台高・宮川水系大和谷地池谷~国見山 20231104
【形態】単独
【対象】沢登り
【場所】三重県大台町・大和谷橋東詰(289m)~国見岳(1283m)
【特徴】美しい滝がいくつもあった。穏やかな沢と思っていたが意外。今シーズン最後の沢としては楽しめた。途中で黒々とした立派なシカの角を拾った。本多忠勝の兜を真似してヘルメットにでも付けようか・・・。770mで左の支流に入る予定だったが、うかつにも見逃してしまい、825mからの左俣に入った。結果的に、40mぐらいの大きな滝を目にすることができたが、もっと地形図を見ながら慎重に行くべきだった。
【日程】大和谷橋東詰5:50~6:30町道大和谷線終点~7:30サザエ門谷出合(420m)~8:10地池谷出合(469m)8:20~9:50取水堰堤(550m)~12:10 825mの大滝~13:40国見山南西の稜線~14:15頂上~16:30駐車地点
薄暗い中出発。ガスが出ており、大和谷橋は陰鬱な感じだ
大和谷の支流ではこれまで
三滝谷、焼山谷、ロクロ谷、脇谷、銚子谷、川上谷、サザエ門谷と
7本の沢を登ってきたが
他パーティーに会ったことはこれまでない
彼らはどの沢に入っているのだろうか・・・
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終点からはしばらく大和谷ダム管理歩道を行き
鎖で河原に下りた地点から入渓した
水は至って穏やか
いくつかの淵で股~腰まで水に漬かって上流に向かっていく
水は震えるほどの冷たさだ
サザエ門谷出合を過ぎるとゴルジュになるが
目立った滝はない
日が当たってくると紅葉の葉が輝いてくる
秋の沢歩きはいいですな
巨岩があるところが地池谷出合
ここでしばらく休憩
この後、時間が押してきてほとんど歩き続け
ここが唯一の休憩地点になった
地池谷出合からしばらくは巨岩を縫うように進んでいく
ふと足元を見ると、土砂の間からシカの角の先端が2本突き出ていた
丁寧に石を取り除くと
頭蓋骨が一部ついたままの立派な角だった
台高山脈では
北部を中心に60本ぐらいの沢を歩いているが
角を見つけたのは2回目
シカが多い山脈とはいえ
角を見つけるのは難しい
宝物を見つけたようでなんかうれしい
巨岩地帯を過ぎるとゴルジュになる
ゴルジュの奥には5mぐらいの直瀑
周囲はハング岩で守られている
右岸の岩の隙間から登ることを試みるがあと一歩がでない
左岸のがけに転進するが
巨大な倒木がいまにも落ちそうにぶら下がっておりこれも断念
結局、ゴルジュの手前まで戻って巻くことにする
すると斜面の途中に歩道らしきものが通っており
崩れたはしごもあった
上流の取水堰堤を管理するために造られたのだろうか
今は沢登りする人か杣人ぐらいしか登って来れない状態だが
歩道らしきものは崩れていたりして見失い
途中から急斜面のトラバースになる
すると、取水堰堤が見えてきた
その上流側で沢に下り立とうと思ったが
すぐ上にちょっと大きな滝が見えたので
このまま一緒に巻いてしまうことにする
その滝を上から眺めると
流れが2つに分かれた美しい滝だった
しまった。下から見上げたかった・・・
滝の上流で沢に復帰
ところどころ深い淵があるが
このころになると気温が上がって冷たくはなかった
美しい滝がいくつもあって目を奪われる
710mで左岸に支流を分け
770mで右岸の支流に入る計画だったが
気づかず通り過ぎてしまい
気づいた時には800mを過ぎていた
顕著な沢地形を見逃すはずがないが、おかしい
渇水で水が流れていなかったのだろうか
滝を巻いたときに見逃したのか
すでに昼近くになっており
日が短い季節なので
これから頂上を越えて駐車地手まで戻るにはあまり時間がない
戻って770mの支流を探すか
さらに上流の825mの支流から左俣に入るかで迷うところだ
地形図をもう一度見直し
上流に向かうことにした
沢が大きく左にまがり
825mの二俣と思われる右岸の支流にはなんと
40m超の大きな滝がかかっていた!
