根へトラバースするところがあり
その周辺には赤テープが数ヶ所つけてあった
そこからの急斜面は台高名物の枯れ葉滑り台
今日は軽アイゼンを持ってきたのでつけてみると全く滑らない!これはいい
台高には必携装備かも
まもなく行きに通った六丁峠
小休止の後、町道をたどって、宮川ダム湖に着いた。

台高・宮川水系長右須(ながうす)谷~無名ピーク(1153m) 20220515

【形態】単独

【対象】沢登

【場所】三重県大台町の宮川水系長右須谷(宮川ダム湖左岸)

【特徴】下流域はゴルジュが続くが、中盤以降は土砂で埋まり、ガラ場登りとなる。魅力は薄いが、静かな登りを楽しめる.下りで尾根を間違えて、復帰するのに時間がかかった

【日程】2022年5月15日 宮川貯水池左岸長右須谷出合(282m)6:10~11:00頂上(1153m)11:30~14:40出合



 
長右須橋の橋のたもとから出発
シーズン初の沢登りはわくわくする
この谷
エアリアマップには「チョウズ谷」と記されているが
橋の欄干を見ると「ながうす」と書かれている
エアリアマップの表記の誤りだろう
 
出合は荒れた感じだが
すぐに自然林の中にきれいな小さな滝が続く
そのうちにゴルジュが始まるが
巨岩が積み重なって埋まっている
もったいないことや

すぐにいい感じの上りになる。新緑がきれい



谷沿いの森で植林は少しだけ
目の保養となる沢だ
雨が適度な間隔で降っているからか
シーズン初めにしては岩のグリップはいい
 
 
途中で気づいたが
コンパスのオイルが抜けてしまっており
磁針がうまく回らない
古いコンパスなので劣化が原因だろう
気泡が入っていたので以前から気になってはいたが
今回出てくるときにしっかり動くか確認してこなかった
磁石を使った地図読みが必要な沢登りでは致命的な失敗
 
470m地点では
扇状地風の斜面の左右に大きな支流があり
方位をちゃんと示してくれないので
どちらに行けばよいのか迷った

扇状地の左の支流にあったきれいなナメ滝

中盤からは谷を岩や小石が埋めている
 
 
さらに進むと、砕石土砂で谷全体が埋まっている
全体的に傾斜が急なために登りにくい
上部には砂礫で埋まらずに残った滝があった
巨岩でふたされてハング状になっている
側壁を登ったがボロ壁で緊張した
アルパイングレード3級ぐらい

下から見ると簡単そうに見えたが、手ごわかった小滝

滝の上から見下ろすと7、8mの高さがありそう

頂上に着いた。山の名札をつけるのが好きな人がいて、大体どこのピークにも表示があるものだが、このピークにはない。あまり人が登ってこない山なのだろう

 

ツメはザレのため、左の小尾根に出て稜線まで
頂上からは
南西のうぐいの高(1291m)や宮川ダム湖右岸の峰々がよく見える
しばらく休んで南南東方面の尾根へ
コンパスがうまく回ってくれないので不安だが
見込みをつけて降りていく

上は花、下はじゅうたん

最初は尾根っぽかったが・・・

そのうちただの斜面になってしまった。美濃谷の水音が近づいてきて、ここが目指す尾根ではないと確信した
尾根状を降りて行ったが
そのうち斜面に吸収されてしまい
下にあるはずの美濃谷とその向こうの尾根が近づいてきた
ここは目指す尾根ではないと判断
左方面にトラバースを始めた
いくつも尾根状を越えていくと
木々の向こうに目指す尾根っぽいものが見えてきた
コルらしいものがあり
あれだと確信した
どうも降り口を完全に誤っていたようだ

目指す尾根の870m付近のコルに復帰。下に宮川ダム湖が見えた

台高名物の落ち葉の滑り台斜面。何度もこけた

尾根の下の方には朽ちた杣小屋があった。中には神棚のようなものも

尾根に入ってしまえば迷うところはない

途中には杣小屋とみられる建物もあった

そこ辺りからはテープも出てきた

510mには送電線の鉄塔があり

そのまま尾根を降りていくと

中電送電線管理道が出てきて

それをたどって道路に着いた