左側には水流が穿った大きな嵓があった
今は水が少ないものの
かつては水量が多かったことが分かる
でも、これは登れません
美しさに見とれている時間もありません
再び地形図を確認
いまいる場所が本当に825mの二俣だとすると
もう少し上流には林道が走っているらしい
その辺りは斜面が緩いのだろう
そっちの方向からまくことに決定
しばらく沢を遡り
右岸の斜面をしばらく登ると
杣道が出てきて
それに沿って小尾根を越すと
滝の上流部に出られた
その辺りは穏やかな流れで
休憩場所に最適
巨大な杣小屋跡もあった
こんなに大きな杣小屋はこれまで見たことがない
専用のトイレまで作ってあるし
数十人が寝泊まりできる施設だったのだろう
しばらくそのまま沢を遡り
920mでさらに左の支流へ
水はなくなり
雑木の斜面を登ると
顕著な尾根に出た
杣人の踏み跡らしきものもある
そこで沢服を着替え
国見岳頂上まで適当に歩いていく
太陽はすでに西の空で斜めになっている
でもこの分なら明るいうちに車まで戻れそうで
ホッとした
頂上で写真だけ撮り
東尾根についている踏み跡をたどって
途中から送電線管理歩道へ
大和谷橋西詰付近で町道に下り立ち
暗くなる前に車にたどり着けた
中ア・木曽川水系境ノ沢 20231014
【形態】単独
【対象】沢登り
【場所】長野県大桑村の木曽川水系境ノ沢~糸瀬山(1867m)
【特徴】美瀑がいくつもあり、意外に楽しめた。暖かい秋なので、紅葉にはまだ早かった。この時季の毎度のことだが、クマの痕跡がいくつもあり、クマよけの笛を吹き続けた
【日程】松渕沢林道分かれ道(670m)5:50~6:10境ノ沢(660m)~8:00大きな滝8:10~11:50左岸稜線(1760m)12:20~糸瀬山~14:50駐車地点
きれいに整備された松渕沢林道を行き
「糸瀬山登山口→」と書かれた看板のある分かれ道に駐車
鎖のゲートをまたいで林道支線を歩き
終点から山の斜面を適当に降りると境ノ沢に着く
山が小さいだけあって
いきなり中流域の様相だ
地形図には堰堤がいくつも書かれているが
この地点はすでに最後の堰堤の上らしく
めんどくさい堰堤越えはなかった
しばらく荒れた河原を歩いていき
右にやや曲がっていく先に最初の滝が登場
どうもそこから上はゴルジュが続いているらしい
最初の滝は左側に顕著なクラックが走っており
パートナーがいれば登れそう
今日は1人なのですぐ横にあるガリーから登っていくが
滝の上に下りようとしたら
すぐ先にも登れそうにない滝が見えたので
さらに高巻きを続け
2つ目の滝の先で河原に下りた
その次は7~8mぐらいの滝
登れそうなところから取りつくが岩が極度に脆い
つかむ岩の多くがボロボロと落ちていく
ガラガラと浮石を落として最後はシャワーを浴びて滝上へ
この時季にシャワーを浴びると寒すぎです
ナメ滝をいくつか越すと大きな滝の下に出た
2段で高さは50mぐらいだろうか
岩もすっきりしていて見栄えがする
地形図の780m地点にある滝マークだろうか
時計の高度計は900mを指しているが・・・
マイナー沢にこんな美瀑があるとは
沢登りの楽しさを実感できる滝だ
一休みの後、美瀑の巻きにかかるが意外にてこずる
急な岩尾根を登り
滑りやすい急斜面をトラバースして滝の上へ
アックスがないとかなり大回りしないといけなかっただろう
河原に再び降りると、今度は20mぐらいの美瀑
落ち口は水がはねていて活きがいい滝だ
これも登れないのでまくが再度きわどいまきで
落ち口近くに下りる
次はやや斜めった15mぐらいの滝
大きな流木がいい具合に立っているが
慎重を期してまく
すると斜面に大きな足跡と丸い糞があった
形状からしてクマだろう
木の枝で糞を刺すとやや硬いので
半日以上はたっていそうだ
今日は林道からクマよけの笛を吹き続けているが
鉢合わせしないことを祈るのみだ
以前行った桟沢では、糞が周りにたくさんあるクマの巣みたいなものがあって焦った
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先のほど滝の上に出ると谷の傾斜は緩くなり
ゴーロが見渡せるようになる
左岸から水量の多い支流が合流してくる
谷の地形ではまっすぐいくのが順当だが
左岸の支流の方が水量が明らかに多い
迷った末にまっすぐ行くことを選択
しかしすぐに全く水がなくなってしまった
左岸支流が本流だったかなと思って
等高線に沿って支流にいくつもりで斜面を登り始めたが
すでに支流ははるか遠くに曲がっていってしまったらしい
適当に登りやすい斜面を登って高いところから見てみると
先ほどのまっすぐの谷が明らかに本流であることが分かる
また谷にUターン
そのままゴーロを登っていくと
わずかだが水が流れるようになった
しかしこのゴーロは長い
地形図を見てもダラダラ登りであることが分かる
後方には御嶽山がだんだん高くなってきた
ゴーロが急になると稜線っぽい尾根が見えてきた
あと200mぐらいで砂礫の谷になり
登りやすそうな右俣を選択
崩れた斜面をごまかしごまかし登ると尾根に出た
しかし予定したコルより右の尾根に出てしまったようだ
尾根上には獣道が走っている
南東風が強く寒いので
大きな岩陰で沢服をチェンジ
糸瀬山頂上までやぶ漕ぎを30分
頂上はハイカーでにぎわっていた
暖かい秋なので紅葉の進み具合はいまいち
下りもクマよけの笛を吹き続けて車まで戻った
北ア・笠ヶ岳穴毛谷七ノ沢~クリヤ谷 20230924
【形態】単独
【対象】沢登り
【特徴】デイパックにクライミングシューズとチョークバッグだけ入れて、何年か前に行った七ノ沢を再び遡行。下りに使ったクリヤ谷は背丈以上のササが生い茂り廃道状態になっていた
【日程】槍見(970m)3:00~5:20穴毛谷四ノ沢出合(1650m)~7:00七ノ沢(2050m)7:10~10:20頂上(2898m)10:40~15:40槍見
槍見に1台だけあった空スペースに車を止めて出発
最近、新穂高の駐車場の込み具合が尋常ではない
できれば早く登山ブームなど去ってほしいが・・・
左俣林道から穴毛谷へ
渇水だけに巨大堰堤下も簡単に右岸に渡れた
適当に右岸から左岸に渡って上流に進むが
三ノ沢出合辺りの滝場も灌木帯を通らずに水際を行ける
それだけ水が少ないということだろう
四ノ沢出合辺りで明るくなってきて、美しいピナクルを拝めた
五ノ沢出合から本谷に進み
穴毛大滝の前を通りしばらく登って
左の小尾根を越す
小尾根の上からは
これから向かう七ノ沢と
左手に六ノ沢が見える
暑い夏だったので六ノ沢には雪渓が残っていない
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小尾根から滑りやすい草付きを下り七ノ沢へ
クライミングシューズに替えて遡行を始める
すぐに最初の滝
岩が脆そうで気を付けて登った
アルパイングレード3級
そこから5~10mの滝が続くが
岩は固くなり難しい滝はないので
気持ちよく登っていける
最後のゴルジュを越すとルンぜ状になり
小尾根(たぶん六尾根)に上がると
気持ちの良いカールと頂上が見える
ハイマツを漕いでガラ場を上がると抜戸岩北方の登山道に合流する
あとは登山者に混じって頂上まで
気持ちのいい日です
クリヤ谷方面は「未整備。進入禁止」などと書かれているが
皆さん気を付けましょうねと思いながらそのまま進む
確かに、人が歩いていないため
クリヤの頭までの登山道も浮石が多くなっている
毎年、ライチョウの群れがみられる場所でいろいろ探したが
今年はライチョウを見ることはできなかった
クリヤの頭を越しクリヤ谷に入ると
胸から頭上のササ薮になった
去年、一昨年に増して薮の状態はひどい
倒れ気味のササを引き起こて踏み跡を探しながら亀の歩み
つづら折れに下りていくところでは
何度も踏み跡を見失い右往左往する
間違えやすいのは水の流れていない沢を越すところだ
だいたい、一度登りになることが多いが
視線は下に向いているので沢沿いに下りてしまいがち
足の裏の感覚を鋭敏にして
踏み跡なのか、ただの沢なのかが見分けていく
クリヤ谷は好きな道なのに
このまま廃道になってしまうのだろうか
とても残念だ
汗だくになってクリヤの岩小屋着
その辺りのクリヤ谷は渇水だけあって水は流れていない
テントもなく、錫杖のクライマーも少なそうだ
錫杖沢との合流点まで来ると水が流れ出し涼しくなる
渡渉点を越し、槍見までポクポク歩く
今日はロープやガチャを持ってい来なかったのでザックは軽く
肩は痛くならなかった
中ア・木曽川水系滑川奥三ノ沢 20230917~18
【形態】単独
【対象】沢登り
【場所】長野県上松町の滑川奥三ノ沢~三沢岳(2847m)
【特徴】それぞれの滝は大きいが、メジャールートだけあって、まき道は明瞭。人の入らない台高の無名沢よりはるかに簡単かも。岩も堅く、リスクが小さい快適沢といえるが、原始的な沢登りの面白さはあまりない。前半の二俣の滝を巻くところのガリーはバランスが悪い。ロープを使ったのは登り1回、懸垂1回
【日程】▽17日 上松A登山口(1220m)5:30~奥三ノ沢出合9:00(1840m)9:10~13:00二俣にある直瀑の落ち口~15:15テン場
▽18日 テン場5:20~8:10三沢岳頂上8:40~宝剣岳~15:00上松A登山口
【23日】明るくなってから出発
敬神の滝小屋をサクッとすぎ
最後の堰堤から入渓。増水で敗退した7月と比べるとはるかに水が少ない
というか渇水なので水流がか細い
奥三ノ沢はどこまで水が流れているのか不安になった
三ノ沢出合とスヤマ尾根末端を越えると、河原も少し歩きやすくなる
しばらくすると正面に宝剣のツノツノした岩場が見えてくる
宝剣の稜線が近づき、巨岩ボルダーがあるところが奥三ノ沢の出合いだった
出合は狭いが、すぐ正面にF1が見えている
逆層で登りにくそうだが、そんなに大きくないなあというのが印象
もちろん登らず巻き上がるが、踏み跡は明瞭で簡単に落ち口に下りられた
するとすぐに次の滝。これは最初の滝より大きい
もちろん巻き上がるが、ただ踏み跡をたどるだけで、楽々落ち口に
そこからしばらく滑滝を登ると、二俣に至る
左は傾斜が強い滝、右は逆層の滑滝
水量から言って、左が本谷だろうが、どこから登ればいいのだろう
左の滝の右側の岩にクラックが入っており、パートナーがいれば登れそう
今日は1人のため巻き上がる予定だが、どこから登って行けるのか
右俣の左岸を試登が、すぐハング岩に阻まれ断念
あとは、左右の滝の真ん中のスラブを登るしかなさそうだ
岩くずによるスリップに気をつけてスラブを直上し
木が生えているところまで登ると、踏み跡が出てきた
ここを登る人が多いのだろう
2mほどの垂直岩を木にぶら下がったモンキークライムで越すと、土のガリーに出る
その上は5mぐらいで岩場を抜けるが
ホールドは少なそうで、上部にリングボルトが打ってあるのが見える
迷った末、ガリー入り口のピナクルに支点を取り、ロープを付けることにした
リングボルトに支点を取るが、スタンスはぬめっていて滑りやすい
ロープを使って良かった
その上に赤エイリアンがばっちり決まって、ガリーをクリア
ガリー出口に細い木があるが、さらに5mほど上の太い灌木で支点を取って懸垂
ザックを背負って登り返した
ロープをしまい、ガサガサ斜面を滝の方に向かって行くと
崖が出てきて断念
灌木まで戻って右へ行こうとすると、破砕帯に突き当たりこれも行けそうにない
まっすぐ上はただの薮だし、どこだろう
危ない場所は避けたいので、薮を直上に決め急斜面を登って行くが
枝の目つぶしを何度も食らう
ある程度上がると、滝の方向に行けそうな傾斜になったので
ガサガサ斜面を斜めに下るように行くと踏み跡が出てきて、滝の落ち口に出た
ロープを使用したため、この滝だけで1時間以上はかかり
上流も下流もガスで覆われてしまった
小休止の後、狭まった沢を上がっていくと、20mぐらいの斜瀑
簡単に登れそうだが
落ち口がコケ付きのナメになっていて滑りそうなため、横の岩場からクリア
その次は50~60mの斜瀑。中間部までは登って行けそうだが
上部が急で手がかりもなさそうなので、まくことに決定
小さな沢沿いに上がっていくが薮に突入してしまい、右往左往
たぶん次の滝もそのまま巻いて、10mの垂壁の懸垂で沢に戻った
その上はゴルジュのようになっているが
左右の尾根は格段に低くなってきて圧迫感は少ない
ガスも晴れて、気持ち良く遡行していくと、流れは右に曲がり次の滝
左右は壁のため、水流近くを登るしかないだろう
そういう時はよーく観察
水流を浴びて中間まで登り
その後はアルパイングレード3級程度の岩場を登ってクリア
斜瀑をいくつか登ると、40m弱の傾斜のある滝にぶつかった
時刻は15時過ぎ
もうそろそろテン場を探さないとと思ってよく見ると
滝の手前右岸の草むらにテン場を切った跡とたき火の痕もあった
ここは快適そうだ、ということで、ちょっと時間は早いがここにツエルトを張った
たき火もしようと薪も集めたが、しけっていて途中で諦めた
夜中はシュラフカバーだけでは少し寒く、震えて朝を待った。
【18日】今日は三沢、宝剣を経由し、上松Aを下る長丁場
明るくなるとすぐに出発した
目の前にあるちょっと大きな滝をどう登ろうか
朝は体の動きが悪いから、ロープを使うことも考えたが
岩の真下から見上げると、登るラインが見えてきたので
ロープなしで取り付いてクリア。3級ぐらいで難しくない
だんだん上空が開けてきて
後方には木曽駒辺りの稜線に日が当たり始めて気持ちが良い
水流はかなり減り、いくつか小さな斜瀑を越すと
巨岩が積み重なったような滝の登場
段々になっているが、40mぐらいありそう
すでに水はチョロチョロなので、滝の上には水がないだろうと想定
プラティパスに水を2リットル汲んだ
さて、この滝はどこから登るのだろう
まずは左から一段上がると
岩場の真ん中にチョックストーンのはまった高さ3~4mのチムニーがあるのが見える
あの上がどうなっているのか不安だが、とりあえずチムニーを越すことにする
チムニーの幅は肩幅より若干狭いぐらい
簡単に登れるかと思いきや、はまって動けなくなってしまった
体を外に出せば簡単に越せそうだが
ロープを付けていないので落ちたら致命傷になってしまう
くそっと、もぞもぞ体を動かすと
チムニーの奥の方がほんの少しだけ広いことが分かり
チョックストーンを抱くようにすると簡単にチムニーの上に上がれた
その上は階段状で、簡単にクリア
これも3級ぐらいでしょうかね
その上は稜線まで一直線に小滝を越えていき
ザレの斜面になったらハイマツの薮に入り
たった5mほどの藪こぎで頂上着
変な方向から姿を現したものだから
ちょうど歩きで頂上に来た単独の女性登山者に驚かれた
頂上でまったりし、混み合った宝剣や木曽駒周辺を越えて
足の痛みをこらえて歩き続け、駐車場に着いた
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中ア・中田切川本谷~空木岳20230902~03
【形態】単独
【対象】沢登り
【場所】長野県駒ケ根市の養命酒工場上の林道終点(1090m)~空木岳(2864m)
【特徴】冬が寡雪で猛暑の今年はチャンスと思った通り、雪渓はすでになく完登できた。しかしV字谷にかかる滝のまきに4時間かかり、ヘロヘロになった。岩も、斜面もボロボロで、篤志家向きの沢かも。
【日程】▽2日 林道終点5:20~6:00荒井沢出合(1090m)~大荒井沢出合8:00(1325m)8:10~12:00ゴルジュ入り口12:10~13:30滝場~17:30滝上のテンバ(2190m)
▽3日 滝上のテンバ5:20~6:30上の二俣(2400m)~9:00ハイマツ地帯~9:30駒峰ヒュッテ前登山道~9:40頂上10:00~12:10マセナギ(1980m)~16:30林道ゲート
【2日】
林道ゲート前にある2台ほどの駐車スペースに駐めて出発
40分ほど歩き終点から川に下りる
ちょうど中田切川本谷と荒井沢の合流点だ
数年前に大荒井沢に行った時よりはるかに水量が少ない
前回は梅雨雨日、今年は猛暑でこれだけ違うんだ
歩きにくい河原を進むと流れは左へ右へと曲がり
2、3mの小滝が2つ出てくる
横の岩を簡単に越えていく
またしばらく歩き河原が狭まってくると最初のゴルジュ
巨大な怪獣の卵のような真っ白い楕円形の岩が滝の真ん中にはまっている
前回はグズグズ斜面のまきで悪かった覚えがあるが
入渓者が増えたようで踏み跡が付いている
ピンクのテープの残置も
ここにもマーキング好きな山屋が出没したようだ
犬じゃないんだから何のためにマーキングするのだろうか
自分で考えながら登るのが沢登りの楽しさ
わざわざ道案内するのはやめてほしい
ごみにもなるし
そこからひたすらゴーロ
左岸の斜面が大きく崩れた逆S字カーブを曲がると間もなく大荒井沢出合
初めての小休止の後、河原を歩いて行く
すると、ゴルジュになり本谷中流部で初めての滝
これは登れないなあ
ということでまきにかかる
両側とも登りにくそうだがガラ場を上がっていく
でもあまり危ない所もなく滝の上流に歩いて下りられた
間もなく右岸に支流を分け
本谷上流の先の方にV字谷が見えるようになる
小滝を1カ所登れずまくが
歩いて下りられず灌木で5mの懸垂
この先、手がかかりそうな予感がするなあ
またまたゴーロを上がっていくとV字谷ゴルジュの入り口に着いた
巨大なUFO型のハング岩がV字谷の真ん中に挟まり
水流が左右の壁際から2手に分かれて落ちている
高さは4、5mぐらい
足や背中から落ちたら痛いだろう
もしかしたら遺体になるかも
気をつけ登りたいが、いったいどこから登れるのか
ザックを降ろし片っぽの垂壁側を試登
いいところにカチがあるが一歩登るとカチが欠けてしまった
これは脆い。こちら側は落ちたらただではすみそうにない
もう片っぽは水滴の落ちるぬめった斜面を登りハング越え
こっちも岩が脆そうだから心配だが、ここしないだろう
ザックを背負って滑らないよう気をつけ
クラックの入った岩に力を入れないように慎重に乗り越す
ホッ、なんとか行けた
その上部が巨岩のゴーロが続いているがしばらく滝はなさそうだ
右岸に支流を見てさらに進むと
本ちゃんの滝場が見えてきた
10~40mぐらいの4~5つの滝が続いていて
両岸はゴルジュで逃げ場はなさそう
最初の滝の手前に急なガリーが走っていて
そこを登ってまくことにした
まくのに時間がかかることを予想し
プラティパスに水を1リットル汲んだ
ガリーに入ると、持つ岩すべてが抜け落ちそうなほど脆い
数10m上には大きな岩でふたをされていて
そこは抜けられそうにない
右の斜面を見ると
堅そうな段々になった岩場が上方に続いていそうに見えた
ということで右に逃げて
3級程度の岩壁を細い灌木を使いながら上がっていく
しかし上がるにつれ傾斜はきつくなり
木が覆い被さって下から見えなかったところはハングになっていた
でも絶妙なところに直径2㌢ぐらいの灌木があり
木を使ったモンキークライムで上部の緩斜面に
そこから最初のガリーに斜めに下りて行って復帰
まき始めてここまで1時間半かかったが
まだ50~60mぐらいしか登っていない
ガックリ(T_T)
気を取り直し、ガリーを直上
砂や砂礫の急斜面になり登れなくなって右の草斜面に逃げたが
草の根元を握っただけのトラバースとなる
やっと尾根状に出るが、またすぐに進めなくなり右往左往
本谷の滝が全然近づいて来ない
岩場に突き当たると上へ上へとまくようにしていたら
高さ20m以上のスラブに突き当たり身動きが取れなくなった
もう時刻は16時半
ガスも湧いて薄暗くなってきた
このままだとビバークかもと焦る
とりあえず、スラブ壁の下に立てそうな緩傾斜地があるので
そこまで懸垂1発30m
さらに右手の斜面を登り小尾根を越すと
背丈以上の草が生える緩斜面に出た
大滝の水音はもっと下の方から聞こえてくるから
この辺りで下って行けば落ち口に出られるかも
草をつかんで下りていき、5mぐらいの岩場をクライムダウン
懸垂せずとも河原に下りられた
良かったあ
ちょうど空木方面の右俣と仙崖嶺方面の左俣の分かれるところ
時刻は17時半
まき始めて4時間もかかった
もうへとへとです
ということでこの周辺でビバークできるところを探したら
右俣の左岸に1人が寝られる程度の草地がありツエルトを張った
たき火ができるように木も集めたが
疲れすぎていてたき火をする気が起きず
ガスで水を湧かして夕食を食べすぐに寝た
【3日】翌日も長丁場を予想し明るくなって間もなく出発
前夜はスーパームーンから2日後ということもあり
22時半ごろから月が煌々と照って余り寝られなかったため
体力が続くか心配だが
1歩ずつでも進まないと始まらない
右俣にも予想通り雪渓はなし
ガラガラの急斜面を岩崩れに注意しながら登って行くと
10数mの滝が登場
右側の岩場からクリア
その上にも滝があるが
簡単に越えると
ガラ場が続く左俣と、すぐ滝のある右俣に分かれる
水流は右俣にあるので、素直に右に進んでシャワーを浴びながら登る
朝イチのシャワーは辛いものだが
今日は朝から暑いので苦にならない
その上はさらに急になり岩登り
スラブ壁をレイバック気味に越えていくが滑りやすくてヒヤッとする
急なガリーを直上していくと小尾根に出た
あれ、沢筋を間違えたかなと思ってよく見ると
小尾根の草付きに踏み跡がついている
間違ってこの沢筋に入り登ってしまった人が多いのだろう
踏み跡にはカモシカの足跡がたくさんついていた
最近は入渓する人は少ないはずなのに踏み跡がしっかり残っているのは
カモシカ君たちが整備してくれているからだろう
踏み跡を外さないように小尾根から樹林帯を行くと
右股上部の沢筋に出て
そこを上がっていくと
駒峰ヒュッテ南方のハイマツの薮にぶち当たる
そこから30分のハイマツこぎで縦走路着
空木の頂上まで行き
マセナギまで登山道を下りて、荒井沢に下降
林道ゲートまで歩いてゴールした
2日間で24時間ぐらいかかり
脚も心もボロボロになった
中ア・木曽川水系荻原沢 20230812
【形態】単独
【対象】沢登り
【場所】長野県上松町の東野集落のヘアピンカーブ(910m)~独標(2339m)
【特徴】ゴーロがひたすら続く沢。コロナ後遺症なのか、
【日程】東野集落5:00~5:30最初の滝~8:30 1410m地点のゴルジュ~11:00上部の滝場~13:10独標13:50~16:30風越山~18:00駐車地点
上松町の国道19号から林道に入り
東野集落を過ぎた最初のヘアピンカーブに駐車
そこから水平にU字工の水路が延びていて
それを終点までたどって入渓
本流にはそこから堰堤がいくつも続き、左右から巻いて行く
しばらく行くと最初の滝
うーん、これは登れないな
とうことで、ちょっと戻ってまきに入る
斜面は急だが獣道があちこちに走っており
それをたどっていく
もうこの辺りでいいだろうと
急斜面を立木を頼りにおりて河原に降り立つと
さらに上流に堰堤が・・・
がーん。また急なまきの尾根にUターン
急斜面をトラバースし、この辺りでと河原に下りると
さらに先に堰堤があった。くそっ
でもその堰堤は横から簡単に乗り越せた。
左岸に支流を分けると、流れは左に曲がりナメ滝が出てくる
フリクションは良好で簡単に越していける
両岸の森が迫ってくるとゴルジュと滝場の登場
1つめは簡単に登り、釜を持った傾斜の強い滝
ホールドがあり登れそうだが、その上の滝はツルツルのナメ滝っぽい
ちょっと考えた末、丸ごと巻くことに決定
1つめの滝をクライムダウンし、またまた急な斜面へ
(登れそうなところを探すのが沢登りの楽しみ♪)
岩やルンゼを越え
うっそうとしげる枯れ笹に顔への突きを繰り返されながら登り
滝場を超えた河原に歩いて下りた
そこから延々とゴーロ
蕎麦粒岳の鋭峰が正面に見える
1550mぐらいからは伏流水となる
台高・地獄谷のようにこのまま水がなくなったら困ると思い
プラティパスに2リットルの水をくみ、担ぎ上げることにした
ザックが急に重くなり、足取りも重くなる
左手に大きな岩壁が見えてくると
またちょろちょろ水が流れ始めたので
プラティパスを空にして、少しでも肺への負担を減らすようにした
左手の岩壁は固そうで、標高差は100m以上ありそう
ハングはあちこちにあるが
クラックラインはパッと見たところ余りなさそう
まあ、魅力的な壁といえるが、ここまで上がってくるのは面倒くさいだろう
そのまま上がっていくと高さ20mぐらいの斜瀑が出てきた
茶色のコケが付いており滑りそうなのでクライミングシューズにチェンジ
簡単に登れた
その上は左手に支流の斜瀑と
まっすぐ奥にもう少し急な20mぐらいの滝が見える
左岸は脆そうな岩尾根
どうも、どちらかの滝を登らなければ上に行けないようだ
そういう時はよーく観察
まっすぐ奥の滝にあるワイドクラックを登ることにした
水しぶきを浴びながらクラックの下まで来ると
意外に急傾斜であることが分かる
フィストジャムをかまして体を持ち上げ
カチで支えて体を空中に出すと
ちょうどクラックの端におあつらえ向きのスタンスがあり助かった
左手のスローパーの岩がグラッっと抜けそうになり、くそっと声を出したが
何とか登り切った。アルパイングレード4級+~5級ぐらいか
登り切ってから下を見ると高さと傾斜があり
ロープを使うべきだったと反省した
それから上部はゴルジュの中のゴーロ
一カ所、巨岩でふたをされ、ハングになっている滝があった
リップに手が届く高さだったので、ザックを先に上に上げヒールフックで上がる
それからはダラダラ歩き
ピナクルを越えて薮に突入
すぐにコルに付くが、休める場所はない
そのまま藪こぎを続け、独標の頂上へ
中アが一望できる気持ちのいい場所でまったりした
駐車地点までの下山路は遠い。あまりにも遠い
上部は一般登山道とはいえ踏み跡がはっきりせず
何度か薮こぎをする羽目に
2118mピークぐらいから踏み跡がはっきりしてくる
1887mピークへの100mの登り返しでヘロヘロに
風越山手前の草が生い茂った斜面も迷いやすい
風越山から急傾斜の登山道を下り、林道を3キロぐらい歩いて駐車地点着
途中、木曽谷が一望できる気持ちの良い丘があって癒された(下の動画)
久しぶりの残業で全身がボロボロになった
中ア・天竜川水系小黒川マナイタダラ沢右俣~将棋頭山 20230805
【形態】単独
【対象】沢登り
【場所】長野県伊那市の桂小場登山口(1270m)~将棋頭山(2730m)
【特徴】コロナ陽性によるしばらくの静養の後、久しぶりの山。普通の登山道でも息が十分に吸えない感じで胸が苦しかった。後遺症なのかも。地形図によると、この沢は支流がたくさんあるが、その中でも右俣は最も大きそうな谷。行ってみると適度に滝があって面白かったが、上流部に高さ60mはありそうな大滝があって、さらに滝の左岸右岸とも扇状に岩場が続いていて、ぼう然としてしまった。何とかうまくまけたから良かったが・・・。
【日程】桂小場5:10~6:30マナイタダラ沢出合~右俣7:30~9:40大滝~12:00登山道12:40~13:40頂上14:00~16:10桂小場
桂小場から出発するのは昨秋の将棋頭沢に続き2度目
駐車場が混むことを予想して早めに着いたが
意外にもあまり混んではいなかった
若干の仮眠の後、明るくなってからスタート
林道を終点まで歩き、沢に降りるとすぐに巨大な堰堤にぶつかる
2本スリットが入っており歩いて抜けられるかと思って見たが
上流部にハング状の岩が連なっており断念
右岸の階段を上り下りして上流へ
沢が狭まってくると小さな滝が2、3続き
簡単に越えていく
すると右岸に顕著な支流が合流していた
マナイタダラ沢の出合だ
同沢を行くとすぐに小滝が続き
大きく左にカーブすると
10mぐらいの滝が2つ続いているのが見えた
ザックを置いて探ってみると
下段の滝は登れそうだが
上部のナメ滝はツルツルで無理そう
おとなしく巻くことにする
しかしまくのはなかなか大変
急斜面を下りるなどして右俣と左俣が別れるところに出た
左俣には小滝が2つ
右俣はガレの斜面になっている
地形図を見ると
右俣と左俣は上流で近づいて
中間の尾根を簡単に越えられそうな感じ
もし左俣の小滝2つを同時にまいてしまっても
上流部で尾根を越えて右俣に出られそうだ
左俣と右俣の合流部に降りるのはルートファインディングが難しく
そちらの方が合理的にも思える
さて
右俣を進むとまっすぐ下に落ちる小滝を巻いて
ガレ場を進むようになる
沢が右に曲がっていくと日が当たって気持ちが良い
ところどころ滝があって飽きさせない
今度は左にカーブしていくと徐々に傾斜が急になり
ゴルジュの中に滝が続くようになる
すると巨岩でふたをされた滝が出てきた
シャワーを浴びて巨岩の下に入ると
水流のないヌメヌメのスラブを行くか
激流に抗ってワイドクラックを登るか迫られる
どちらにしても苦しそう
考えた末、ちょっとした工夫で簡単に越すことができた
そのすぐ上にはトイ状の滝
簡単そうに見えたが
取りついてみると傾斜がありナメ状で
気合を入れて越えた
上流部をまっすぐ見渡せる場所に出たら
ゴルジュのずっと奥に巨大な滝が待ち構えているのが見えた
えっ、えっ?あれは何?
そんなの地形図に書いてないじゃんって独り言を言っても始まらない
左右の斜面でまいて上がれそうな斜面を探しながら近づいていく
大滝は高さ60mぐらいだろうか
逆層の壁にトイ状の割れ目が入り
そこを水が流れている
思ったより傾斜は強くなく
パートナーがいればロープを結んでトイ状を登れそうではある
今夏のような猛暑にはあまり水も冷たくないから最適かもしれない
今日はもちろんまくことにするが
左右の壁は扇状・ハング状に広がっている
どこからまけそうか
右かも、いや左だろ
何度も行けそうなところを見出そうとするが
なかなか決められない
うーん、そんな時は靴を飛ばして裏表で決めよう・・・
ということでまき始めたら
ハング岩が何段かになった細い回廊なようなところに動物の足跡があり
「ここだ、これについていけば岩場を抜けられる」と小躍り
ズルズルの急斜面を横切ると
岩の積み重なった急な尾根に出て
それを上がっていくと大滝の上に出られた
ほー、良かった
その上の小滝をいくつか上がると左右に分かれる
これは右だろうと進み滝をいくつか越える
ふと左の草地の中に赤いものが見えた
なんだろうと近づいてみると
空気の抜けた風船
広げると、子どもが出店で買ってもらうようなものだった
まだ中に若干ヘリウムガスが入っていて穴は開いていない
伊那市内から飛んできて
気温の低い高所でしぼみ墜落したのか
ともかく
ごみを放置してはいけないので回収
ザックに入れた
そこからしばらく上がるとやぶ漕ぎになり
背丈を越えるハイマツを5分ほどで西駒山荘方面への登山道に出た
そこで沢服と沢靴をチェンジ
将棋頭山の頂上を越えて
土砂降りのなか下山した